現代の若者の行動を精神科医である著者がわかりやすく解読し、中高年向けにその接し方などを示した本。
なるほどと納得できる分析もあるけれど、総じてわかりやすすぎて面白くない。もっとも、本書がこの手の本を読んで若者の行動の意味を手っとり早く知ろうとしている中高年層を安心させるために書かれたのだとしたら、このわかりやすさも妥当なところかもしれない。しかし、本書で示された若者像は様々な若者の一部、著者がカウンセリングした若者と勤務先の大学で接している、それだけなのだということだけは肝に命じて読んだほうがよいだろう。
逆に若者が本書を読めばどういう感想を持つだろうか。そちらの反応の方が気になるのである。
(2002年4月22日読了)