惑星アガルタの軌道上に浮かぶ巨大研究施設が邪悪な意志生命体に襲われる。それは物理的な攻撃を受けつけない別次元よりの来訪者であった。その「妖魔」を倒すには、霊的なエネルギーの強い者の力が必要になる。WWWAはトラブルコンサルタントとして霊力の強い少女二人をスカウトする。一人は乱暴者で男性的なケイ。一人は男性の気を惹くことしか考えていないようなユリ。二人は何の訓練も受けないままアガルタにある薔薇十字学院に転入する。果たして妖魔は出現するが、力の使い方を知らない二人にはどうすることもできない。若き真言僧の円行、道師のファン・スーら妖魔を獲物と狙う同級生も現れて、学院は大騒動に。果たしてケイとユリの二人は潜在能力を発動することができるのだろうか。
作者のあとがきによると、他人同士の女性コンビを主人公としたアクションものを「ダーティペア」パターンというのだそうだ。新たな「ダーティペア」パターンの物語を想像するにあたり、「ダーティペア」、ケイ、ユリの名前はそのまま使ったのには何か意図があるのだろうが、残念ながらそれは成功したとは言い難い。なぜならば、オリジナルの「ダーティペア」の印象が強すぎるからである。オリジナル「ダーティペア」はまさに画期的なヒロインであった。そして、日本のSFの歴史にも残る作品だと私は考えている。それだけに、どうしても「ダーティペア」という名をつけるとオリジナルのイメージを断ち切ることはできないのだ。
おそらく作者には「ダーティペア」の名を使えばセールス的にもよいという考えがあったのだろう。ならば、新たな女性コンビが「二代目ダーティペア」と呼ばれてしまうパターンでもよかったのではなかったか。
伝奇アクションとしてはなかなか面白い趣向で、いろいろな流派の術者が術比べをするあたり、異種格闘技戦を意識したものなのだろう。いろいろと工夫をしているだけに、新しい設定なのだから過去の遺産を利用するような形のネーミングはかえってマイナスになったのではという気がしてならないのである。
(2002年12月30日読了)