手塚治虫の名作をもとに気鋭のSF・ファンタジー作家たちが短編を書く。かつて「SF Japan
vol.3」の特集にて掲載されたリスペクト作品を2分冊で文庫化したもののうちの1冊。
本書には五代ゆう「バンパイヤ」、山田正紀「魔神ガロン」、田中啓文「三つ目がとおる」、若木未生「ルードウィヒ・B」、草上仁「ミクロイドS」、手塚治虫「火の鳥 COM版望郷編」+二階堂黎人「火の鳥」が収録されている。
本書の内容に関しては、私自身が解説を書いているので、そちらを参照していただきたい。どの短編も手塚作品に対する強い思いがこもったものであるといことだけはここで重ねて強調しておきたいところだ。
ただ、雑誌掲載時に、これも私が担当した原作漫画の解説は本書には収録されていない。「原作を読んでいない人のために」という依頼のもとで、なるべくその作品のストーリーや設定がわかるようにと工夫して書いたものだけに、それがないとやはり小説のもととなった漫画を知らない読者に対しては不親切になると思うのである。あれもぜひ採録してほしかった。
個人的には、目次に私の名前が「手塚治虫」という名前と並んで書かれていることが本当に嬉しいのだけれど。
(2003年4月22日読了)