読書感想文


増補改訂 大阪近代史話
「大阪の歴史」研究会編
東方出版
1985年10月10日初版第1刷
1998年3月25日増補改訂版第1刷
定価1600円

 明治維新直後、軍都として都市計画がたてられ、やがて自由民権運動の中心地となり、工業地帯ができて「煙の都」と称され……。明治期の大阪から阪神大震災の被害を受けた平成の大阪まで、トピック別に大阪の近代史をわかりやすく解説したもの。
 大学教授や高校教諭からなる団体が編集・執筆したものだけに、まさに歴史を正確にたどっていく教科書的な著作である。労働運動などが大きくクローズアップされる反面、風俗史などの面では物足りなさを感じないではないが、大阪の都市としての変遷は十分理解できるだろう。
 本書を読んで感じるのは、大阪がまさに民間の力で発展していった都市だということである。政府のリードした事業で成功したものはあまり多くないが、企業や一般市民の力によって様々な成果が得られているのである。
 教科書的な著作と紹介はしたが、トピック別にエピソードをふんだんにまじえているので、読み物としても楽しく読めるようになっているのである。

(2003年8月8日読了)


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