人気童話作家による童話執筆指南書。
著者が童話を書く時のノウハウ、あるいは原稿持ち込みの是非、プロのテクニックを使って童話を書く訓練をしてみたらというアドバイスなど、至れり尽くせりの一冊である。
私自身、現在どのようにお話作りをしていいか迷っているので、その突破口というか、刺激剤というか、そういうものにならないかと手に取ってみた。著者が童話を書く時の実際の考え方など、納得のいくものであったし、小手先の技術や、子どもに喜ばれるものをなどと意識してはならないという点など、おおいに参考になった。
ただ、本書は今まで一度も創作というものに縁のなかったという人を対象に書いているため、少しでもものを書いているものにとっては一度通り抜けた道に関しては全くその通りとうなずくほかはなく、逆に、その先で行き詰まってしまって苦しんでいる部分に関しては結局は自分自身書き続けることで解消していくしかないのだということを再確認するしかないということを思い知らされる。
要は、自分が面白いと思うものを書き続けるしかないのである。行き詰まったとしても、特効薬はないのだ。本書を読むと、どんなジャンルであっても創作という行為にはかわりはなく、続ける意欲を保ちつづけることが肝心なのだということが改めてわかる。
そして、一番難しいのは何度に没になってもあきらめないことなのだ。それができるものだけがプロとして残るということだ。
(2004年3月21日読了)