著者は話題を呼んだ『数え方の辞典』で知られる言語学者。
本書からは、さまざまな助数詞の使い方を通じて、言葉というものの豊かさを多くの人々にしらせたいという気持ちが伝わってくる。
冠詞を持たず、複数型もないのが日本語の名詞であるが、そのかわりにその名詞の特徴に合わせた助数詞を使い分けることにより、言葉のもつ意味あいが広がっている。著者は様々な例をあげ、助数詞によって言葉の世界が豊かになっていることを具体的に示すのである。
また、中国をはじめとするアジア各国の助数詞を紹介することにより、文化によってものの見方、とらえ方がどれほど違うかということを教えてくれる。
この助数詞の使い分けというものは非常に論理的であり、また著者による解説も明晰である。だから、著者の「単になんでも〈1つ〉〈1個〉ですませるのではなく、言葉に合わせた助数詞を使い分けてほしい。そして、より多くの情報を相手に伝えていってほしい」という主張に大きくうなずかずにはいられないのである。
(2005年8月24日読了)