星新一に代表される「ショートショート」。かつては専門誌も発行されていて、多くのSF作家やミステリ作家が手がけた。しかし、著者が講師をしている小説講座の若い生徒の中には、「ショートショート」の存在すら知らない者もいるという。そこで著者は、ショートショートの歴史や代表的な作家の紹介、そしてその書き方をまとめあげた。ショートショートでデビューした著者にとって、現状は決して満足できるものではないのだ。だからこそ、「ショートショート」復権のきっかけになるようなものをまとめたいと考えたのである。
最近、星新一の文庫が再び部数をのばしているという。そういう新しい読者に向けて、いいタイミングで出版されたものだと思う。長年「ショートショート」の収集や分析などを続けてきた著者の強い思いの込められた労作である。また、今までショートショートに触れたことはなかったが、これから読んでみたいという若い読者にはかっこうのガイドブックである。
この一冊がきっかけで「ショートショート」が見直されることを願いたいし、それだけの内容のあるものだと思う。
(2005年9月17日読了)