読書感想文


野村・星野・岡田 復活の方程式 阪神タイガースを変えた男たち
永谷脩著
イースト・プレス
2005年12月30日第1刷
定価1400円

 2005年、阪神タイガースはプロ野球セントラル・リーグの優勝を達成した。本書は、1999年に監督に就任した野村克也監督のもたらしたものから説き起こし、星野仙一監督によって変わったこと、岡田彰布監督が貫いたものを三者を比較しながら検討してみたものである。
 ダメ虎と呼ばれていたタイガースというチームがここ3年で2回のリーグ優勝を果たしたのには、理由がある。その発端は野村監督の「T・O・P野球」であったこと、そこから芽吹いたものを一気に伸ばしたのが星野監督であること、それを確かなものに仕上げたのが岡田監督であると、著者は考える。そして、なぜ野村監督が成功しなかったか、星野、岡田の両監督はなぜ成功したかを明らかにしようとするのである。
 特に意外な新事実や裏に隠された秘話などはなく、スポーツ紙や雑誌などでここまで提供されてきたことをうまくまとめあげたという感じである。著者は栄光の影に隠された存在や斜陽に近づいていく男のドラマを書かせるとその力量を発揮するのだが、成功者を書かせるととたんに比較的平凡なものに終ってしまう。本書もその例にもれなかったのは残念なことだ。
 ここ7年間のタイガースの変化をうまくコンパクトにまとめてあるので、新しいファンにはかっこうの入門書になるだろうが、私のような20年以上もタイガースをつぶさに見聞してきたファンにとっては、やや物足りないという思いが残ってしまった。

(2005年12月10日読了)


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