終戦直後から昭和40年代にかけての週刊誌の出版事情を年代とそして雑誌ごとにまとめ、当時の週刊誌の編集方針や取材方法を、扇谷正造、草柳大蔵、梶山季之、徳間康快、竹中労といった編集者やライター、出版社長ら数多くの人物のエピソードをちりばめながら綴ったもの。
戦前からの老舗「週刊朝日」の対談と小説を柱にした成功、出版社系週刊誌第一号「週刊新潮」のゴシップ・コラムという戦術、大衆誌「アサヒ芸能」のゲリラ的な誌面、後発の「週刊現代」の実利的な特集による人気、梶山軍団のトップ記事で物語的な面白さをもつ記事を特色にした「週刊文春」、女性誌「女性自身」のビジュアル面に絞った誌面構成の大胆さ、そして若者向けに新しい時代を切り開いた「平凡パンチ」の創刊……。
時代が何を要求し、それに週刊誌がどのように応じてきたか、かつてその中に身をおいていた著者だからこそ書ける、戦後の週刊誌の歴史が本書には凝縮されている。毎週量産され、読み捨てられていく週刊誌ではあるが、そこにライターたちが作り出そうとした独自のカラーというものが、みごとにその時代そのものを映し出しているのである。
「週刊誌」個別に関する歴史や編集者の列伝などはこれまでにも存在したが、このように包括的な内容で、かつコンパクトにまとめられたものはあまりないだけに、本書の価値は高いといえるだろう。これに続く写真週刊誌の時代を含めた多様化していく現在の状況までをまとめた続編の書き手があらわれることを期待する。
それにしても、どんなジャンルであっても、草創期のことを描いた文章というものは、読んでいるうちにこちらの感情も高揚していくような気がする。新たな分野が作られるということは、それは青春の熱気に通じるものがあるからだろう。その熱さを本書からも強く感じた。
(2006年1月29日読了)