読書感想文


迷信・ジンクス雑学事典
日本博学倶楽部
PHP研究所
2006年2月3日第1刷
定価476円

 なぜ和服では「左前」がいけないのか。月夜の蟹は本当にまずいのか。婚約指輪の由来は。北枕は縁起が悪いといわれるのはなぜか。「一富士、二鷹、三ナスビ」の由来とその続きは。昆布を食べると髪の毛は増えるか……。
 世間に伝わる迷信やジンクスを多数並べ、その由来や実利性などについて簡単に説明したものである。コンビニエンスストア向けに作られた本であるので、うまくひまつぶしができるよな、肩のこらない内容になっている。
 ただ、項目によっては非常にきっちりと説明されているものもあれば、全く説明になっていないものもあるなど、複数のライターが書いたために起こったと見られるばらつきがある。暇つぶし用の本に目くじらをたるのはみっともないと思うけれども、「事典」を名乗り、「博学倶楽部」という大げさな名義で出しているのだから、そこそこ粒がそろった内容にしてほしいところである。
 しかし、暇つぶし用の本などとバカにしてはならない。本書で説明されている内容には、その由来や意味など実はあまり知られていないことが多く、ちょっとした文章を書く時の参考資料になり得るものもけっこうあるのだ。「物知り博士」あるいは「トリビア博士」になるために読むのもよいが、ここからいろいろとふくらませて何かしら文章を書くのも面白かろうと思うのである。
 使い用によってはかなり役にたちそうな一冊である。

(2006年3月9日読了)


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