読書感想文


コミックソングレコード大全 爆笑音盤蒐集天国
高田文夫監修/鈴木啓之・吉田明裕編
白夜書房 笑芸人叢書
2002年3月15日第1刷
定価3800円

 明治大正のSP盤時代に録音された滑稽歌からクレイジーキャッツ、ザ・ドリフターズをはじめとするコミックソング全盛時代、そしてテレビのバラエティから生まれたとんねるずやウッチャンナンチャンに至るまで、膨大な量のコミックソングレコードを集め、そのジャケットをオールカラーで収録し、時代背景や特徴などを解説したカタログ本である。
 壮観の一語に尽きる。
 笑芸人の吹き込んだおそらくはたいして面白くもなさそうなものであっても、吉永小百合や石原裕次郎などのスターが偶然歌った珍曲であっても、本書にジャケットが掲載されているものはすべて聴いてみたくなる。一度は復刻CD化され、私の手元にある曲もけっこうあるのだが、それらのほとんどは廃盤となり現在入手不可能なのだ。
 三木鶏郎、萩原哲晶、宮川泰、浜口庫之助、キダ・タロー、大瀧詠一らコミックソング作曲の達人たちは、特別にページを割いて特集されていたり、落語家、漫才師、コミックバンドなど歌い手や時代別に構成された誌面も全体を俯瞰しやすく、コミックソングの歴史が一望にできるようになっている。まさに、好きな人が好きな人のために作り上げた一冊といえるだろう。
 本書への不満はただひとつ。本から音が聞こえてこないということだ。もっとも、この2000枚にのぼるレコードをCDボックスで出したとしたら、何枚組のセットになるか見当もつかないのだけれど。
 珍品好きには応えられない好企画。あと数年したら本書刊行後に発売されたコミックソングや、本書ではカバーできなかったアニメ系のコミックソングを集大成した第2巻をぜひ発行してほしい。実はアニソンにもどひゃーっと驚くコミックソングがけっこうあったりするのだ。

(2006年10月25日読了)


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