長年ピラミッドを研究している著者が、中高生向けに書いた解説書である。しかし、さすがその道一筋に打ち込んできた人だけに、憶測や想像を排し、実地での調査で明らかになったことを中心に、かなり専門的に、そしてわかりやすく解説をしている。
例えば、ピラミッドをどうやって作ったかという謎については、机上で想像した考えではなく、実際に石を砂漠に運んで実験した結果、一番可能性の高いものを紹介している。あるいは、ピラミッドが本当に王たちの墳墓であるかということについても、数多くの調査結果をもとに必ずしもそうとは限らないという説を強調している。
ピラミッドに関する謎はまだまだ多い。しかし、先入観があれば、解ける謎も解けなくなってしまう。研究者が謎を解き明かすために必要なのは何かということも、本書は教えてくれるのである。
(2006年11月11日読了)