ぼやき日記


9月11日(水)

 スポーツ新聞の一面は連日貴乃花。相撲ファンの私としては久々に注目されているのは嬉しいけど、貴乃花以外に力士がいないみたいな騒がれ方は嫌やなあと思う。新大関朝青龍は初日から4連勝してるし、武蔵丸、魁皇、武双山、千代大海も1敗で並んでいる。つまり今の大相撲はだれが優勝しようと相撲ファン以外には関係ないということやねんなあ。貴乃花がやめるかどうか、それしか注目されてへんのやなあ。ひとつ負けたらすかさず「明日連敗すれば引退か?」という論調になるのも気に入らん。そんなに貴乃花をやめさせたいかなあ。貴乃花の相撲を見てたら完全に右膝をかばってる。完治してへんのや。私としては完治するまで待ってあげたらええのにと思い、12勝せんかったら引退しろてな乱暴なことをいう横綱審議委員長ナベツネこと渡辺恒夫こそやめたらええねんと真剣に思う。実際、内館牧子さんのような心から大相撲を愛している委員は休場してもやむを得んと考えていたらしいし。
 こうなると、ナベツネなる人物に完全隠居していただくしかないね。プロ野球界でもこの御仁はなにかというとジャイアンツに有利なようにルール改訂を持ち出し、反対者が出ると「ジャイアンツはリーグを脱退して、ついてきたチームと新しいリーグを作る」とごてる。いくら讀賣新聞社の会長という地位があろうと、ここまで彼のわがままを許すプロスポーツ界というものはなんなんやと思わずにはいられん。唯一反対を通せたのはJリーグの川淵前チェアマンだけ。
 ナベツネはそんなに貴乃花が嫌いか。不世出の名力士をなんやと思うてるのか。貴乃花の代わりがそう簡単に出てくると思うか。
 それにしても貴乃花におんぶにだっこという感じの大相撲、これからいったいどうなるのやら。連日のスポーツ新聞一面報道を見ては暗胆たる気持ちになるのでごさいます。

9月12日(木)

 今朝の新聞を読むと、横綱審議委員長ナベツネさんは貴乃花の相撲を見て「10勝したら引退しないでいいだろう」と前言を撤回していた。ほならなにかい、場所前の「12勝」という数字はどこから出てきたんや? ええかげんなもんやねえ。こういう人物のことを「老害」という。もうよけいなことは言わんと黙っといてほしいもんです。

 ええかげんというと、週刊誌の記事であります。最近はタイガースについては早くも来季に向けての戦力補強に関する記事がよく掲載されている。「週刊ポスト」「週刊現代」「週刊実話」などの記事を総合すると、来シーズンのタイガースには、次の選手が入団するらしい。
 まずはスワローズのロベルト・ペタジーニ。甲子園での途中帰京事件などでわかるように既に彼はスワローズに愛想をつかしており、代理人を通じてタイガースは既に来季の契約を結ぶ条件提示をし合意に達している。
 続いてバファローズのタフィー・ローズ。年棒が高騰しているためにバファローズには来季ローズとの契約を結ぶ意志がなく、その情報をキャッチしたタイガースが水面下で獲得に動いている。
 次は同じくバファローズの中村紀洋。フリーエージェントの資格を得た中村は、当初は米大リーグに移籍を希望していたが、大リーグスカウトからの評価が低く、移籍は難しい。第2候補の読売ジャイアンツは松井秀喜の引き止め工作に成功したので、中村には食指はのばさないことになった。そこで同じ関西にあるタイガースに入団しスポットライトを浴びたいと本人の希望が固まり、家族会議でも了承された。
 最後にサンフランシスコジャイアンツの新庄剛志。サンフランシスコは既に新庄と来季の契約を結ばないという断を下しており、打撃面で物足りない新庄を獲得しようというメジャー球団はない。新庄はメッツに移籍する際に日本に帰国した場合は阪神タイガースに復帰するという密約をかわしており、元大リーガーの肩書きをつけて凱旋帰国したいと考えている。これは、志保夫人の意向も大きくはたらいている。
 おお、なんと凄いメンバーがそろうんやろう。今のクリンナップトリオ、片岡、桧山、アリアスは控えになってしまうやないか。読売ジャイアンツもびっくりの大補強作戦やねえ。
 まあ、週刊誌の記事なんて無責任であるからして、鼻で笑うておしまいにしたい。それにしてもケチケチ球団、スカウト下手のタイガースにこんな芸当ができるんやったら、ドラフト会議前の自由競争枠で狙っていた和田、木佐貫といった大学野球のトップクラスを逃したりはしませんて。

9月13日(金)

 今日は顧問でもないのに漫研の活動場所に押しかけてオタク話をする。私は楽しかったけど、生徒たちはどうやったんかな。文化祭の準備もせんなんやろうに、けったいな先生が乱入してきて困ったかもしれん。
 文化祭ではイラストを書いたカードなんかを売るらしい。ううむ、懐かしいなあ。私も高校時代は「商業美術部」というクラブに入っていて、栞を作ったりしたものです。もっとも、私は絵があまり上手やなかったのに無謀にも手塚治虫の絵を模写したりしてこれがまたうまいこといかんのよ。その点すごかったのはおがわさとし君で、彼の描いた「地球へ」を見た時にはこれはもう勝負にならんとあきらめましたね。プロになる人というのは、さすがに違う。しもうた、あの時買うといたらよかった。SFのコンベンションにもちこんでオークションに出したらけっこうええ値段で売れるかもしれんのになあ。それにしても彼がのちにその「地球へ」の作者の竹宮恵子先生と大学でいっしょに仕事するようになるなんて予想もでけへんかったですねえ。結局私は方向転換して栞には「がんばれ!タブチくん」を描いたりしていた。これは意外とうまく描けて目の前で売れていったことを今も思い出す。そやからというて私は別にいしいひさいち先生と現在いっしょに仕事はしておりません。
 来年は演劇部に加えて漫研の顧問もしたいのう。ロックの好きな先生が軽音楽部の顧問をしてるんやから、オタクな先生が漫研の顧問をしたかて苦情は出んと思う。

9月14日(土)

 久しぶりに髪を切る。転居して1年と1ヶ月半、新居の近辺ではいまだに同じ床屋で散髪してもろうてない。一時は前任校の近くにある会社員向けの床屋にいったりもしたけど、転勤でそこを使うこともなくなった。
 こと書店と理髪店とケーキ屋においては前の住まいを上回る店はおろか、その水準に近いところを見つけることがでけてへん。まあケーキはそんなにしょっちゅう食べるわけやないからええけど。書店に関してはほんまにまだ困ってる状態やし、理髪店にしても「そろそろ切らんと頭ぼさぼさやなあ」と思うてもすぐに「ほな、そろそろ行こか」という気になられへん。
 今回は、最近オープンしたばかりの理髪店に行ってみた。理髪店とはいいながらも、美容院みたいな外観で私にはあまり縁のない感じの店やねんけどね。ところが、ここはこれまで行ったところよりもよかった。だいたい私の頭は髪の量が比較的多い上にくせがあるんで髪がのびるとぼわーっとふくらむんやね。ちゃんとした床屋やったら、間の髪を短く切ってうまいことふくらまんようにするか、そぎ鋏でそいでくれる。ところが、転居してからというものそれすらしてくれたところはない。梅田にある百貨店の地下の理容室なら大丈夫かと思うたけど、そこでもしてくれへんかった。今回いった店はそこらあたりをきちんとしてくれた。
 というわけで、次回(いつになるやわからんけど)ももう一度行ってみてよかったらそこに決めようと思うている。そこもあかなんだら原チャリで前の住まいの近くまで行ったろかと思うてたくらいやから、ちかくに定着できそうでやれやれやね。
 梅田までの交通の便もええし、大きなマンションがようけある地域やけど、そういったところの質が意外に低いというのにはちょっと驚いてもいる。前の住まいはあまりええ住環境やなかったけど、ことお店に関しては質の高いところが必ずあったからね。やっぱり住んでみんとわからんということはありますなあ。

9月16日(月)

 日曜日は「草上仁作家デビュー20周年記念パーティー」に参加、今日は狂言の会を見にいったりし、かなり疲れ気味。とにかくやたら眠い。パーティーのレポートは明日書きます。

 大阪在住の知人K氏よりメールをいただいた。子どもの頃に口にしたはやし言葉の正確な文句が出てこないそうです。それはこんなの。
「子供の頃に耳にしたフレーズ。歌ではないんですが……。
生まれたばかりのバアサンが、八十五、六の孫連れて 底なし沼に飛び込んだ!・・・正義の悪漢やってきて……
 こんな感じの、ありえない現象を並べたハチャメチャなフレーズなんです。
 途中には、今では放送禁止用語になっていますがそれを『目の見えない人』が発見し『くちのきけない人』が『耳の聞こえない人』に電話したという、ブラックユーモアが 入っているのです。もし ご存じでしたら教えて下さい」
 私はこれは知らんかった。妻に聞くと、耳にした覚えはあるという。
 K氏は富田林に子どもの頃住んでいて、小学校は京都府下の大山崎町で育ったということ。その地域出身の方でなくてもかまいません。心当たりのある方は正確な歌詞をメールでお教え下さい。掲示板やと差し障りのある言葉がそのまま書き込まれたら削除せんならんことになりますんで。
 ご協力をよろしくお願いいたします。私も知りたいしね。

9月17日(火)

花束を手にした草上さん
 2日遅れで日曜日のイベントのことを日記に書くというのもおかしな話やけど、まあ、こういうええかげんなもんやとご理解下さい。人間がええかげんにできているとこうなる。
 というわけで、「草上仁作家生活20周年記念パーティー」に参列いたしました。主催は草上さん公認ファンクラブである「まぶだちの会」。主宰の天羽孔明さんのお誘いで、会員でもないのにのこのこと行ってまいりました。会場は大阪梅田。阪急東通商店街にあるとは思われんおしゃれな感じのお店。入場すると、堀晃さんが談笑していたり、早川書房の阿部さん塩澤さんがいたりする。北野勇作さんや林譲治さんとおしゃべりをしながら開会を待つ。
 草上仁さんと奥様が入場し、拍手で迎えられる。会場は草上さんのファンの方たちの暖かい雰囲気につつまれている。ええなあ、こういう雰囲気。草上さんが高校時代に描いた絵が披露されたり、堀さんや高井信さんをはじめとするいろいろな方の祝辞が続く。幻の作家が登場したりする趣向もおもしろい。他には質問コーナーがあった。草上さんはこの20年間、会社員をしながら小説を書き続けてきはったわけやけど、それやのに執筆された小説は数多い。兼業とは思われへんペースである。森岡浩之さんから「どうしたらそんなに書けるんですか?」という質問が出て会場がわく。草上さんが逆に「どうしたらそんなに書けないんですか?」と逆襲し、会場はさらに馬鹿受け。
 二次会の居酒屋では北野さんと芝居の話などをする。今どきの高校演劇部の生徒はどういう劇団が好きか、てな話。三次会はすし屋。ここでは高井さん、森岡さん、天羽さんたちと昔話をする。森岡さんが作家やなく一SFファンの顔に戻ったりしているのを見ると、なんか同窓会の二次会みたいで楽しい。
 最後に何人かでラーメン屋に入ってお開き。名古屋方面から来たはった方たちを24時間営業のカラオケボックスに案内し(ここで泊まろうということ。カプセルホテルに案内してもよかったかも)、雨がきつくなってきたんで急いで帰る。
 一口に20年というけど、サラリーマンをし、家族をもちながらコンスタントに小説を書き続けるというのは並み大抵のこっちやないと思うよ。つまり、プロと呼ばれる人はそれだけのことができるのです。本業を言い訳に小説を書かんと(書評は書いてるけど)毎日下らん日記を垂れ流しているというのは怠惰意外のなにものでもないと自分自身に言い聞かせる。うん、そう。その気にならんとあかんのや。
 とてもいいパーティーでした。関係者のみなさん、お疲れさまでした。

9月18日(水)

 いやもうこうあっさりと北朝鮮金正日総書記が拉致の事実を認めるとは思うてもいませんでしたな。例によって知らぬ存ぜぬで通すか、のらくらとかわすかと予想してたんやけど。それだけブッシュJr.のアフガン空爆に危機感をおぼえたんやろうかね。「悪の枢軸」と名指しで呼ばれているだけに、今ここでなんとかせんといかんというところなんやろう。
 今回の北朝鮮の発表にはやっぱり釈然とせんもんを感じる。拉致は犯罪やないか。「遺憾の意」の表明だけではすまんと思うぞ。日本の首脳が韓国や中国になんべん「遺憾の意」を表明しても「もっとあやまれ」と要求される理由がわかるね。昔から言うやないですか。「『ごめん』ですんだら警察いらん」と。あ、知りません?
 私がここで何を書いてもどないしょうもないんで、たぶんいろいろな人がネット上で自分の意見を表明してると思うから、私はちょっと切り口を変えて攻めてみたい。
 うちは朝日新聞の読者やねんけど、こういう時は他の新聞がどう書いてるかが気になる。出勤途中、コンビニで4紙買いこみ社説や記事の読み比べをしてみた。朝日は北朝鮮を非難しながらも「国交正常化交渉を粘り強く続けるべき」と主張していた。産経新聞はどうか。拉致された人々の家族の心情を代弁してから「北朝鮮に対して強く主張せよ」という、情に訴えかけるタッチ。悲憤慷慨という四字熟語が似合う。讀賣新聞は歴代の内角の弱腰を批判、今回の首相の態度に対しても叱責をしている。日本経済新聞はこの交渉が世界経済に与える影響を考察する。ここらあたり専門紙らしい切り口やね。毎日新聞は、穏健派か。今後の交渉がどうなっていっても対応できるような感じ。
 お、と思うたんは実は毎日の記事。北朝鮮の元工作員の意見を紹介し、拉致された日本人は面が割れる危険性があるので工作員を送り出したらすぐに消していたという証言を掲載している。今回死亡と発表された人たちが当局によって殺された可能性をはっきりと指摘しているのは朝刊の時点では毎日新聞だけやった。実は一番思い切った報道をしているのが一見穏健派の毎日というのは興味深い。
 各紙とも予想した通りの紙面やったけど、こう読み比べるとやっぱりスタンスの違いがはっきりしているのがようわかる。3紙くらい宅配でとって一つの事件を毎日多角的に把握したいという気にもなる。経済的にも時間的にもそんな余裕はないけどね。

9月19日(木)

 今日は夜の7時から「仮面ライダー龍騎」の特別版があるというんで前々からカレンダーに書きこんで心待ちにしていた。私が帰宅したのが7時半頃。お茶を飲んで一息ついた時、妻が「あっ!」と言うた。妻も私も特番のことをすっかり忘れてたんですな。録画予約もしてへんかった。急いでテレビをつける。後半部分しか見られへんかったけど、本編のパラレルワールドというような設定らしい。不覚やったなあ。
 妻は実は夕方に「あ、今日はライダーあるなあ」と覚えていたらしい。ところが、そのあときれいに失念してしもうた。こういうことはようありますな。例えば仕事で必要やからと前の晩から用意していて、朝起きた時も確認し、よく目につくところにおいておきながら出かける時に失念して結局家に置いたまま出かけるというようなことが。
 そこそこの年になって記憶力が減退しているというせいではないと思う。放送時間を確認した、目につくところに置いたという時点で安心してしまうんやろうね。人の心理の面白いところではありますな。
 ところで、今日の特番は再放送するんかな。再放送の告知は公式のホームページでもせえへんやろうし、結局テレビ雑誌をくまなく読みながら見つけるしかないんかなあ。

9月20日(金)

 えらいまた早いこと出たなあと手にとったんが「AERA」の特別号。小泉首相訪朝にあわせて発行されたもの。ところが、これを読んでがっかりしたのは記事そのものはほとんど全て首相が北朝鮮に行く前に書かれたものやということ。そやから拉致された人たちに関しても家族の言葉として「早く会いたい」というようなことばかり書いてある。それも、今回死亡が発表された人の家族やねんな。
 こういう号は訪朝前に出しとくべきやったんと違うかな。今回の首脳会談は言葉は悪いけどデタトコ勝負というのか、行ってみんとわからんという要素が多すぎて会談の結果の予想がたちにくかったはず。最悪決裂という結果も考えられた。それやのに、訪問前から会談が成功裡におわることを見越したような誌面構成には正直いうて「これでええんか?」と疑問を投げかけたいくらい。いや、発売日を延期してでも記事の差し換えはすべきやったやろうというように思う。
 せっかく雑誌という形態で出すんやから、実際に行われた会談の内容についてのきめ細かな解説を読ませんと意味があらへんやんと思う。「AERA」にはソ連崩壊の時に出された特別号が状況をくわしく解説しうまくまとめたもんやったから、今回もそれを期待したんやけど、あてがはずれたね。もっとも、今後何冊か出るやろうと思われる他社の特別号と読み比べたりする楽しみというものはあるわけやけど。

 ただいま発売中の「本の雑誌」10月号の「極地小説」特集に私も寄稿しております。私の担当は「秘境小説」です。ぜひお読み下さい。


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