ぼやき日記


10月11日(金)

 今日は演劇部の地区大会に向けて演劇部の生徒たちによる総会と、顧問会議があった。
 私は演劇に関しては全くの素人なんで、顧問というても指導らしきことはほとんどやってへん。ただ、その分サポートだけはきっちりやろうと努力はしている。活動内容は生徒まかせ。ところが、生徒は実に熱心で、指導でけへんのが申し訳ないくらいでありますね。
 他の高校では必ずしもそうやないみたいで、ある指導熱心な先生が「うちの生徒は気がついたら帰宅している」と嘆いてはった。演劇部の指導に情熱を燃やしている先生が顧問をしている学校では生徒があまり熱心やなく、私のようにほとんど生徒まかせにしている学校で生徒が活発に活動しているというのは、なんとも皮肉ではあるけど、妙なところでバランスがとれてるなあとへんに感心してしもうた次第。
 ともかくそんなこんなで疲れてます。朝夕は肌寒いのに昼には汗ばむほど暑いという気候のせいで体調もよくない。そういう時に限って忙しい。これはちっともバランスがとれてへんぞ。もうへとへとで腹もたたんわい。こういう時は早いとこ風呂に入って屁をこいて寝るに限る。おやすみなさい。

10月12日(土)

 体が睡眠を欲しているのでしょう。むやみに眠い。京都の医者へ行って薬をもらってきたんやけど、帰りの阪急電車の特急では読みたい本を取り出しながら結局ずっと眠る。座席が満杯で補助席に座った。これが実に座りにくい代物で、普段やったら補助席では眠たくても寝られへんのやけど、今日は爆睡。こういう時は本屋に寄ってもなんでこんな本をと思うものまでよけいに買うてしまう。ストレス解消のためについ食べ過ぎてしまうのが「過食症」なら、私の場合は「過書籍症」というんかね。

10月13日(日)

 普段はハンバーガーショップなどいうところには入らんのやけれど、ポスターの「松茸バーガー」(限定1日100個)というのにひかれて「ロッテリア」に入る。
 当然「松茸バーガー」を注文する。「松茸バーガー」のポスターにつられて入って「エビバーガー」を食べるというような、そこまで人間ゆがんでおりません。
 さて、「松茸バーガー」の味ですが……。私にはあわんね。ハンバーグの上にマヨネーズがべたっと塗ってあって、その上に松茸のスライスが乗ってるんやもんね。マヨネーズの臭みで松茸の香りが吹っ飛んでしもうているように思う。確かにさくっとした歯ざわりは松茸のものなんやけどねえ。
 昔、丹波でとれたての松茸を醤油をたらし網焼きで食べたことがあるけど、あれで「松茸ておいしいもんなんやなあ」としみじみ感じた。「香り松茸、味しめじ」というけど、あれは嘘。とれたての松茸はほんまにおいしいぞ。
 まあハンバーガーショップにそういうおいしさを求めるのは筋違いやわな。悲しいのは、もしかしたら私にとっての今年の松茸はこの「松茸バーガー」だけかもしれへんということ。ああもっと金持ちになって土瓶蒸しなんかふんだら食べたいよお。いくらなんでも「松茸バーガー」だけでしまいというのは、なあ。しくしく。

10月14日(月)

入場券を求めて並ぶ人たち
 阪神タイガース公式戦の最終戦を見に甲子園へ。例年はナイターなもんで、開始時間直前に行っても当日券がすぐ買える。中に入ったらがらがら。その感覚で行ったもんやから、駅から降りた瞬間にびちっと並んだ行列を見てびっくり。ううむ、これはまるでゴールデンウィークやないですか。仕方なく列の最後尾につく(写真はその様子)。甲子園球場の切符売り場から高速道路の下をくぐって駅前まで列は続いている。こら、切符は手に入らんかもしれんなあと覚悟し、本など読みながら並んでいる。すると、学生と思しき若い男性3人組がいきなり声をかけてきた。
「あの、お一人ですか」。
 新手のナンパ、やなかった。
「券が一枚余ってるんで、買ってほしいんです」。
 4枚招待券が手に入ったけど、3人しか集まらなんだと、こういうわけですな。もちろん喜んで買わせてもらう。並ばんですむだけでもありがたい。
 内野指定席の、一番高いところで見晴しもよく、銀傘の下で日陰になっていて快適。ええ席を売ってもろうた。
星野投手最後の投球 星野投手を迎える星野監督 遠山投手、最後の投球
 なにしろ高い位置からですからね、デジカメも望遠を使うてもちょっととらえにくい。ぼけぼけの写真になってしもうたけれど、左から先発の星野伸之投手現役最後の登板、降板した時に手を差し伸べる星野仙一監督、遠山投手の最後の登板、であります。遠山投手は、9回2死からの登板になったけど、リリーフカーに乗ってきた段階で割れんばかりの拍手と遠山コール。「あっとひっとり」「あっといっきゅう」のコールも普段よりも熱気にあふれてた。
花束を渡される4投手 遠山投手の胴上げ
 試合終了後は引退選手への花束贈呈。左の写真は左から伊藤投手、星野投手、葛西投手、遠山投手の順番。最後は4人が順番に胴上げ。タイガースの選手は胴上げ慣れしてへんから、きれいな形にはならなんだけど、それでも胸が熱くなった。なんというても伊藤、葛西、遠山の3人は、毎日のようにリリーフで登板し、タイガース投手陣を支えてきた功労者やからね。3人のうち誰か一人はたいていマウンドにいた。そういう選手に対してこういう報い方ができるのはほんまにええことやね。また、星野投手はタイガースでは実績を残されへんだけど、プロ野球史に残る名投手。やはりきちっと遇することができてよかった。
星野監督のあいさつ
 最後は恒例の、マウンドのところに全選手、コーチがならんでファンにあいさつというセレモニー。例年なら、四方に頭を下げておしまいということになるんやけど、今年は違う。星野監督が前に出て、マイクでファンにお礼のあいさつをした。「6月はワールドカップで……」とちょっと言葉を選ぶようにした後、「変な日程で苦しみましたが」とえらい直接的な表現。そやけど、場内のタイガースファンも同じように感じていたと見えて笑い声と拍手が起こる。「来シーズンはもう始まってるんです!」と気合いに満ちた言葉。そして「来年を楽しみにして下さい!」と締めると、場内はまたまた大喝采。ここらあたりが星野監督のファンをつかむうまさなんでしょうねえ。
 というわけで、今年最後の甲子園、十分満喫しました。体調はよくなかったけど、元気をもろうて帰りました。
 試合終了後、スタンドの椅子に座ってグランドを見つめ、「これで最後やねんなあ、春まで待たんなんねんなあ」と少し寂しくなった。いやいや、星野監督の言葉通り、来年を楽しみに待とうやないか。

10月15日(火)

 忙しいのとしんどいのに取り紛れてすっかり忘れてたけど、ホームページ開設6年目に突入したのでありました。5周年記念プレゼントかなんかしたいところですが、その余裕が今年はない。ともかく5年間、なんやかんやと書いているうちにコンテンツもかなり増えた。これも、みなさんが読んでくれてはると思えばこそ、ですな。誰も読んでくれてへんかったら、こんなには続かん。
 もともとひとつ何かをはじめたら、わりとしつこく続ける方ではある。相撲ファン歴とタイガースファン歴は28年になる。手塚ファン歴はおそらく37、8年くらいやなかろうか。父によると、言葉を話しはじめた私はまわらん口で「アポム、アポム、おみずはかせ」と言うてたらしいからね。「おみずはかせ」やて、なんか水商売を研究してるみたいですな。「アトム、お茶の水博士」は赤ん坊には発音しにくかろう。SFを意識して読みはじめたのは25年ほど前からやと思う。落語は小学生の1年か2年でクラスのお楽しみ会で小咄をした記憶があるから、33、4年か。漫才は幼稚園の頃から好んで見ていたから35年くらいかな。クラシックはわりと最近で本格的に聴くようになってから13年ほど。ただし、子どもの頃は父のLPでハイフェッツのチゴイネルワイゼンやらワルターの田園交響曲、ボストンポップスの軽騎兵序曲やペルシャの市場を愛聴してたから、素地はあったと思う。
 というわけで、これらに比べたらホームページ運営なんかまだ始まったばっかり。まだまだ続けますんで、これからもご愛読をよろしくお願いいたします。

10月16日(水)

 北朝鮮に拉致された人たちが帰ってきた。10日間のわずかな期間とはいえ、よう帰したなあ、まあ、子どもを人質みたいに握ってるということで亡命の危険性はないんやろうけど。なんでも幹部クラスの人がつけるバッジをつけていたとかいうことやから、はじめから亡命する心配のない人たちなんかもしれん。
 亡命、というのも変やな。もともと日本に住んでたのを暴力的に連れていかれたわけやから、帰国というべきなんやろう。そやけど、亡命という言葉を使いたくなってしまう。なんでかと考えたら、帰国直後の記者会見のたどたどしい感じの日本語発音にその原因がありそう。私は映像は見てへんで、ラジオで声を聞いただけなんやけど、それやからこそその発音のたどたどしさが耳に残ったんかもしれへん。なんか、完全にあちらの人になってしもうてるという印象を受けたんやね。
 今後、あの人たちの口からどれだけ真相が語られるのかはわからんけど、その印象から考えると、望み薄なんやろうと思う。というか、あちらの人になり切らんと生きてかれへんという状況があって、そうなったからには20数年の歳月を経て日本に帰ってきたからというて、そう簡単には元には戻られへんやろう。もし亡命したとしても少なくとも1年はリハビリテーションが必要やないか。1年では短いかもしれんな。
 日本で形成した人格を、北朝鮮ですっかり作り替えんと生きてかれへんかったという、これほど残酷なことはないやろう。自殺したと伝えられる人もいてる。それがほんまやったとしたら、自分にふりかかった残酷な運命を最後まで受け入れられへんかったのと違うやろうか。
 今回帰国した人たちの笑顔の裏に、どのような感情がうずまいているのか。知りたいような気もするが、それを知って果たして自分が耐えられるかどうか、自信がないね。

10月17日(木)

 面接試験の練習ということで、進路指導部所属である私も面接官の役をした。今まで面接はされたことがあっても、するのは初めて。生徒たちはかなり緊張していて、それに対してベテランの先生が的確なアドバイスをする。私はというと、どうも重箱の隅をつつくような指摘しかできませんな。それでも、練習が終わった後「明日の放課後特訓につきあってほしい」というてくれる生徒もいてくれたりして、ちょっと嬉しい。
 うきうきして演劇部に顔を出すと、3年の生徒が「先生、進路指導部やったんやったって、みんな驚いてたで」とかいう。「いつもと感じが違うんでびっくりしてたで」やて。いつも私はどんな感じやねんな。
 面接官というと、彼らにとってはなんか厳しそうで近寄りがたい対象やろう。ということは、私はその正反対ということか。ええ意味では親しまれてるということになるんやろうけど、下手したら教師扱いされてへんかもなあ。単なるオタクなおっさんと思われてるのかも。まあ、指導力があって生徒をぐいぐいと引っぱっていくタイプではないことだけは自分でもわかってはいるけどね。
 まあとにかく、特訓にはなんぼでもつきあいまっせ。こういうのは慣れやからね。私もここで面接官になる特訓をして、入試で面接をするようなことがある時には平然とできるようになったろうやないか。ふふふ、見とれ。

10月19日(土)

 私は寝相が悪い。結婚当初はどんどんと妻の寝ている方まで占領しようとしては押し返されたりしていたものです。結婚してからずっと畳敷きに布団という形で寝ていたんで、布団からはみだしてもさほど困ることはなかった。引っ越したマンションは全て洋室。それでもユニット畳をフロアにしいて布団で寝ていた。安もんくさく使い勝手の悪い「和室」よりもそちらの方が部屋を自由に使えるからということで、実際、ユニット畳で事足りてたわけやね。
 ところが、数日前からベッドのようなものに代わった。いや、引っ越しした時点で「畳ベッド」を買おうという予定やったんやけど、部屋の広さとベッドのサイズが合わず、結局買わずじまいで終わってたんですな。先月、妻がちょうどいい大きさの「ボックス畳」を通版のカタログで見つけ、思い切って購入した。箱の上に畳が敷いてあるという形のもので、引き出しもついているからベッドにするもよし、リビングでソファーの代わりにするもよし。結局ベッドとして使用することになった。
 昨晩は飲み会があって、韓国料理の店でふんだら辛い料理を食べ、ニンニクの匂いを辺りに発散させながら帰宅し、メールのチェックだけをして就寝。夜中の3時過ぎかな、とうとうやりました。なにか体が浮いているような感覚をおぼえ、ふっと目が覚めたとたんに体が床に落下した。どこかを打って痛かったということもなかったんで、そのままベッドに上がって寝たけど、その物音で目が覚めた妻はかなりびっくりしてた。そらそやな。私はあまり感じてへんかったけど、落ちた時にははでに音もしますわな。
 そういえば結婚前にシングルの折り畳みベッドで寝てた時は時々転げてたなあ。あんまりひんぱんに落ちるようやったらまた考えなあかんやろうけど、まだ1回だけやからね。1回落ちたら体も覚えてそう落ちる側にはいかようになると思うんやけどねえ。そうはいかんかな。

10月20日(日)

 今日の競馬ではなんと10万馬券が出たらしいですな。武豊が落馬したり急に降ってきた雨で馬が混乱したりしたそうですな。
 いや、私は別に競馬には興味はないん。
 今日、「たちよみの会」が終わって京阪三条駅から帰ろうとした時のこと、淀屋橋行きのホームに降りた時、むやみにのどが乾いてきたので売店にいき、缶飲料を買い求めた。そしたら、売店のおばちゃんがいきなり「10万馬券出たなあ」と話しかけてきたんやね。最初、何を言うてはんのやらわからんかった。「武豊が落馬したんやわ」で、競馬のこととわかった。代金を支払うたあとも、「あんな状態でも3着のうちにはちゃんと有力馬が入ってくるんやから偉いもんやなあ」。あからさまに無視するのもなんやから、適当にあいづちを打ってたら「ああいう馬券は馬主やとか騎手の親戚やとか友だちやとかしか買うてへんやろうなあ」。
 この馴れ馴れしさはなんなんや。
 その時私は別に競馬新聞を手にしていたわけやない。淀競馬場から帰ってきたばっかりという風体をしていたのかな。いや、淀競馬場帰りのおっさんが「丸善」の袋やらCD屋の袋を手にしてるわけないでしょが。だいたい今から大阪方面に行くホームやで。あ、祇園花見小路の場外馬券売り場から帰ると思われたか。それにしてもいきなり馬券の話をふるか。もしかしたら、あのおばちゃんの知り合いにそっくりやった、ということかもしれへんな。
 それにしてもああいう場合、どういうリアクションをしてええんか、実に困る。「なんやねん、おばん」とケンカを売るというのも変やしな。
 こうやって思い出してみても謎やね。世の中には自分にそっくりな人間が3人いてるというけど、気持ち悪いほどそっくりな人間がいてるのやろうか。それはそれでなんか嫌やなあ。


てなもんや囲炉裏端 ゆっくりまったり掲示板ですお気軽にご利用下さい。

メールはこちらまで。どうぞよろしく。


過去の日記へ。
ホームページに戻る