ぼやき日記


11月1日(金)

 読売ジャイアンツの松井秀喜外野手が、フリーエージェントの権限を利用してアメリカのメジャーリーグに移籍する意志があることを表明した。
 ほんまは、タイガースに来てほしかった。そやけど、松井という存在の大きさを考えると、これでええんやと思う。どだい、ジャイアンツにはむいてへん選手やったんやと思う。スター意識をふりかざし、二流選手であっても何か勘違いをしてつまらぬパフォーマンスをしてみせる。自分のチームが勝つためなら球界全体のルールをねじ曲げ、そして選手を次々と飼い殺しにし使い捨てる。そんなものを10年間も見てきたんや、松井は。
 私は松井が決してジャイアンツのチームカラーに染まらんかったと確信している。子どもの頃からタイガースファンであった松井は、ジャイアンツの一員であることをそれほど誇りに感じてへんかったんやないかとさえ思う。口では「ジャイアンツを愛している」とは言うているけどね。記者会見の写真を見ると、さっぱりとしたええ表情をしている。
 松井がアメリカ大リーグでどれだけの結果を残すかはわからん。ただ、ジャイアンツ時代は押し殺していた表情を、素直に出せるようになるんやないかという気がする。
 ええ選択やないかな。ただ、この結果、バファローズの中村選手がジャイアンツに移籍したりするようになったら、それは嫌やな。中村は東京の顔やない。ジャイアンツに行ったら、かれの豪放にして繊細なええ部分が殺されてしまうように思う。あんだけよそ者に冷たい田舎気質の球団で、中村が正当に評価されるとは思われんのや。タイガースに来てほしい、とは思わへん。バファローズに残っててほしい。清原みたいな、飼い馴らされた番犬みたいな存在にはなってほしいないのや。
 ともあれ、松井の決断には拍手を送りたい。

11月3日(日)

 MOドライブにディスクを挿入したまま、調べものがあるのでブラウザを開いてネット検索。ヒットしたページがむやみに重く、私の古いパソコンではメモリ不足となったらしく、フリーズしてしもうた。仕方ないんで強制再起動。パソコンが立ち上がるのと同時にMOからディスクを取り出す。完全に立ち上がったんでディスクを挿入。ところが、ディスクが認識されへん。「このコンピュータでは読み取れませんので、初期化しますか」というウィンドウが画面にあらわれる。
 ちょう待ってえな。つい最前、そのディスクを開いて文書を作成してたんやでえ。どういうことですか。ディスクを初期化するということは、これはつまりそこに書きこんでいたデータを消してまっさらなディスクにするということやろ。そらあかん。あかんがな。そのディスクにはこれまで書いた書評やら、書きかけの小説やらなんやら、大事なデータがいっぱい入ってるんやないか。まっさらにはでけへん。
 とはいえ、パソコンがディスクを読み取られへんということは、つまりそれらのデータも見ることすらでけへんということか。うわわわ、そら困る。ディスクに傷でもついたかな。認識してくれたらユーティリティソフトで壊れたものを修復したりもできるんやけどなあ。
 妻にその話をしたら、パソコンショップにもっていってデータだけでも修復してもろたらどうかという。それしかないねんやろな。まあ、Macを扱うているショップはある程度限られてるし。面倒でもそういう店にいかんならんやろう。明日は演劇部の地区コンクールの準備で忙しいけど、事は急を要する。
 忙しい時に限ってこういうことになるんやなあ。泣き面に蜂か、痛い上に塩か。作成途中の文書、はやいこと仕上げたかったんやけど。きついですねえ。

11月4日(月)

 パソコンショップにMOディスクを持って行ったけど、MacOS8では修復用のソフトがないと言われてしもうた。修復する業者を紹介されたんやけれど、MOは容量が大きいんで修復には10万はかかるんやそうな……。ああああ、そらなんぼなんでも高い! こらもう何度もディスクをドライブに挿入して偶然認識するのを待ち、その時にハードディスクに一気にコピーするしかあるまい。書きかけの小説は……プリントアウトしたのを読みながら一から書き直すしかないか。データというのはもろいものやなあ。

 気晴らしというわけやないけど、NHK大阪放送局JOBKの特番を見る。BK制作のテレビドラマの歴史を振り返るというもの。ああ、「けったいな人々」!「なにわの源蔵事件帳」! 一所懸命見たなあ。毎週楽しみにしてたなあ。テレビというものが生活の中にもろに入りこんでいたなあ。最近はスポーツ中継と一部のアニメを除いてほとんどテレビを見んようになったけど、昔はほんまにテレビっ子やったもんなあ。
 なんでや知らんけど、ふうちゃんがインタビューされてたなあ。ふうちゃん、出たがりやもんなあ。たまたまかつぎだされて大阪府の知事をしてるだけやのになあ。ナゴヤで勤めていた時はドラゴンズファンで、バファローズが優勝しそうになったらマスコットにはいるとかいうて、タイガースが優勝する映画ではハッピ着て応援して。そういう人に大阪制作のドラマについてコメントしてほしないなあ。
 大阪や京都が舞台のちゃんとしたドラマがもっともっと作られるとええのにな。それを全国ネットで流せられるのはBKだけかもしれんな。
 懐かしいドラマの一場面を見ただけで、ずいぶん気が晴れた。後ろ向きな企画でじんとくるのはおっさんになった証拠かもしれんけどね。

11月6日(水)

 環境が激変し、いくつか山を超えてきたけど、今週から来週にかけてはほんまにきつい山でありまして、クラブ顧問として演劇部の地区大会に向けてあれこれと段取りをし、明日は舞台稽古、明後日はリハーサル、土、日曜と大会本番。スタッフとしての仕事もあり、まあそっちは新人ですからそれほどたいしたことはしてへんのやけど、気は使う。
 こういう時に、結婚していてよかったと思う。妻が家にいてるだけで心が落ち着くんやから、いてへんかったらどないなるやらと思う。
 今日はその妻の誕生日。例年やと早めに退出してケーキを買うたりなんかしてたんやけど、今年は前述のような事情もあって、学校にはかなり遅くまで残っている。生徒たちは本番直前でかなり切羽詰まってるんやから、指導でけへん顧問としては安心して練習できる環境だけでも作ってやりたいと思う。とはいえ、妻の誕生日もちゃんと祝いたい。警備員さんが教室をまわって戸締まりを確認する時間に退出。そこから梅田に行ってプレゼントにDVDのボックスを買う。こういう時、自分と妻の趣味が重なっているのはありがたい。自分がもろたら嬉しいもんを買うたらええわけでね。例年はこれにおいしいケーキがつくんやけど、今年はコンビニデザートで辛抱してもらおう。実は某コンビニのデザートはそこらへんのケーキ屋のものよりよほどおいしかったりするんである。
 うう、しかし、DVDの店というのは目の毒じゃわいなあ。あれもほしいこれもほしいみんなほしいという映画やらアニメやらのソフトがずらりと揃うておる。中にはDVD存在しなかった時期に買うたビデオがDVDかされてたりして、ああ、あの時に買うんやなかったと後悔してしまう。画質が劣化せんというのがディスクの魅力やからね。
 ああもう、へろへろに疲れてしまい、なにがなにやら。明日の舞台稽古は夜ですぞ。土日は休まず月から仕事で来週の木金は東京へ出張、次の土曜は京都SFフェスティバル、翌日の日曜はたちよみの会。それが過ぎたらそろそろゲラ読みと書評書きがあって……私のスケジュールをこんなところで公開してどないするんや。
 というわけで、明日は更新を休みます。次回更新は金曜深夜の予定です。文章をまともにかけるほど頭が働くかどうかは不明。まあ、この土日が終われば精神的には少し楽になるかな。楽になるやろな。楽になってくれよ。楽になってたらええな。楽になりたいな。楽だ、らくだ、いてるか、らくだ。なんやおのれは、そんなとこにどぶさってけつかる。違うがな、どぶさってると思うたらごねとんのやないかい。何かごたごたぬかしたら死人のカンカン踊りを見せてやるとそない言え。わあわあ言うております。もう何が何やら。

11月8日(金)

 近頃気になることがある。生徒がよく「バカと違う」てなことを言うわけです。その「バカ」のアクセントが気になる。関西でも「バカ」と言う時は「バ」にアクセントを置く。「カ」と発音するわけやね。「アホ」の場合は「ホ」にアクセントを置く。「ア」と発音する。で、生徒の発音はどうかというと「カ」にアクセントをおいている。「バやん」になるわけですわ。言葉のニュアンスも、関西弁で「アホ」というのと同じ感じで使うている。気をつけて聞いてると、「アホ」はほとんど使わんのやね。ただし、これは女子に顕著で、男子はごく普通に「アホ」を使うている。
 なんでやろう。女子にとっては「アホ」は使いにくい言葉になってるんやろうか。となると「そんなアホな」という微妙なニュアンスの言葉も使われへんことになる。「そんなバな」という言い方は今のところ聞いたことがない。
 これは由々しき問題やなかろうか。英語で「母の舌」というくらい、言葉は母親から伝わる。「バ」という言葉を使う女子が母親となった場合、その子どもが男の子でも女の子でも「アホ」の意味で「バ」と使われるのを聞いて育つことになる。となると、「アホ」という言葉はだんだんすたれて「バ」にとって代わられることかてあり得るわけですわ。これはもう上方文化の根幹が崩れることになりかねんと、真剣に憂慮するのやね、私は。
 この言葉遣いが一部のものなんか、それとも大阪全体に広がっているのか、そこまではわからん。そやけど「バ」という言葉を使う女子は一人だけやない。何人もいてる。ということは、大阪全体にそういう傾向があるという推測も成り立つ。果たして実態はどうなんか。これはもう「探偵ナイトスクープ」で調べてもらうほかないかもな。あの『全国アホバカ分布図』をまとめあげた番組やからね。
 とにかくあの「バ」は実に耳につく。そして、なんとなく嫌な感じになってしまう。これが「カ」やったらそれほど気にならんと思う。それは「アホ」とは全く別物やからね。私は「ら抜き言葉」は別に気にならんけど(元来関西弁では「ら」を抜くことが多い)、この「バ」はものすごく気になるね。

11月9日(土)

 なんでも今日の気温はクリスマスなみやそうですな。今日は演劇部の地区大会初日で、ある高校では3人しか部員がいてへん上に主役の生徒が高熱を発してしまい、やむなく棄権という事態になってしもうた。
 例年、こんなに早くクリスマスツリーを飾るなとぼやいている私やけど、今年は許す。これだけ寒いとサンタクロースがそりをトナカイにひかせてやってきたって全然おかしくない。温水床暖房が完備されている我が家のリビングやけど、朝はそれではおっつかん。ファンヒーターで急速暖房せんといかんわなあ。

 ノーベル化学賞受賞の田中耕一さんを称して「国民的癒し系サラリーマン、ノーベル田中」と今週の「お父さんのためのワイドショー講座」でいうたと妻から教えられた。まあ、確かにそうかもしれんけど、スーパーカミオカンデの先生はどないなったん? SF的ぼやき系教師、レヴュー喜多としましては、いくらなんでも田中さんばっかりこんなに引っぱりまわすのはどうかと思うぞ。研究だけを続けていたいという田中さんの願いをかなえてあげなあかんのと違いますか。癒されるのはテレビ視聴者の勝手。田中さんはストレスたまりまくりやなかろうか。マスメディアはいつもこうやって新しいキャラクターを消費しつくし、飽きたところで見向きもしなくなるわけで、田中さんのためにもはやいとこ飽きられるのを願うばかり。筒井康隆さんの短編「俺に関する噂」をふと思い出した。今ほどマスメディアが狂躁的やなかった時代にああいうものを書いた筒井さんはすごいなあ。

11月10日(日)

 演劇部の地区大会が終了。私にとっては全て初めての体験で、正直きつかったけど、生徒たちは地区の最優秀賞は逃したものの、僅差で優秀賞に輝き、主演で脚本も書いた生徒は、優秀演技賞と脚本賞を受賞した。一つの事に打ちこみ、それが評価される喜びを高校生で体験できるというのはほんまに幸せやないかと思う。私は演技指導も技術指導もでけへんだけに、純粋に生徒たちの力が評価されたということやからね。今日流した嬉し涙がこれからの彼女たちの人生になんらかの影響を与えることやろうなあと思う。こういうことは生涯何度もないぞ。
 というわけで、今はもうほっとして疲れがどっと出ております。他に何も考えられません。どうもここのところ教師モードで日記を書くことが多いなあ。明日からはもとの阿呆陀羅日記に戻ることでしょう。
 では、今日はもう寝ます。お休みやす。


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