ぼやき日記


1月21日(火)

 昨日「てなもんや囲炉裏端」にアクセスしたら、「星野仙一激励板」とタイトルが変わっている上に背景色まで違う。あらら、誰かにいたずらされたかとパスワードを打ちこんで変更しようとしたら、パスワード違いで変更もできない。こら本格的なクラッキングかな。だいたい私のページのBBSやから、タイガースがらみのタイトルに変えられたとしてもおかしくはない。あちこちさわってみる。管理人のホームページへのリンクをクリックしたら、なんと星野監督を応援するサイトにいってしもうた。ということは、いたずらやなくレンタル先で何か故障がおきたんやろう。レンタル先にメールを送って調べてもろうたら、自動巡回書き込みのソフトによってBBSのファイルに負荷がかかりファイルが欠損したという返事。現在修復中との事で、残念ながらただいまBBSは閉鎖中となってしもうた。長い間返事をさぼっていたんで罰が当たったかな。これでBBSの故障は3回目。どないなってんのやろ。

 冬樹蛉さんより携帯電話にメールがくる。なんと「キャプテンスカーレット」の食玩を発見しはったんやそうな。ううむ、負けた。これで1勝2敗か。いや、別に星取り表をつけたからどうやというわけやないですけどね。

 貴乃花引退というわけで、スポーツ新聞各紙を購入。各界の著名人のコメントが掲載されている。なるほどという人もいてるけれど、なんでこの人がというものもある。だいたいボブ・サップにコメントを求めてどうするの。「怪我が治ったら私と勝負しろ」てなことをほざいておるが、治る怪我なら引退はしてへんわい。おそらく貴乃花とは一面識もない格闘家のコメントに何の意味がある。しょうもない。
 それよりも、芸能界きっての相撲通デーモン木暮と、漫画界きっての相撲通やくみつるのコメントはどの新聞にも掲載されてへん。まさか新聞記者がこの2人の事を知らんわけがないから、2人ともノーコメントやったんやろう。復活を期待していたやのという意味のないコメントを無責任に述べる芸能人たちとは違い、この2人にはコメントさえ控えさせる思いがあったんやないかと推測する。どんな賛辞を述べても空虚になるだけやからね。コメントをしないというのも一つの見識と見たい。

1月22日(水)

 BBSは復旧いたしました。いやいやよかった。やれやれです。

 ゲラが送られてきたのはいいけれど、FAX用紙が途中で切れてしもうた。時間は22時30分。急ぎのゲラなんで、明日再送してもらうのではちょっと困る。そこで、こういう時のコンビニと急いで買いにいく。コンビニを4軒まわりました。ありません置いてません売ってません、てなもんでありまして、ちょっと焦る。「開いてますあなたの」コンビニでも「あなたとコンビに」のコンビニでも「いい気分、開いててよかった」コンビニでもあらへんのです。パソコンのインクジェット用プリンタ用紙ならあるのにね。うちのFAXは感熱紙式なんです。いやいや困った。最後の砦は24時間営業の某ホークス系列のスーパーマーケット。ここでなかったら明日妻に買いにいってもらうしかない。ありました置いてました売ってました。私は次のシーズンではパ・リーグではホークスを応援することにしよう。ほんまは坪井の移籍したファイターズに勝ってもらいたいんやけれど、それは坪井個人を応援するということにしよう。いや、そんな話やなかった。FAX用紙でした。
 帰ってさっそく取りつける。電話器に内蔵のメモリがあるとは知らなんだ。取りつけたらいきなり動き出して、紙が切れた後の分を次々と印字していく。おかげで、再送してもらわねばならん分がわずかですんだ。うーむ、電話もいろいろと賢くなっておるのだのう。
 わりと最近紙を入れ替えたばかりなのにえらい早いこと切れたなあと思うたら、うちのマンションでは回覧板がわりにFAXで自治会のいろんな通信文が送られてくるんやね。これがばかにならん。100円ショップで購入したFAX用紙なんで、ロールの長さも短いのかな。妻はロールの長さと金額の割り合いを確かめ、100円ショップで買うのかスーパーなどで買うのかどちらが得か比べてみるというてる。100円ショップはお得なようで、意外に割高の場合もあるのかもね。
 とにかく、夜中に予想外に歩き回ってすっかり汗をかいてしまった。夜は冷え込むからちょうどええ運動になったかも。こんなことで歩くのはかなんけどね。

1月24日(金)

 ビートルズのCDジャケットからタバコが消されてしもうたり、愛煙家やからという理由で三枝成彰の講演が取り消されてしもうたりと、信じられんようなことがイギリスでも日本でもおこっている。私も愛煙家である。こんなふうに排除されるのを見聞きして気持ちいいはずがない。
 タバコが悪いからというて歴史的な写真からタバコを消してしまう、タバコが嫌いやからというてタバコを吸う人間を排除する。三枝氏は「ファッショ的」と表現したけれど、まさしくその通りやろうと思う。自分たちが正しいから、間違ったものは排斥してええんやという、その論理は、差別につながる。皇国史観しかり、ナチズムしかり。ナチスを支持しユダヤ人を排斥した人々は、それが正しいことと信じていたんやからね。嫌煙とナチズムをいっしょにするなといわれそうやけど、何かを排除するという点ではいっしょです。
 三枝氏を講演から下ろせと主張した人物の談話がふるっている。「本当に下ろすとは思ってなかった」。講演会の主催者は、彼らの主張する「正義」という圧力を恐れたのですぞ。それがほんまに正しいと思うてやったかどうか。三枝氏が愛煙家であるのはいけないことだと考えて下ろしたんやなかろう。抗議されたという事実に対して屈服したんやと思う。「正義」は「権力」に転化する。多様なものの存在を許さない。次は排気ガスを出すからと自動車の不買運動を始めるかもしれん。自動車に乗るものは白眼視されるかもしれん。その次は肉食は命を奪うものだとこれを禁じ、書物は森林を伐採するものだからいかんとなり、ついには農耕は植物を不自然にするものだと主張する。何を極端なといわれるかもしれへんが、タバコ排除もここまでくるとこうなる危険性をはらんでいるんやといいたいんですな。
 タバコが体に悪いので喫煙者を減らそうという運動と、愛煙家を排除する動きは似て異なるものやと思う。一方的な「正義」は、恐ろしい。

1月26日(日)

 昨日は梅田某所で「牧野修さん日本SF大賞受賞お祝い宴会」に出席。出席者は我孫子武丸、おがわさとし、北野勇作、小林泰三、菅浩江、武田康廣、田中哲弥、田中啓文、野尻抱介、林譲治、ふじいくらいか、藤木稟、冬樹蛉、堀晃、藤原ヨウコウそして主賓の牧野修さんという豪華メンバー。こういうメンバーの末席を汚すことができるのはほんまにありがたいことです。藤原ヨウコウさん特製の「傀儡后カンバッジ」をいただく。これはもうレアアイテムでございます。
 飲み物が揃った後、食べ物を注文することになり、田中哲弥さんから「なんか選んで」と頼まれ、メニューに書かれていた「ビヤホールにぴったり」というのを全部2皿ずつ頼んだら、これがみごとに揚げ物ばっかりで不評を買う。メニューをちゃんと見ないで注文するのはやめましょう。
 とにかく北野勇作さんが全開。腹はいたくなる涙は出るというほど笑うた。笑い過ぎて疲れ果てたほど。どんなことを言うたかというようなことをここで書いても、その雰囲気はたぶん伝わらんのやろうと思う。藤木稟さんが会うたという「宇宙の大王」さんはサラリーマンで、「宇宙の大王」の上司というのはこらもうすごい偉いですなあ。「宇宙の大王」さんの奥さんは「宇宙の大王妃」やろうか、娘さんがいてるそうやけどやっぱり「宇宙の大王女」かな。てな話をした。他にもいろんな話をしたんやけれど、まあええか。いやもう10年分くらい笑うた。犬に換算したら100年分くらい笑うた。猫に換算したらどれくらいになるかわからんくらい笑うた。
 二次会はカラオケボックスに言って歌も歌わず2時間しゃべりまくり。ここでも北野さん全開。ところでこれだけ作家やレヴュアーがいてて、誰一人「アラビアの夜の種族」を読んでへんとはどういうことでしょう。我孫子武丸さんのみ最初の3分1を読んだという。0時前に散会。
 来年のSF大賞もここに集まったメンバーの中から出ると私は確信している。そして、こうやって集まれると思う。今からその日を楽しみにしている。

1月27日(月)

 今日から3年生は学年末考査。2年生は明日から修学旅行。修学旅行の付き添いにいく同僚から電話があり、今日は体調不良で出勤できないので旅行中に実施されるテストの問題を印刷しておいてほしいと依頼される。ただし、プリンとアウトされた現物はない。私あてのEメールに「一太郎」ファイルを添付して送ってきたのを、職場のマシンで開くということになるのです。いや、よう考えはったなあ。ネットでつながっている利点というのはこういうことをいうんですね。これやったらデータがこわれへん限り大丈夫。昔やったらFAXで送られてきたところなんやろうけれど、あれはどうしてもギャザがでてしまいそのままプリントアウトしたら実に醜い。
 ものかきの仕事でいうと、今は私もEメール送稿してるけれど、ネットにつなぐまではFAXで原稿を送ってた。FAXの読みとりの具合が悪くなり、編集部に届いたものは非常に読みにくいものやったらしい。送稿するとすぐにS澤さんから電話がかかってきて、読みにくいところを口頭で説明したりしたもんです。なんのためのFAXかわからんやないか。
 今日は職場のパソコンで添付ファイルを開いてみる。無事に開くことができた。自分の仕事は増えるけれど、それはまあお互い様やしね。直すべきところなどあれば携帯電話で問い合わせることもできる。ほんまに便利な世の中ではあります。とはいえ、便利な分だけ仕事が増えるということもあるから、それはそれで不便な時代を懐かしんだりなんかしたりもするわけやけれど。

1月28日(火)

 なんでしょうね、ここんとこむやみに左手で髪をいじる癖が出る。気がついたら髪をいじってる。もともと私の前髪は天然ウェーブというのか、左側は外にはね、右側は内に巻くという癖があるけれど、髪をいじっているとその外はねがどんどん強くなる。まるで寝癖のようにびよよんと強くはねるんである。みっともないのでなるべく後方に流すようにしているんやけれど、無意識のうちにさわってしもうて額の上にびよよよよんとはねかえっている。なんでこうも髪をいじりたくなるんやろう。3年生の学年末テストがでけてへんうちはそのストレスか何かでついいじってるんかなあと思うたけれど、今日はテストを全て作成し終わり印刷もすませたから、プレッシャーは少しは減ったと思うんやけれどね。手をポケットにつっこんでいたらさわらんですむんやけれど、四六時中つっこんでいるわけにもいかず。常にハンドグリップを手にしていたら握力もつくし髪もいじらんですみそうやけれど、よけい目立つか。なんか変な癖がついてしもうたなあ。

1月29日(水)

 今日はこの冬一番の冷えこみ。夜、ベランダでタバコを吸っていてふと思う。冷蔵庫の中はきっと温いんやろうなあ。

 妻と読んでおきたい本の話をしていて、「源氏物語」の話になった。光源氏の母親を、私は「桐壷の女御」と思いこんでいて妻から誤りを指摘される。どうやったかなあ、うちに「源氏物語」はなかったから確かめられへんよなあというところで、ふと思い出した。引っ越してきた時に高校時代の教科書を発見して書庫に整理して置いてあったんや。確か古文の教科書もあったはず。すぐに取り出してくる。正しくは「桐壷の更衣」でした。いかに私が高校時代ちゃんと授業をきいてへんかったかわかろうというもの。それにしても教科書にテストがそのまま挟まっていたのにはまいった。平均点よりやや下というあたりの得点ですな。教科書にはお定まりの落書きが。なになに「源氏ものがたり 藤壷のまき きりつぼ どつぼ」「よるよる ひるよる ひるとんほてる」……。あああ、いくら暇だとて何を書いておるのやら。文章にふりがなが打ってある。読みにくい漢字に打っているのかと思うたら、「源氏二十三歳の冬に父の院が亡くなられた。兄朱雀帝の即位以後、その母方右大臣家の勢いに圧倒されがちな源氏の身辺は、さらに暗いものとなった」というような文章の漢字全てにふりがなを書いているのでありますね。「ただのひまつぶしやん」と妻に指摘される。私がどんな高校生やったか、手に取るようにわかろうというもの。
 それにしても、テストの答案を見ていると、私の筆跡は現在と寸分も変わってへん。今も昔もみごとにへたくそな字を書いてる。なんというか、ここまで進歩がないのをこうはっきりと見せつけられるというのも情けないことではございます。

1月30日(木)

 とうとう私にもきましたよ、素敵なメールが。「最終告知」というタイトルで法外な金を請求し、脅し取るメールですな。あまりに面白いので、まだもらったことのない人のためにさらしものにしてあげよう。いひひひひ。
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通知人:○×会(株)
    回収篝 担当 某
          << 最 終 告 知 >>
 あなたの利用した、インターネット・アダルトコンテンツ利用料が未だに確認できません。
 これまで、再三連絡を試みてきましたが、誠意ある回答も示されませんでした。
 当社としましては、これ以上入金をお待ちする訳にはいきません。つきましては、ここに最終的な和解案を示し、これでも尚、入金なき時は断固たる態度で望む所存です。
 その際は、メールアドレス、電話番号、IPアドレス、その他サーバーに保管されているログの開示請求を貴方がお使いのプロバイダに行い、住所、氏名(本名)、勤務先等を調査し、回収にうかがいます。
 当社は貸金業規制法の対象となる、いわゆる「金融業者」ではありません。従いまして、「夜21時から翌朝8時までの督促禁止」「威圧的態度の禁止」「大人数での自宅・勤務先への訪問の禁止」等々の法律的制限は一切ありません。
 よって、いかなる手段を持ってしても、利用代金・延滞利息・督促費用の回収を実行いたします。
 回収のため、あなたの自宅・勤務先に当社の回収担当が行った場合には、交通費・宿泊費も追加請求いたします。
 当社もそこまでするのは本意ではありませんので、期限までに入金されるように、お願いいたします。
 尚、これは最終的な勧告であり、また、当社人員の対応による時間的損失等の理由からメールでのお問い合わせは受け付けておりません。
 問題解決をお望みなら、至急下記要領にてお支払い願います。
○振込先
××銀行 ◎◎支店 普通口座 1234567
○入金額 ¥74,500−
(上記内訳)
 サービス利用代金=¥65,000
 延滞利息======¥9,500
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 合計金額=====¥74,500
○入金期限
 平成15年1月31日(金) 午後2時
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 初めて送ってきたメールが「最終告知」とは笑わせる。嘘でも実際に何度かメールを送ってみるくらいの芸はいるやろう。アダルトコンテンツを利用もしてへんのに利用料金を請求してくるのもおもろい。貸金業規制法の対象となる、いわゆる「金融業者」やなくても虚偽の取り引きに基づいた恐喝は罰せられるでしょう。問い合わせには応じられんというのもおかしい。延滞利息は元金の14.61538……%って、さてどこから割り出した数字? だいたい私は何ヶ月延滞してるんやろう。口座開設者の名義が抜けてるのはご愛嬌。明日の午後2時までに入金せなんだらどないなるんやろう。さて、ほんまに取り立てにくるのかな?
 林譲治さんのweb日記を読んでたら、同じメールが届いてるらしい。金額も同じかな? 私も林さんも同じだけのアダルト・コンテンツ利用料金を延滞してるとしたら、いやあ、偶然の一致とは恐ろしいものですなあ。
 それにしても、身に覚えのあるような人は驚いて振り込んだりするんやろうなあ。身に覚えがなくても家にだだけ者が殴り込みにくるかもしれんと恐れて入金する人もいてるかも。相手にしてはいけませんよ、こんなメール。抗議のメールを送ったりしたら、そこからほんまに個人情報を探り当てようとするやろうから、そんなこともしたらあかん。黙殺するもよし、こうやって公開して情報を共有するもよし。みなさん、ひっかからんように気をつけましょうね。

1月31日(金)

 昨日の夜NHKでやっていた「にんげんドキュメント もういっぺん笑わしたる」を見て、背筋がぞくりとした。芸人さんの「業」を感じた。アルコール依存症となり、胃を切り、記憶障害に悩まされる岡八郎さん再起のドキュメントやったんやけれど、娘さんといっしょに稽古をしている時も、前日のリハーサルの時も台本を手放されへん岡さんが、「本番は大丈夫」と繰り返す、その姿は哀れさすらもよおす。ところが、舞台に出て観客を見た瞬間、岡さんは一変する。それまでおどおどとした表情で、目も死んだようになっていたのに、その瞬間、岡さんの表情は生き返り、全盛時を思わせる動きを取り戻している。これはもうまさに「業」としかいいようがない。「見られる」「笑わせる」という快感を、そして芸人として絶頂に立った充実感を、一瞬にして取り戻す。そのためにのみ生きている。芸人に限らず、プロというのはそういうもんなんやと思う。
 自分の文章が活字となった時の快感を私は思い起こした。芸人さんとは違いダイレクトに反響は返ってこないけれど、不特定多数の人が私の書いたものを読んでいると思う時の快感は、他の何ものにもかえがたい。あれがあるからこそ、私はものかきであり続けようと思う。
 あるいは、授業をしていて自分の説明に反応してくる生徒がいると、私は一気に高揚する。私の話したことが知識として彼らにたくわえられたなら、こんなに嬉しいことはない。それがあるから、教師はやめられへん。
 人に見られることを意識する。その快感は麻薬のようなもんですな。そしてそれがいつしか「業」に変化していく。岡八郎さんの再起はその「業」に支えられたもんやないかと思う。そやから、背筋がぞくりとしたんでありますね。


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