ぼやき日記


8月2日(土)

 昨日の夜は妻が懸賞でチケットをあてたので、劇団「花組芝居」の「シャンソマニア」という演劇を見に近鉄小劇場にいく。演劇部の顧問をしているくせにこちらの方面には実にうとく、劇団の名前も知らんかった。つまり、全くの白紙で見たというわけ。
 テキストは「源氏物語」。セリフの部分なども「源氏」の原文をそのまま使う。つまり、文語文の芝居。ただし衣装は白いスーツ姿。場合に応じて薄衣を羽織ったりするくらい。大道具は背の高い椅子が8脚ほど。これを有効に使いながらないものをあるようにイメージさせるという手法を取る。文語のセリフには少し怪しい京都弁の現代語訳がナレーターによってつく。そし、心情表現は一転してミュージカル仕立て。タイトル通りほとんどがシャンソン。「愛の賛歌」などの有名なシャンソンの替え歌で内心を吐露させる。歌の間は、ほかの役者が群舞をしたりして盛り上げていく。ここらの構成や振り付けは、かなり緻密に計算され最大限の効果を狙うている。
 固定ファンも多いみたいで、楽屋落ち的なところもあったけど、それが独りよがりになっていないところにも好感が持てた。
 ただ、和モノやと、どうしても「狂言」という古典芸能を何度も見ているから、どうしてもそれと比較してしまう。比較すべきものやないとわかっていても、これはしかたない。例えば、文語文の言葉の切り方がおかしい、所作を宮廷風にしようとしていても現代的な動きになってしまう。これがどうも目についてしまう。
 この演目は「花組芝居」としては異色のものらしい。つまり、ファースト・コンタクトとして見るべきものやなかったのかもしれん。それだけに、また見にいきたいかといウト、ここらあたりは「ビミョー」としか言いようがない。ほんまに、ファースト・コンタクトは難しい。それを実感した公演ではありました。

8月3日(日)

 おなじみ「鉄腕アトム」ぼやき日記です。メールで継続リクエストをいただきましたので、まだ続けることにいたします。今週は第17話「地上最強のロボット」。原作でもかなり人気の高いエピソードだけに、どのように消化しているかを楽しみに見る。
 原作では、チョチ・チョチ・アババというサルタンが自分の権勢を誇示するためにプルートウというロボットを作らせたことになっているが、今回のアニメでは、シリーズ全体のコンセプトにのっとって天馬博士がアトムをロボットの王として覚醒させるために作ったという設定になっている。その点に関しては特に不満はない。というか、その方が自然ではある。さらに、これまで登場した強いロボットを最登場させてプルートウと戦わせていたりするあたり、統一感があってよい。
 というわけで、今週に関しては特にぼやくところはあらへんのです。というか、まあようできてるのと違うかな。ただ、問題は続きであるところの来週のエピソードですな。原作では王が権勢をふるう愚かさを批判するという形のものになってるんやけれども、天馬博士がプルートウを作ったという設定だけに、結論も違うものにならざるを得ん。どういう結論に持っていくのか。今回のアニメ・シリーズの山となるところだけに、注目したいところではありますね。

8月4日(月)

 あまりにも迷惑メールが多いんで、携帯電話のメールアドレスを変更した。妻が友だちから聞いた話では、ドコモの場合は半角30字を目一杯使うと迷惑メールが来なくなったという。それやったらと、とにかくごちゃごちゃと文字を詰め込む。
 メールアドレス変更のお知らせを知人友人生徒に次々と送らなならんのはめんどうではあるけれど、ひっきりなしにくる「夏はここ。欲求不満の女性がいっぱい」てな不愉快なメールを受け取らんですむんやったら、それくらいは辛抱しよう。
 で、アドレスを変更して今日で4日目。変更直後ということもあってか、みごとに不要なメールが来なくなった。簡単なアドレスやったら順列組み合わせで自動的にメールが送られてくるんやろうけれど。これでとにかく1ヶ月は様子を見てみよう。もし1通も「人妻がたくさん待ってるよ」というようなつまらんメールが来なくなったら、この日記でまたお知らせしましょう。たぶん変えても変えてもすぐに「出会いがないとお嘆きのアナタ、ここなら確実」というような腹の立つメールがすぐにくるという方には参考になるでしょう。
 いやあ、「メールで即アポ スケベな女の子がいっぱい」というような下らんメールが一切来ないというのはこんなに気持ちのええもんかと思うね。

8月5日(火)

 梅雨があけたら一気に夏やね。連日30度の猛暑。汗かきの私は脱水症状にならんようにつねに麦茶を飲んでた。今日はまた明日の登校日の準備ということで体育館で暗幕張りをしたりして、実にきつい。体育館というのは夏暑く冬寒いというたまらん構造になっているからねえ。家に帰ったら妻から「顔が赤いよ」と指摘された。ずっと屋内にいたから日焼けやない。熱中症一歩手前みたいなところやったのかも。
 鏡を見たら、ほんまに真っ赤。ポロシャツは汗が乾いて塩を吹いているし、あせもはかゆいし。あせもを作って辛抱たまらんとばりぼり掻いてたら妻に叱られた。「ほんまにもう、小さい子どもみたい!」。朝と晩に天花粉(シッカロール)をはたいてはいるんやけどね。ほんまに小さい子どもみたい。
 そやけど、暑いのにも弱いけどクーラーにはもっと弱い。クーラーのきいた部屋に1時間もいたら、体が冷えきったような感じがする。いやもうまたきつい季節がやってきましたなあ。夏バテ防止にゴーヤ料理を出してくれる妻に感謝しつつ、食後のデザートはアイスクリーム。あかんがな。

8月6日(水)

 てなもんや囲炉裏端菅浩江さんが書き込んでくれはったアドバイスに従って、「桃の葉あせもローション」を購入。次の日曜日からある演劇部の合宿にも持っていこうと思うたら、瓶は鮮やかなピンク色。ちょっと恥ずかしいので、妻から小さな容器を提供してもろうて小分けにして持っていこうかな。菅さんどうもありがとうございます。

 本日は広島に原爆が投下された日。夏の登校日にあたっていて、体育館で「大阪大空襲」のアニメを見る。片腕のないお母さんが、子どもに自分が遭遇した空襲の経験を語る、というもの。実話にもとずいて作られたアニメということやけれど、いつ作られたんでしょうねえ。今どきのお母さんやったら、年頃としては私と同年代。私の両親くらいの年の人やないと勘定があわん。ということは、私が小学生くらいの頃に製作されたアニメかな。
 こういうのはエンディングで出る字幕をずっと見ていけばわかるんやけれど、担当の先生は話が終って字幕が出たらさっとビデオのスイッチを切ってしまわはった。どこのプロダクションか製作したのか、声優さんは誰なんか、むちゃむちゃ気になる。知ったところでどないやというわけやないけれど、この日記を読んでくれたはる人の中にはたぶん同じような関心の持ち方をする人がいてはると思う。
 例えば映画を見にいったら、洋画の細かいテロップで判読もでけへんでもとにかく最後の最後まで見てからやないと立たれへん人と、テロップが下から上がってきたらさっと出口に向かう人とはっきり分かれてしまうよね。私は前者。今日ビデオを担当しはった先生は後者かな。
 もっとも、体育館の中はあまりに暑いからとにかくはやく終らせてあげんと生徒がかわいそう、という親切心から早く切らはったのかもしれへんけどね。
 それにしても、製作会社と声優さんを知りたかったなあ。そやからというてわざわざ「ピースおおさか」まで借りに行くほどこだわっているわけやないけどね。私はそこまでいかへんヌル〜いオタクではあります。

8月7日(木)

 近くの書店で「天満人」という雑誌の第2号を買う。堀晃さんのエッセイが目当てやったんやけれど、ほかの記事もなかなか面白い。今私は大阪について勉強中なんで、かなり参考になる。堀さんによると1962年生まれのSF作家はその当時の西天満のエネルギーが産み出したものらしい。私は京都の産なんで、かなり薄められて書評家にとどまっておるのかもしれん。もっとも、林譲治さんのように北海道生まれの人にもエネルギーは照射されているわけで、距離は関係ないのかも。ただそのエネルギーが彼を大阪にひきつけたのかもしれん。

 新しい雑誌があれば、去り行く雑誌もある。新聞報道で「漫画アクション」休刊を知る。私は「漫画アクション」そのものは買うたことはない。増刊の「スーパーアクション」はSFがようけ載ってたんでよく読んでましたけどね。それでも、「じゃりン子チエ」「ルパンIII世」「クレヨンしんちゃん」をはじめとする大ヒット作を送り続けてきた雑誌ですら、部数不振で休刊というのにはいささかショックを受けている。最近の若者は漫画すら「字が多い」というて読まんかったりするというから、出版不況もここまできたかという感じがする。もっとも、青年誌の場合、現在は「コミックモーニング」が「バガボンド」「ブラックジャックによろしく」などがヒットしてかなり勢いがあるという印象はあったし、それに比べると「漫画アクション」はコンビニなどに行ってもわざわざ手に取ろうという気にはならなんだもんなあ。
 少し期間をあけて内容一新して再開するという話やけれど、これまでそういう形で成功した雑誌はほとんどあらへんからねえ。とにかく、また一つの時代が終ったということかもしれへんね。

8月8日(金)

 台風がまたやってきた。テレビの台風情報を見る。大阪にはまともにやってくるみたいやから、少し心配。窓の外では風がうなっている。
 田んぼの様子を見にいって足をすべらせて亡くならはった方がいてるかと思うと、室戸岬まで波を見物にいってその波にのまれて亡くなったのもいてる。田んぼのおじいさんは気の毒としかいいようがないけど、室戸岬の溺死者には思わず「何を考えてるねん」とつっこみたくなる。わざわざ被害にあいにいってるんやんか。
 うちはNHKの台風情報ばかり見てたんやけれど、室戸岬でも潮岬でも暴風の中を合羽をきてリポートしてる記者というのがいてへん。もちろんその方が安全なわけで、だいたいわざわざそんなところまで行かせてもあまり意味があるとは思われん。民放ではたいてい吹き飛ばされそうになりながら「もう立っていられそうにありません」てなことを言わせている。あれはそれだけ大変な状況ですよということを視聴者に伝えたくてやっておるのかな。それで記者が事故に遭うたらどないするんや。
 どうやら大阪は夜のうちに抜けていきそうやけれど、なるべく被害が最低限におさまることを願うている。

8月9日(土)

 明け方、妻がベランダと部屋を往復している物音で目がさめる。かなり強い雨風でベランダを越して直接窓に雨が吹き付けられる音で眠れんかったと妻は言うけど、私は平然と熟睡していた。あの地震の時も揺れているのに目を覚まさんかった私やからねえ。起きて民放のニュース番組を見ていたら、民放では暴風の中を女性レポーターが黄色い声で「横殴りの強い雨で、目も開けていられません!」てなことを言うておる。事故に遭わなんでよかったね。やっぱり、あのレポートは要りませんわ。

 沢たまきさんの訃報に接する。享年66。死因は心不全。
 沢たまきさんというたら、なんというてもテレビドラマ「プレイガール」やね。うちはおおらかな家庭やったんか、親子でいっしょにあの〈お色気アクション〉を見ていた。私の場合、アンヌ隊員のひし美ゆり子さんが目当てやったんやけどね。沢さんは「おねえ」と呼ばれる元締め役やった。それがまたかっこよかったんですわ。今でもタイトル曲をきちっと口ずさめます。最後のしわがれ声で「ぶれいごぁぁぁる」と締めるところまで真似できる。というても若い方にはわからんか。
 私はあんまりああいうアクションドラマというのは好きやなかったはずやねんけど、「プレイガール」はなんか楽しく見ていたという記憶がある。小学生やったから、お色気の部分は全然なんにも感じなかったなあ。どうも同じ年頃の男の子が喜んで見ていたテレビ番組には興味がなかったらしい。たぶん同世代の男性で、幼な心に〈お色気〉にときめいていた人もいてはるんやろうけれど、私はどうもそういうのにうとい子どもやったらしい。
 というわけで、政治家の沢たまきさんには全くなんにも言うべき言葉は持たんのやけれど、「プレイガール」のおねえやった沢さんには懐かしさを感じる。女優さんをテレビで見て「かっこいい」と思うたのはもしかしたらあれが最初やったかもしれんね。
 謹んで哀悼の意を表します。

 明日から演劇部の合宿の引率。2泊3日であります。更新は2日間お休み。次回更新は火曜日の深夜の予定です。


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