ぼやき日記


10月21日(火)

 結局「大阪オムニバスCD」についての情報はどちらからもいただきませんでした。ということは、全国各地のCDショップではあんまり話題になって へんということかな。それやったらちょっと残念。

 文化祭がこの週末にある。生徒たちは毎日遅くまで残って準備をしている。ステージ発表をするクラス、模擬店を出すクラス。いろいろあるけれど、こ ういう楽しみは学校に通っているうちしかでけへんことやからね。ちょっとうらやましい。
 私の通っていた高校やと、1年は合唱コンクール、2年は演劇コンクール、3年は「仰げば尊し」という名前のパレードと決まっていた。私は演劇コンクール には脇役ではあるけど舞台に立った。人前で何かをする快感みたいなものを知った。3年のパレードでは、クラスごとにアピールするテーマを決めて(「戦争反 対」やとか「ゴミ地獄」というようなかなりまじめなもの)そのテーマにそって山車を作り、京都の町をねり歩くというもので、私はアピール担当。パレードの 最後にグランドに集まってシュプレヒコールの音頭みたいなものをとった。その時分から目立ちたがりやったんですな。おまけに生徒会の役員をやってたもんや から、文化祭の運営に少しはたずさわっていた。
 クラブは美術系のクラブに入っていて、クラフト紙の封筒にマンガを描いたりしてそれを売った。ただし、私はあんまり絵がうまいわけやなかったんで、私の 描いたものはそない売れなんだと思う。現在漫画家のおがわさとしさんはそのころからほんまにうまかった。彼の描いた「地球へ」の封筒なんか、あのとき買う といて大事にとっておいたらよかったと思う。それで精華大学に持っていって竹宮恵子先生に「これがおがわ君の高校時代に描いた『地球へ』でーす」と見せに 行くわけですな。友だちを失うようなことをわざわざしてどうする。残念ながらその封筒は誰か知らん人の手に渡ったため、私は友だちを失うようなまねをせず にすんだわけです。いやあよかったよかった。
 こうやって思い出すと、私はかなり楽しい高校生活を送っていたんやなあと思う。実際、小学校、中学校、高校、予備校、大学で一番楽しかったのは高校時代 やったと今でも思う。高校の教師になりたいと思うたのも、その記憶のせいかもしれへんね。

10月22日(水)

 日本シリーズ第3戦は手に汗を握る展開。テレビで一喜一憂しながら観戦してたら、そこへ電話がかかってきた。この前からちょくちょくかけてくる。 生命保険の担当者の方からや。今入っている保険を新製品に掛け替えなおした方がお得ですというというような内容やということは、話を聞かんでもわかってい る。そんな電話よりも野球や、野球。
「えとですね。今、手が離せないんですよ」。
 そう言うて電話を切ろうとしたら、そこはさすがに生保レディ、かんたんには切らせてくれへん。
「それでは、どの時間帯におかけしたらご都合がよろしいでしょうか?」。
 ああもう、投手が投げるやんか。
「日本シリーズが終わるまでは、手が離せないんです」。
 本音であります。それを聞いた生保レディは笑い声で「わかりました。それではまたそのころにお電話を差し上げます」と言うて電話を切った。
 いやなんというか、そういう時期やということをよう理解してはる。すんなりと引き下がってくれてよかったよかった。横で聞いていた妻によると、私の声は 裏返ってたらしいんやけどね。それだけ必死やったんですな。
 そのかいあってか、試合はタイガースのサヨナラ勝ち。ああ疲れた。明日は仕事になるやろか。

10月23日(木)

 今年の日本シリーズはすごい! 4試合のうち3試合が延長戦で、いずれもサヨナラゲーム。ふだんの公式戦でもそうそう延長戦やサヨナラ勝ちはあら へん。それがこんなに続いてるということだけでもその壮絶さがわかる。試合終了まで、目が離せん。便所に行く時間も惜しいくらい。今日も22時半までか かってやっと決着。それがまたホームランで決まったりするもんやから、興奮の極致。こんなん毎日見せられたら身がもたんよ。
 野球には興味のなかった妻でさえも、試合が終わるまでずっと目が離されんようになっているんやからね。
 風邪をひいたらしく右のまぶたは腫れる、のどの調子は悪い、体全体が重い、微熱もある。それでも最後まで見ずにはおられん。明日は文化祭本番で、顧問を している漫研のためにDVDやらビデオテープやらを持っていかんなん。休みたないねん。
 星野監督やないけれど、今の心境を一言で言うと……「ああ、しんどかった」。

10月24日(金)

 明日、神戸で読み聞かせ絵本雑誌「おひさま」主催の朗読会がある。そこで私の「おどりじいさん」も読んでいただける。作者ということで呼んでくれ はった。また、明日は堂島で小林泰三さんと林譲治さんの対談もある。
 ああそれなのにそれなのに。本来なら土曜は休みやからどちらかに行けるはずやったのに。無情にも勤務校の文化祭は今日と明日。泣く泣く参加を断念した。
 それだけやない。11月8日には恒例の京都SFフェスティバルがあるけれど、なんと顧問をしている演劇部の地区大会と日程が重なってしまい、こちらも本 会の参加は断念。合宿だけは何とかなるけれど、翌日も地区大会はあるんで早めに休んで早めに京都をたたんとあかん。
 うーうーうー。体が2つほしいよう。ここまでスケジュールがバッティングすることもあるんやねえ。しかも断念する方の催しが、私にとっては魅力的であっ たりするわけで……。間の悪い時というのはえてしてこういうもんやねんやろうなあ。
 タイガースが日本一に王手をかけるなど、嬉しいこともあるけれど、すべて自分の都合のええように物事は進まん、ということか。日頃の行いが悪いんやろう か。うーむ。

10月25日(土)

 文化祭が無事終了。ずっとステージにはりつきでかなり疲れた上に、そのあと演劇部の顧問会議の出張。ああ疲れた。明日はゆっくり休んで日本シリーズ観戦のために力を貯えるぞ。

 宋美齢さんの訃報に接する。享年105。眠るがごとき大往生やったそうな。これで宋家の三姉妹は全て亡くなった。歴史の生き証人は晩年アメリカに移住し、その証言を自ら封じたまま墓までもっていったことになる。ただの蒋介石夫人というわけやない。三姉妹とも中国近代史にその足跡を残したわけで、数奇な運命という言葉がこれほど似合う人たちもいてへんかったやろう。時代が動く時には、こういう人々が現れるもんやねんなあ。最後まで沈黙を守って逝ったというところに凄みを感じるなあ。

10月26日(日)

 いや驚いた。何がというと、愛機Macintoshのキーボードがもとに戻ったんです。調子が悪くなってから仕事で使うてるノートパソコンを部屋に持ってきてホームページ作成をしていたんやけれど、一昨日Macのキーボードに本を置いて作業をしていたら、あやまって肘を本の上にかけてしもうた。起動スイッチに圧力がかかり、Macが動き始める。立ち上がってからすぐに落としたらええわと思い、完全に立ち上がるのを待つ。立ち上げた時は必ず試しにキーボードをさわることにしているんで、この日も何の気なしにキーボードをさわった。驚いた。文字入力ができるんですな。なんでキー入力を感知しないようになったかも不明なら、突如受け付けるようになったかも不明。本が起動スイッチを押した時に、同時に他のキーも押していたということやろうけれど、それにしても驚いたなあ。
 というわけで、昨日から再びMacでホームページを作っている。なにしろ長年使うてきたエディタの方が使いやすい。とはいえ、やっぱりこのMacに暇をやる日は近づいているんやろうけれど。

 今週の「鉄腕アトム」は第29話。「ウランと名探偵」の巻。
 トンネルに亡霊が出るという噂があり、みんながアトムを頼るのをウランは気に入らない。行方不明の鴨を探しているヒゲオヤジと出会ったウランは、いっしょに亡霊の正体を探る。実は、以前登場した廃品不法投棄業者「ダーク・ガールズ」がワームホールを開いて異次元にゴミを投棄してたということが発覚。ヒゲオヤジとウラン危機一髪、というところでアトムがかけつけて一件落着。それにしても町の近くでワームホールを開くという設定にはぶったまげた。そんなもんを野放しにしとくなよ。ダーク・ガールズもそんなことをしたら自分らまでいっしょに御陀仏やということが理解でけへんのかいな。ここらあたりの雑な設定がなければウランとヒゲオヤジの無鉄砲な活躍を楽しめるたわいのないお話、だけですんでたと思うんやけどねえ。

10月27日(月)

 プロ野球の日本シリーズが終了した。残念ながらタイガースは勝たれへんかった。それにしても、この季節までプロ野球を楽しめたんやから、星野監督とタイガースのメンバーに感謝したい。来年からどないなるやわからんけれど、とにかく今年は楽しかった。
 驚いたのは、この日本シリーズは私が熱くなるのは当然ながら、私と結婚するまでは野球に何の関心もなかった妻までが気合いを入れてテレビ観戦していたこと。それだけでも今年のタイガースの熱気がすごいもんやったことがわかる。私は勝って喜び負けて悔しがり負け続けてあきらめるのには慣れているけど、妻はさすがに第7戦まで見たらぐったりと疲れていた。
 ホークスが勝利を決定づけた時、私は比較的平静にその事実を受け入れていたけれど、妻の方が悔しそうにしていたのは、今年はじめて熱心にタイガースの試合を見ることになった妻と、四半世紀もの間に2年を除いて途中で失速するのを見るのがあたりまえになってる私との違い、かもしれんね。
 いやもうともかくしばらくはこのハラハラドキドキを味わえられんようになるのかと思うと、やっぱり寂しいな。監督が星野さんでなくてもかまへんから(ほんまは星野さんであってほしいけど)早く来シーズンか始まってほしいなあ。勝手も負けても負けても負けてもタイガースの試合があるのが、ファンとしては最高の喜びやねんからね。
 ああ、明日から3月までタイガースの試合がない! 寂しくなるなあ。
 もっとも、読書に集中できる季節になったということはいえるかもしれんけど。中断していたお話作りも再開したいしね。

10月28日(火)

 今日の帰り、選挙カーが走っているのを見て、総選挙の告示日やったことを思い出した。だいたい今回の解散総選挙はどういう意味があって国民の信を問うのか、私にはようわからん。小泉首相が自民党の総裁に再選されたんで、それならば国民にも信を問うべきだということなんかなあ。それやったら、小渕首相が重要な法案を次々と通した時や、森首相が不明瞭な経緯で首相の座についた時も国民の信をすぐに問うべきやったと思うぞ。前の選挙から3年たつからそろそろ解散、てな理由やったら、すぐに憲法を改定して衆議院の任期は3年にしなさい。ちゃんと憲法で4年と決められてるんやから、よほどのことがない限り解散総選挙なんてするもんやないのと違うか。どうせやったらイラクへの自衛隊派遣を決める直前に総選挙をして国民の信を問うべきやったと思うぞ。
 まあそれはともかく、また2週間ほど選挙カーが騒音をまき散らすわけやね。「候補本人がまわっております」とか言うんや。それがどうした。ありがたくもなんともないわい。選挙公約の中に「プロ野球機構をナベツネのいいなりにさせないようにします」というのがあれば、その候補には喜んで投票するぞ。あのマニュフェストたらいうのはなんですか。公約とどない違うんですか。言葉を言い換えたらそれでええんですか。ほな今までの「公約」はなんやったんですか。
 やっぱり今回の総選挙はようわからん。私はいっぺんでええから任期満了につき総選挙、というのが見たいぞ。確か三木内閣の時がそうやったと思うけど、違うてたらかんにん。

10月29日(水)

 日本テレビのスタッフによる視聴率調査対象家庭の買収事件について思う。
 時代は、BS、CSなどの多チャンネル時代に入り、またホームビデオやビデオソフトの充実により裏録画などで同時間帯の番組を時間をずらして楽しめる、そういうように変化している。
 それに気づいてへんわけがなかったやろうに、スポンサーとテレビ局の旧態依然の関係が残るテレビ局の中で、あてにならん数字にふりまわされる局員のなんともいえない哀れさ。
 私はそのあたりになんともやりきれないものを感じるのみである。

10月30日(木)

 明日の授業のための教材プリントを作る。ネタ本があるからそれを丸写ししたらええ。そう思うてワープロソフトを立ち上げひたすら打ち始める。ところが性分なのか、次第に丸写しでは不満になってきて複数のネタ本からあっちを引っぱりこっちを引っぱりしてしまい、結局自分の文章に直してしもうている。無駄な労力を省いて手早く作るつもりやったのになあ。なにをやっておるのか。

 というわけで、磁気嵐のせいか体調が悪い。今日はこれだけ。というのも芸がないので宣伝しておくと、今日発売の「別冊宝島」はおニャン子クラブの特集やねんけれど、1ページだけ私が書いています。書店で見かけたら探してみて下さい。まだ家にはとどいてへんので本の正確なタイトルがわからん。これでは宣伝になっとらんではないか。やっぱり磁気嵐のせいに違いない。もう寝ます。おやすみなさい。

10月31日(金)

 生徒によると、私が授業で教えたことが「トリビアの泉」でとりあげられていたとのことで、先生おおいに面目をほどこすといったところですな。ちなみにそのトリビアは「初代通天閣は凱旋門の上にエッフェル塔を乗せた形だった」というもの。そんなもんトリビアと違うやんか。常識ですがな。しかし、授業で教えたことが「トリビア」であるということは、私は何の役にもたたん知識を生徒に教授してるということやんか。面目をほどこすどころか面目ないというてええかも。それにしてもこの程度の常識を「トリビア」というのなら、例えば「名古屋のテレビ塔と二代目通天閣と東京タワーは全部同じ人の設計である」などというような知識にもいくつかの「へぇ〜」が与えられることであろうよ。
 で、今日の授業で「宝塚少女歌劇の最初の出し物は桃太郎をアレンジした『ドンブラコ』やった」と言うたら、「あ、それも『トリビアの泉』でやってた!」と言われた。私の授業はいったいなんやねん。


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