ぼやき日記


1月12日(月)

 昨日は仕事をお持ち帰り。よる遅くまでかかったんで、更新できませんでした。ああしんどかった。冬休みの宿題を忘れて、この3連休にまとめてやってる生徒みたいなもんかな。

 さて、「鉄腕アトム」第39話です。今回は「タイムハンター」。自然保護公園に突如現れた未来人は、過去の生物の遺伝子を採取して、戦闘競技用の新種の生物を作り出す男であった。この男の頭の悪さ。なんで絶滅種を集めた公園で過去の動物の遺伝子を採取するかなあ。もっと豊富に動物のいる時代に行って、その中でも特に優れた個体の遺伝子を採取したらええのに。しかも、マンモスの剥製を見て「この動物は何年前の生き物だ?」とお茶の水博士に聞いたりしている。もしかして、この男、事前調査もせずにいきあたりばったりで狩をしているんですか? しかも遺伝子を採取するのに、その動物まるごと捕獲せんでもええやん。
 こういう場合、時間犯罪者が歴史を変えたら元の世界に戻られへんようになるという前提があって、アトムはハンターが動物を捕獲するのをとめると思うでしょ。ところが違うんやなあ。あくまで生命を奪うことはいけませんという倫理的な動機でハンターと戦うんですね。しかも、時間犯罪者ときたら欠かされへんのがタイム・パトロール。それやのに、タイム・パトロールのパの字も出てこん。不自然ですねえ。ハンターが使用しているタイム・マシーンは携帯用のものやから、わりと簡単に時間移動ができるみたいやね。そういう時代やったら、タイム・パトロールがいてへん方がおかしいわな。
 最後にアトムとウランはハンターからタイム・マシーンを奪い取ってもとの時代に帰ってくるんやけれど、そんな未来のテクノロジーを持って帰ってきてええんかい。
 脚本はラリー・ボスコフなる人。SFを(たぶん)全く知らんのに、こういう設定で脚本を書けるという大胆さに驚嘆する。うーむ、このタイム・トラベルに関するずさんさは、昔よく見ていたハンナ・バーベラの作品を思い出させる。アメリカ人なんやろうなあ。そういう意味では懐かしい手触りはあるけど、それをアトムでやらんといてくれよ。なんでこのアニメには「SF監修」がいてへんのや。まあ、今さらつけても遅いけどね。

1月13日(火)

 昨日きたメールに「あなた様のホームページを拝見致しました。」というタイトルのものがあった。日記の感想かなんかかと思うて開いてみると、「あなた様のホームページを拝見致しました。我々の競馬予想を参考にして下さい。1月12日中山11R7番 京都11R9番」などという内容のメールやった。私のページのどこに競馬の話題が出てくるというの。競馬に関心がないけど駅売店のおばちゃんと競馬の話をした、という日記を一度書いたことがあるくらいやないですか。いったい何の目的で送りつけてきたメールなんか。ホームページのURLが書かれてたけど、いくもんか。なにか危険が待っているに違いない。わけのわからんメールが来るもんやなあ。

 妻が新聞のテレビ欄を見ていて、面白いものを発見した。ドラマのタイトルに「美人局アナ」という言葉があったのですね。さて、あなたはこの言葉をどう読みますか。私は「つつもたせアナ」と呼んだぞ。とんでもないアナウンサーじゃ。しかもこの美人局アナはメニエール病やという。助平な男をだますアナウンサーがメニエール病とは。
 正しくは「びじんきょくアナ」なんやろうけれど、このタイトルを考えた人は「美人局」と書いて「つつもたせ」と読むことを知らなんだんやろうか。だいたいなんで「局アナ」とわざわざ書かなならんのか。「美人アナ」だけでええやん。まあ、そやからどないしたん、と言われたらそれまでですが。

1月14日(水)

 この日記を書こうとしてたら、妻に呼び止められた。妻がビデオにとった「疲れ目体操」を見せてくれるというのです。ちょうどパソコンをいじっている最中やったから、ありがたく教えてもらう。
 ゆっくりと5秒くらいかけて眼球を動かすのがコツ。上、下、右、左、右上、左下、左上、左下。そのあとは眼球を奥に押し込むような感じでぎゅっと目をつむる。おお、目を支える筋肉が動いてるのがわかるぞ。それを動かすことで、凝りがほぐれていくぞ。
 劇場や映画館で長時間同じ体勢で座っていると、筋肉が固まって疲れるけれど、目の疲れというのは同じところを凝視しつづけるところからくるということなんかな。また、焦点をずっと固定させるのもよくないんやろうね。
 やり方はいたって簡単。ほら、今そこでモニターとにらめっこしているあなた、一度試してみてください。あ、コンタクトレンズは外した方がいいですよ。ね、目の凝りがほぐれてくるでしょう。

1月15日(木)

 大阪府知事選挙が公示された。
 現職、もとプロ野球選手、弁護士の有力候補3人に加え、今回は泡沫候補が2人。一人は農業、一人はもと市会議員で関空建設反対運動代表。選挙公報を見ないとどんな人かはわからんけれど、関空反対運動代表なる人物が気になるなあ。どんな公約を掲げてるんやろう。
 選挙のたびに書くけれど、私は泡沫候補が好きでたまらんのです。立候補するからには本気なんやろうけれど、かというて当選できるという期待もかけられん。新聞では有力候補ばかりが宣伝され、最初からいてへんように扱われる。公約はまず実現不可能なものか、公約そのものがなくて不思議な主張を訴える。特に好きなんは選挙マニアみたいな人で、おおこんなところにもというような選挙に立候補したりしている。
 子どものころ、高田がんという人があっちこっちの知事選やら市長選、国政選挙に立候補していた。幼い私は父に聞いた。「なんで高田がんはこんなに選挙に出たがるの?」。父は、「有力候補に浮動票がいかんように、対立候補に金を出してもろうて立候補してるんや」と答えた。その時はそんなもんなんかと一応納得したけれど、今考えると浮動票を大きく動かすほどの影響力があるとは思われん。なんか理由はあるんやろうけどなあ。選挙というのは金はかかるけど、選挙運動をしている間はけっこう楽しいもんなんかもしれへんな。遊びとしては贅沢かも。
 有力3候補はこれという決め手に欠けているように思う。誰が当選するんか、専門家やないんで読まれへんけれど、それなりに盛り上がりそう。なによりも泡沫候補2人の健闘を今回も祈りたいものです。

1月16日(金)

 生徒を連れて池田市の「インスタントラーメン発明記念館」へ行く。
 これは「なにわ研究」という授業のフィールドワークとして行ったもので、大阪から世界にはばたいた産業というテーマでやっているものの一環。阪急池田駅から歩いてすぐ。入り口にはいると、「てるてる家族」で使われた「ニコニコラーメン」の小道具が飾ってある。タイガースのユニフォームを着たでかいヒヨコのぬいぐるみが鎮座ましましている。館内には壁面いっぱいにこれまで日清食品が発売してきたインスタントラーメンのパッケージがほとんど飾ってあったりする。安藤百福さんが「チキンラーメン」を開発した「ラーメン小屋」のレプリカは、まるでほんまもんみたい。鳥小屋にニワトリまでいてる。
 受付では現在全国で発売中の「地域限定ラーメン」を購入できる。沖縄の「ラ王」、博多の「ごぼう天どん兵衛」、「きつねどん兵衛」と「焼そばUFO」は東日本用のと西日本用のとどちらも入手できる。これから発売する予定の新製品も買える。
 予約をしたら自分だけの「オリジナル・インスタントラーメン」を作ることもできる。今回は時間の関係ででけへんかったのが残念。これで入場無料。難点は大阪市内からはちょっと遠いというところか。企業の宣伝の一環とはいえ、物心ついた時からインスタントラーメンを食べてきた私たちの世代にとっては、ひとつの文化の足跡がこうやって展示されてるのはありがたいことやと思う。生徒たちもわいわい言いながら楽しんでいた。私も目一杯楽しませてもらいました。

1月17日(土)

 またあの日がやってきた。そう、阪神淡路大震災の日である。
 現在受け持っている高校生たちは、震災の時はまだ小学生やったわけで、震災を知らない子どもたちを教える日も来るのだなあ、いつかは。戦争を経験している人が「戦争を知らない子どもたち」との思いの差を感じるのと同様、「震災を知らない子どもたち」とはまたものの感じ方も変わってくるんやろう。あの揺れを体験し、テレビ映像ではあったけれど神戸の被害を目にした時の衝撃は、言葉にはでけへん何かを私に残したように思う。
 この体験を語り続けよう、若い世代に伝えよう、というようなことは考えてはいない。ただ、自分の中で完全に風化しないように心に留めておく、そのためだけにこうして日記に書き残しておく。自分のやりたいことは、生きているうちにやらなければ、いつ何が起こるかわからん。それを実感させた日として、1月17日は忘れたらあかんのや。
 今年は、自分のやりたいことが少しでもできるようにしていきたい。悔いを残したまま生を終えるようなことだけはしたくない。今年は、そんなことを考えつつ、それでも持ち帰りのプリント作りをしたりなんかしている。嗚呼!

1月19日(月)

 昨日の鉄腕アトムは第40話「ロボット嫌い」。ベスト・ロボット・オブ・ザ・イヤーをきめる会場である豪華客船の進路を火山島に向けさせ、人工的に火山を噴火させて優秀なロボットを一網打尽にしようとするのは、反ロボット主義者のランプ。彼がロボット嫌いになったのは、実はその火山島に漂着した時に、「フレンド」と名づけたAIロボットを、自分が帰還する際に置き去りにしたという苦い記憶を消すための代償行為だったのだ。
 ランプの二律背反などがきっちり描けていて、ひさしぶりにまっとうな物語になっている。まあ、客船の航行プログラムを書き換えられ、それを修復するロボット技師が、直接コンピュータに接続するんやなくてキーボードを叩いてたり、ランプがわざわざ火山島に自分で行ってことの顛末を見届けようとし、逆に火山弾に当たって危機に陥ったりするとかいうようなけったいなシーンはあったけどね。なんか詰めが甘いなあ。「子どもには難しすぎるから、わかりやすくしなさい」とマーク・ハンドラーやジョー・ダンプローシャがクレームでもつけてるのか?

 アトムが終ったら、それを見計らって堀晃さんより電話があった。この日記を読んでくれたはるんですね。「たちよみの会」に出るため京都に行く、そのついででいいから雑誌のバックナンバーを貸してほしいとのこと。ウェブ日記でプライバシーを公開するということは、自分の行動パターンを広く世界に知らせているということやからねえ。そこまで読んだ上で気を遣うてくれはるところが、堀さんらしい。私が年をとった時に、自分より若い人に対してこういう気遣いができるかどうか。

 「たちよみの会」の新年会は京フェスの去年の実行委員長と今年の実行委員長、そし私の3人と少し寂しい人数ではあったけれど、名古屋出身のお2人に名古屋について教えてもろうたり、歯医者を選ぶには人の評判を聞くのが一番という(そういう歯医者番付みたいなサイトもあるらしい)話をしたり、京大SF研に新入生を入れるにはどうしたらいいかという対策を練ったりと、楽しく過ごす。その分、週明けの今日の仕事はしんどかった。

1月20日(火)

 明日は勤務校にアメリカからの訪問してくる学生たちとの交流授業がある。1年生全員を集めてその前で彼らのスピーチを聞いたりする。私はその司会をやることになっている。英語に堪能ではない私は、司会に必要な言葉だけを英訳したカンニングペーパーを作り、明日に備えている。
 家に帰ってから妻とその話をしていて、「英語でしゃべる部分は『アンチョコ』というか、『虎の巻』というか、『サボ』を作ったんや」というと、「あなただったら『トラ』でしょう」と言われた。そして逆に「『サボ』ってどういう意味?」ときかれてしもうた。
 「サボ」とはつまり、「教科書ガイド」のことですね。英語の教科書の訳が載っているような、そういう本。私やその周辺は「サボ」と呼んでいた。「さぼる」の短縮型やろうね。妻は「トラ」と呼んでいたそうや。「虎の巻」を略していたわけですな。二人とも使うてなんだのが「アンチョコ」。これは雑誌などの記事で知った呼び方やから、関東を中心に使われてるものかな。「安直」からきてるのかしらん。
 そこで、久しぶりに、ここを読んではるみなさんに教えていただきたい。みなさんは「教科書ガイド」「訳本」のたぐいをなんと呼んではりましたか? 掲示板でもメールでもけっこうですんで、教えていただけたらありがたい。どうぞよろしく。


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