ぼやき日記


3月1日(月)

 ここのところしばらく「いびき止め」を使用して寝ている。妻が100円ショップで買うてきてくれたものやから、どれだけききめがあるか半信半疑で使うてみた。仕組みはかんたん。鼻の穴にビニール製のわっかみたいなものをつっこむだけ。なんでも鼻腔を刺激して息の通る道を開かせるんやそうです。妻によると、すーすーと寝息を立てて寝ているらしいから、それなりに効き目はあるみたいやね。ところが、難点はあって、鼻の穴がうっとうしいんやろう、寝ている間に無意識に外してることがままある。朝起きた時に鼻にまだ止まっている時は寝起きも悪くないけれど、外れている時は起きるのが辛かったりするから、息の通り道が開いている時は熟睡できてるんやろうね。
 ほんまは専門医にかかってちゃんと治療してもらうべきなんやろうけど、仕事に追われる毎日でなかなか休みがとられんのも事実。100円ショップの商品とはいえ、最近のものはわりとちゃんとした品が揃ってる。「いびき止め」もちゃんとはめてる時はそれなりに役立ってるみたいやし、当座はそれでしのぐしかないかな。今週末は東京に行く予定やけれど、新幹線に乗ってて眠くなったら「いびき止め」を使うて寝ると徹夜のカラオケも苦にならんかもしれん。いやはや、今から徹夜でカラオケするつもりですか、私は。山岸真さん、覚悟しておいてね。

3月2日(水)

 私の契約しているプロバイダはJustNetやったけれども、これが2002年8月末づけでSo-netに統合されてしもうた。それでも移行期間ということで、justnet.ne.jpのドメインはずっと使えてた。それをええことにほったらかしてたんやけれども、いよいよこの3月末で期間終了となる。ドメイン名くらい残してくれたってええやんか。確か最初に統合が報じられた時点では、JustNet会員はドメイン名はそのままでSo-net会員になれるということやったんに、蓋を開けてみれば結局変更せんならん。
 というわけで、今後はこちらあてにメールをお送り下さい。もっとも、3月末まではこれまでのアドレスへのメールでも新アドレスに転送してくれるんやけれどね。
 ホームページアドレスも変更になるけれども、こちらは今週末には完全に引っ越しできると思う。プロバイダの方で「このホームページは移転しました」とかいう画面をトップページに出すサービスを用意しているので、それを利用する予定。
 家を転居し、職場も転勤したかと思うと、ホームページも移転ですか。3年連続で異動が続いてるなあ。そういう時期なんやろうか。

3月3日(水)

 というわけで、ホームページもお引っ越し完了でございます。新しいURLを書いた名刺も用意した。あれやこれやと手間のかかることですな。私のページをブックマークしてはる方は(あ、IEやと気に入ってへんページにもついてしまう「お気に入り」か)、つけなおして下さい。お手間とらせてすみません。

 火星に水があったという痕跡が見つかったんやそうですね。ブラッドベリの「火星年代記」みたいな火星人はいなかったとしても、クラークの「火星の砂」の生物みたいなのがいてたかもしれんと思うとわくわしますよねえ。
 と、新聞を読んだ時に思うた。どうもSFファンとしてはこんな古い作品の名を並べたてるのはいかんかもしれんけど、最近の海外SFを読んでへんのと、SFファンになったと自覚した頃に読んだものが反射的に浮かぶんやから仕方ない。デジャー・ソリスやのタルス・タルカスやのという名前が浮かばんだけましと思うてね(なんじゃそら、という人はE・R・バローズ「火星のプリンセス」を読んでみて下さい。創元SF文庫から出てます。面白いと思うかどうかは別として。私はけっこう好き)。あ、古典的な火星人の典型というとH・G・ウェルズのタコ型火星人か。半裸の美人火星人を思い浮かべるというのは何かが歪んでますなあ、わははは。
 それはともかく、地球以外に生命の痕跡があったというニュースがこんなに人をわくわくさせるのはなんででしょうな。独りぼっちじゃないんだ。まだ知らないだけなんだと思いたいのか。それとも自分たちよりも劣る異星生物を見下して優越感にひたりたいのか。そこらはようわかりませんが。ただ、こういうニュースを耳にしてわくわくしない人もいてるわけで、「それがどうした。そんなものが発見されたからというて景気は回復するんか」などと言われたりするかもしれん。そしたら、素直に敗北しましょう。「そやねえ。そんなことで景気が回復したらおかしいわな」と白旗を掲げながら、腹の中で「景気回復なんざ小せぇ小せぇ」とつぶやいて誰にもわからんように反論いたしましょう。
 ほんまに景気が回復するきっかけになるんかどうなんかわからん道路を造るのに税金を投入するくらいなら、純粋に好奇心を満たすためにロケットを飛ばす方が有意義やと思うけどね。

3月4日(木)

 今日は勤務校の卒業式。午前中は体育館で粛々と進められる。私は照明担当の生徒に合図を送る係をした。式が終り、退場する生徒たちを体育館の出口で見送る。泣いている女子生徒も当然多い。最近の女子生徒はマスカラをどっぷりと塗っているのが多いんで、泣くとそのマスカラが溶けて涙が黒い。黒い涙というのは卒業式にはあわんように思うなあ。どんな場所にもあいませんか。
 午後からは留年して1年遅れで卒業する生徒の卒業式が校長室であった。私が担任を持っていたわけではないけれど、クラブ関係やオタク関係で2年間をともに過ごした生徒がいて、その生徒におめでとうを言いたくて参列。私としては、留年が決まっても卒業に向けてもう1年を乗り切ったその生徒の卒業式の方が胸にぐっときた。
 春は別れの季節であるなあ。10年以上教員をしているけれど、卒業式というのは毎年それぞれに何かを残してくれるように思う。

3月6日(土)

冲方丁さん
 昨日は大薮春彦賞、日本SF大賞、日本SF新人賞の贈賞式とパーティーに列席。休暇をとり、12時前の新幹線に乗って東京へ。まずは予約していたビジネスホテルにチェックインして、荷物を置く。時間に余裕があったので、ベッドに寝転がって本を読んだり仮眠したりしてから、会場の東京會館へ。
 早くつき過ぎて待ち合いスペースで渡されたパンフレットを読みながら寂しく待つ。パーティー会場があくと、飲み物をいただいてステージの近くに。山岸真さんや牧眞司さんがいたのでしばらくおしゃべりする。そうこうするうちに開式。
 大薮賞は「ワイルド・ソウル」の垣根涼介さんと「大平洋の薔薇」の笹本稜平さん。SF大賞は「マルドゥック・スクランブル」の冲方丁さん(写真左)。冲方さんは若さに似ずおちついた受賞挨拶をしていた。SF新人賞は「夢見る猫は、宇宙に眠る」の八杉将司さん、佳作に「ルドルフ・カイヨワの事情」の北國浩二さんと「終末の海・韜晦の箱船」の片理誠さん。
 SF新人賞の受賞者の方たちと堀晃さんが話をしてはったので、その続きに少し話をさせてもらう。その後は知った顔を見つけては話をする。数が多いんでいちいち名前は書かへんけど、この機会やないと会われへん人も多いからね。荻野目悠樹さんと阪神タイガースについて話ができたのが嬉しかった。SFの話をせんか。初対面の方も多く、小川一水さんや町井登志夫さんなどにご挨拶。田中啓文さんが「霜島ケイさんが探してたで」と教えてくれはったけれど、なかなか会われへん。閉会直前になんとか会えた。「林譲治の代理です」といいながら、新刊をくれはった。ありがとうございます。三村美衣さんに見せびらかしたら「貸してよ、今すぐ読むから」。そんなもん自分で買いなさい。
受賞者のみなさん
 二次会では吉川良太郎さん、井上剛さん、坂本康宏さん、三島浩司さんら歴代SF新人賞受賞者の方たちと同じテーブルに座る。向い側には今回初対面の佐藤哲也さん、津原泰水さんがいて、書評の話などをした。ここで冲方さんともあいさつ。今回は初めてお話をする人が多く、楽しかった。
 その後は山岸真さんと例年のごとく徹夜カラオケ。あの人やこの人やそうそうたるメンバーがいっしょやった。明け方、酔眼朦朧として店を出ると、雨が降っていた。タクシーが停まっていたんで、急いで乗り込み、宿へ。仮眠してチェックアウト時間ぎりぎりまで部屋にいてる。
 どこかについでに遊びにいこうという気力もなく、例年通りすぐに新幹線で帰阪。名古屋に停車したのは覚えてるけれど、一瞬気を失ったかと思うともう京都に着いていた。うむ、やはりのぞみは速いなあ。違うか。
 というわけで、今回は自分たちの世代よりもぐっと若い方たちにたくさんお会いして、私も負けてられんぞという意を強くした贈賞式でした。
(写真は右から冲方さん、八杉さん、北國さん、片理さん)

3月7日(日)

 今週の「鉄腕アトム」は第47話「決戦!南極大陸」。青騎士はアトラス、プルートゥー等を復活させ、ロボタニアを攻撃するレッド将軍に対抗する。一方、AIロボットたちは解体処分の直前に、タワシ警部によって救われる。警部はランプの尻尾をつかんだために処分を一時延期するという令状を持ってきたのだ。ランプの自宅に踏み込んだ警部は、爆弾魔カトーの前に絶体絶命となるも間一髪でカトーを倒す。しかし、ランプは自分の潜水艦で逃げ去る。レッド将軍は議会の承認を経ずにキラー衛星を使ってロボタニアを破壊しようとする。アトムと青騎士は、その攻撃を阻止しようと宇宙へ……。
 前回からの続きで、次回につながるエピソード。アトムは天馬博士と直接話をするが、天馬博士の気持ちとアトムの気持ちは平行線である。しかし、天馬博士はアトムがロボットの王になると確信している。ここらあたりでの天馬の異常ぶりをもっと強調してほしいというところではあるけれど、クライマックスの前哨戦としてはかなり盛り上がったという感じですね。
 さて、残るは3話。終りよければ全てよしというような形で終ることができるのか。そのためには、天馬博士と青騎士たちの資金源をあきらかにしてほしいところやね。ロボタニア建国というような大きなことをするためには絶対スポンサーが必要やと思うぞ。そういう細かいところをきっちりと描くようなシリーズやないけど、せめて最後くらいそこまで作りこんだものにしてほしいもんです。

3月8日(月)

 長嶋茂雄オリンピック代表野球チーム監督が脳梗塞で倒れた。これは数日前の出来事なんやけれども、日記に書くチャンスを逸していた。病に倒れた長嶋監督については、一日も早い回復を祈っている。私は野球人長嶋茂雄に関しては、世間一般の野球ファンとは違うてあまり好感を抱いているわけやないし、長嶋氏個人については話をしたこともない(あたりまえ)んで好きも嫌いもない。ただ、脳梗塞で倒れるほどのハードワークに耐えていたという事実を厳粛に受け止めるべきやと思う。
 長嶋監督という個性の強烈さは、確かにすごい。そやけど、それをいいことになんでもかんでも長嶋を看板にしたらそれが免罪符になるというような登用の仕方には、正直いうてうんざりしていた。長嶋という人は、こと野球監督の手腕に限っていえば、戦力を生かすことの苦手な人やなかったかという気がする。あれだけの戦力を集めながらジャイアンツというチームを毎年優勝させることがでけなんだ。優勝でけんのは戦力が足らんからやとさらに各チームから四番打者をかき集める。ジャイアンツというチームの財力やネームバリューがそれを可能にする。それやのに、明らかに戦力的に劣るスワローズなどの後塵を拝してしまう。監督として、チームの構成の見取り図を書くことが苦手で、せっかくの戦力を生かすことがでけへん。
 そういう監督にオリンピック代表チームの全てをまかせてしまうというのは、手腕を買ってというわけではなく、長嶋という看板があれば野球人はみなそれに従うやろうという意図やないかと思う。オールスターチームを率いてその選手をうまく起用する力がある監督はというと、私ならば元ブルーウェーブ監督の仰木彬さんをすぐに思い浮かべるやろう。用兵の妙味をこれほどまでに見せつけてくれるという監督は、ここ10年に限ると仰木さんがまずトップやないかな。
 それだけに、長嶋氏には申し訳ないけれど、この病を奇禍として野球界は方向転換をすべきやないかと思う。「長嶋、そしてそのバックにあるジャイアンツに頼らない」ということが、今こそ求められるんやないやろうか。そして、もう長嶋氏を休ませてあげようやないか。病状はすぐに回復したとしても、リハビリなどにかかる時間はかなりあるはず。それでも長嶋氏を無理矢理グラウンドに引っ張り出そうとするならば、それこそ「長嶋」という看板のみがほしいご都合主義にほかなるまい。

3月9日(火)

 書店に行き、女性向けの漫画雑誌のコーナーである雑誌を探す。最寄り駅の小さな書店では扱うてへん雑誌なんで、必ず置いてある書店を覚えておいて、そこで買うことにしてる。先月に発売された雑誌なんやけれど、置いてある書店の近くに行く機会がなく、今日やっとそこに行ったのです。
 そこはけっこう利用者の多い駅の駅前にあり、私が行った時間帯は通勤帰りの会社員でにぎわっていた。女性の会社員らしきお客が漫画雑誌のコーナーにかたまっていて、それぞれが一心に立ち読みをしている。棚差しの本を探そうと思うても、彼女たちが壁になっていて首をつっこむこともでけへん。これには難儀した。発売されてからかなりたつから、平台には積んでへんやろう。となると、棚に立ててあるに違いない。女性たちの壁のすきまからのぞきこんで探す。ないみたいやなあ。もっと近くで探したいけど、レディースコミックなんかが平積みになってるコーナーに40過ぎのおっさんが割り込むのは難しいのです。下手に手をのばしたりしたら痴漢扱いされるのも嫌やし。
 平積みになってる雑誌の上に、別な雑誌が乗ってるみたいやなあ。あれをのけたらその下に隠れてるかもなあ。おずおずと遠慮がちに手をのばしてよけてみる。違うなあ。おっさんがレディースコミックの平台に手をのばすのには少し勇気が入りますぞ。それにしても後ろで人が本を探してるのに、気がつかんと立ち読みしてる女性には閉口した。あんたがもうちょい横に動いてくれたら私はそんな苦労はせんですむねん。ああああ、もう。
 結局、苦心惨憺したけれども、目当ての雑誌は売り切れていた。仕方ない、別な本屋で探そう。帰宅してからそのことを妻に話していたら、「店員さんに聞いたらよかったんに」と言われた。うむむむ、なんでそれを思いつかなんだのか。お客が多くて店員さんはレジにつきっきり、声をかけにくかったというのもあったかもしれん。だいたいそういうことは、その場では思いつかんもんやねえ。

3月10日(水)

 コンビニで「攻殻機動隊」のフィギィアを買う。海洋堂の製作やないから、質的には少し見劣りするけれど、それでもなかなかの出来ですわ。最初に買うたのには草薙素子が入っていた。揃えようかなあ、どうしようかなと迷う。出来が抜群によかったら揃えてもええんやけれど、全部揃えるまで買い続けたいとまではいかん微妙なセンなんだ、これ。こういうフィギィアが一番困る。
 そこで、ジェイムスン型の義体をもつ「社長」のフィギアが出るまでと限定したらええんと違うかと思い、今日2つ目を買うてきた。
 大当り。入っていたのは「社長」です。続けて買う理由がいきなりなくなった。自分が欲しいと思うものに限ってなかなか当たらんという「マーフィーの法則」は今回は働かんかったらしい。
 徹底的に集めたいとも思わんけれど、こう簡単に目標か達成されるのもしゃくではあるなあ。なにがなんでも全部揃えたいシリーズは、たいていは目当てのものが出るまでかなり散財させられるというのにね。世の中、ままにならんもんですなあ。


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