ぼやき日記


5月11日(火)

 今日の朝日新聞の夕刊に姫野カオルコさんのエッセイが掲載されていた。東京では「京都」をありがたがるという内容のものなんですな。京都というと上品なイメージがあるらしい。私も京都生れの京都育ちやから、東京の人にはありがたがってもらえるかもしれん。この日記も京都弁で書いたら東京の出版社がありがたがって本にしようという企画がもちあがってくるかもしれん。もっとも、書き言葉でそれをやると話し言葉に隠された微妙なニュアンスがうまいこと伝わらへんやろうとは思う。ことほどさように京都弁は難しい。
 大河ドラマの「新選組!」で菊川怜が芸妓幾松役で出演しているけれども、発音を含めてとても聞くに耐えん。背中がかいいなるわ。人気タレントか知らんけど、芸妓さんの役をやらすとは無謀どすなあ。「京言葉指導」という人の名前がオープニングのテロップで書かれているけど、あんな無茶苦茶を教えたはるということは、指導したはる人も京都の人と違うのやおへんか。ほんまにお上手やこと。
 ちなみに姫野さんのエッセイでは東京の「京都料理」の店の女将が馬脚を現す様子が書かれていて、ほんまにおもろかった。すぐにわかる嘘をついてまでして京都人をよそおうとはねえ。その店に行ってイケズしたなってきましたわ。

5月12日(水)

 民主党の代表に小沢一郎元自由党党首が着任しそうな雲行きでありますね。いやはや政界は一寸先闇の世。まさか江角マキ子が年金未納で追究されたことがきっかけでこういうことになるとは。自民党も福田内閣官房長感の辞任で事足れりとするんではなく、大臣やら党の要職についている人はいったん辞任したらどないや。それで責任がとれるとは思わんけど、一人だけ代表して辞任したから他の人は免罪されたということにはならんのと違うか。なんか座りが悪いように感じるなあ。
 ところで、最初に3人の大臣が年金未納を追究された時に菅直人民主党代表が「未納三兄弟」という珍妙なる呼び方をしたために、未納議員はみんな「兄弟」よばわりされることになった。菅氏は「だんご三兄弟」をもじったつもりでそういう言い回しをしたんやろうけど、「またまた『兄弟』発覚」なんていうような報道のされ方をみると、私は(お下品ですが)同じ女性と関係を持ってた男性が次々と発覚したというような感じを受けてしまう(お下品ですね)。こんなにぞろぞろと数珠つなぎで発覚してるということは、一般的な兄弟の範囲を超えているわな。つまりは俗な意味の「兄弟」(お下品ですわねえ、もう)やないですか、この状態は。
 もう「兄弟」とは言わんといてほしいね。それともみなさんお上品やから私のような下劣な想像はしないのかしらん。

5月13日(木)

 今日、体育祭の説明を体育委員の生徒がしている時のこと。「むかで競争」という種目で、「足を結び付けるロープにつなぐ布としては『日本手ぬぐい』が一番よい」とプリントを読み上げたら、クラスの生徒の中から「『日本手ぬぐい』って、どんなん?」という質問が出てきた。
 うーむ。手をふくものというと、タオルかハンカチちか思い浮かばんのやろうなあ。祭に参加したりはせんのやろうか。豆絞りをねじってはちまきにしたりとか。落語会に行って記念に落語家の手ぬぐいを買うたりは……落語会そのものに行きませんか。
 質問を受けた体育委員の生徒も答えられず、「古いタオルでいいから」と問題そのものをなかったことにしてしもうた。もっとも私とて、もし日本手ぬぐいの使い古しをもってこいといわれたら困るけどね。生活の中に「日本手ぬぐい」を使用する習慣がないもんなあ。プリントに「『日本手ぬぐい』が一番よい」と書いた先生のお宅では生活習慣の中に「日本手ぬぐい」がちゃんと残っているんやろうか。

5月14日(金)

 あのですね、国会で議員が会議中に携帯のアプリゲームをしたり、メールを送ったりしてるんやて。それで小泉首相が「会議中はひかえてほしい」と要望を出したんやて。
 これは年金未納どころの話やないぞ。年金未納には腹もたったけど、こちらにはあきれて開いた口がふさがらん。教師が授業中に携帯をいじっている生徒を注意しても「国会議員かてやってるやん」と屁理屈をかまされたらどない反論すんねんな。
 国会でゲームをしてても、採決の時に一票を投じたらそれで仕事は果たしたということになるわけか。頭数さえいたらそれでええんやな。国会が形骸化している証拠ですわ。
 いやほんま、生徒のことを叱ることはできません。国民の代表がそういう状態なんやから。なんやもうアホラシヤの鐘が鳴るわい。

5月15日(土)

 未納ではなく未加入やと言い張る総理大臣もいてれば、好き勝手なことばかり言うているのに自分が年金を払うてなんだことについてはいつも豪語しているような言葉も出てこん芥川賞作家の都知事もいてる。常に言葉を軽んじているような人は、いざとなると普通の言葉が出てこんとみえる。
 特に都知事は権力でもって自分の主張にあわん教師をばしばし処分しているのにもかかわらず、自分のことに関しては自分自身に対する処分もでけんらしい。これをきっかけに都知事が少しおとなしくなってくれたらええのにな。
 いやいや、他山の石という言葉もある。私も言葉には気をつけよう。好き勝手書いてるようで、この日記も実はかなり慎重にネタを選んでいるんですよ。特にプライベートなネタに関しては。

5月16日(日)

 今日は「たちよみの会」。久しぶりにおがわさとしさんが顔を出してくれる。彼は大学の仕事の話、私は高校の仕事の話と、奇しくも教育現場ということで共通の話題が出たりする。最新の個人誌「月男」を購入。大学で漫画を教えているプロの先生が自費出版という形で新作を販売しているということが、なんか悔しいなあ。どこぞの出版社で彼の作品を単行本化してくれんものか。昔の奇想天外社やったらもしかして……という気もせんでもないが。もったいない。ほんまにもったいない。おがわさんのサイトで彼の作品は購入できます。みなさん買いましょう。
 例会終了後、一人でCDショップに行く。「鉄人28号」の主題歌のCDを購入。かつての白黒版のアニメで使用していた楽曲を、千住明さんが編曲してるんやけれど、オーケストラを使用してボリュームのある質感の曲に仕上げている。アニメを見てへんでも、特にクラシックファンの方には掘り出し物としてお薦めしたい。ジャケットは鉄人がにらみつけているものやねんけれど、封を切ったら中からもう一枚ジャケットが出てきた。これがですね、昔の朝日ソノラマのソノシートのジャケット風にデザインしてるんだ。アニメ自体もレトロ調なんやけど、CDもそこらあたりのファン心理をうまくくすぐっている。しかも、CDのラベル面は真っ赤に印刷した上で白い筋が入ったデザイン。これもソノシートですわ。いやあ、まいった。制作者のポリシーがみごとに伝わってくるね。
 レコード会社はキング。ここはそういうファン心理をつかんだレコードをLP時代から作っていた。クラシックでもアナログレコードの音質に近いものにリマスターしたCDを製作するなど、こだわりのある担当者が各部門にいてるところやね。いつまでも「子ども向け」という意識がどこかに残っているコロムビア、アニメを利用して自社のアーティストのCDを売ろうというのが丸見えのavexとはやっぱり違うなあ。
 ことCDに関しては、クラシックにしてもアニメソングにしても、私はキングレコードの姿勢を支持したい。今どきわざわざCDを買おうというのはマニアックな人なんよ、実は。

5月17日(月)

 妻は大阪近鉄バファローズの岩隈投手のことを必ずというてええほど「イノクマ」と呼ぶ。それやったら現在寿司職人の修業をしている元タイガースのサウスポー投手やんか(あ、これは猪股でした)と突っ込んでも、妻は猪股投手のことを知らんからきょとんとしている。最初に間違えて名前を覚えると容易に訂正でけんもんやけど、ねえ。
 ちなみに妻はタイガースの安藤投手のことを「ドロンパ」、久保田投手のことを「ドロンパの弟」という。いつもへの字口なんでそうやって識別していたら、選手の名前よりもそっちの方がすぐに頭に浮かぶらしい。
 ま、興味のないものに対しては人間みんなそんなもんかもしれませんが。

5月18日(火)

 書かねばならん原稿があるんで、今日の日記はパスしますよ。すまんすまん。

5月19日(水)

 関西限定ネタですが。「茜丸の五色どらやき」のコマーシャルで歌われている歌の歌詞は明らかにおかしい。「一日暮れてまた日がのぼる。あのでっかい夕焼け見てみいや」というところが変やねん。一日が暮れるんやったら「日が沈む」と違うんか? 一夜過ぎて日がのぼった情景を歌うているんやったら、見るのは夕焼けやなしに朝焼けと違うんか? でっかい夕焼けって何やねん。それもいうなら「でっかい夕日」と違うんか?
 どうやらCDまで出たらしい。この手の時期限定の珍品はなるべく入手するようにしているんやけれど、これはほしいと思わんなあ。もっとも、今年の「名盤アワー」で関西以外の人に聞かせるために買うということをしてもええんやけど。そやけど、それやったら昨年の「出町柳から」みたいに聞いた人の心に残る曲やないとなあ。
 あれを聞いて社内から疑義が出されたりせなんだんやろうか。謎であります。

5月20日(木)

 本日発売の「週刊文春」の記事に「機動戦士ガンダム」をめぐる著作権料の問題で創通エージェンシーと「名古屋テレビ」がもめているということが書いてあった。「名古屋テレビ」は確か「メ〜テレ」に社名変更したんと違うたかしらん。ま、「機動戦士ガンダム」放送時は「名古屋テレビ」やったんやから、細かいことはいいっこなしということかな。
 その記事でちょっとだけひっかかった記述があるのですね。「こういったゴタゴタが大きくなると少年たちの夢を壊す」と関係者や記事を書いた記者が繰り返してるんですね。うーむ。ガンプラの話題ならともかく、アニメの「機動戦士ガンダム」(「ファーストガンダム」のことやね、「名古屋テレビ」がらみというなら)の場合、少年に夢を与えるような内容やないでしょう、もともと。あの番組をリアルタイムで見た世代の一人として言わせてもらえば、「機動戦士ガンダム」は夢や希望をことごとくぶちこわすことで私たちに衝撃を与えたアニメやなかったか。その前の「無敵超人ザンボット3」「無敵鋼人ダイターン3」とも、ことごとく夢も希望もない話やったよなあ。以来、富野監督はひたすら少年に悪夢と絶望を与え続けてきたわけですね。記者たちは「機動戦士ガンダム」のどこに壊されるような「少年たちの夢」を見い出しているのやら。それに、25年前にテレビでの本放送のあった番組ですからね。「機動戦士ガンダム」を見た「少年たち」は立派に40代に到達しているか近づいているのでありますぞ。今さら夢もへったくれもありますかいな。あほらしい。
 この記事を書いた記者がいくつくらいの人かは知らんけれど、「機動戦士ガンダム」をどこまでちゃんと見ているのか、いつ放送されたのか知っているんか、はなはだ疑問やね。記事の内容自体は、契約の行き違いということを扱うたもので、大騒ぎせんならんことでもありますまい。その前の号で創通エージェンシーが「巨人軍選手のサインボールを社員に書かせていた」という記事があって、そこから創通を叩くための材料をまたひとつとりあげたというだけのことみたいやし。
 これだけのことで週刊文春を非難するわけではないんやけどね。オタクな元少年としては、「ああ、わかっとらんなあ」とあきれるという、ただそれだけ。


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