ぼやき日記


6月12日(土)

大阪屋
 昨日は図書委員の生徒たちといっしょに図書室の図書購入のために書籍取次店の「大阪屋」へ。JR学研都市線徳庵駅から少し歩いたところにある。写真でもわかるようになかなか立派な建物。学校の先生や生徒たちのリクエストをもとに作ったリストを片手に、図書委員たちが大量の本棚を行ったり来たり。私も一人の生徒についていっしょに探す。棚は出版社別に並んでいて、書店のおっちゃんから出版社別の棚索引をいただいたんで助かった。
 むろん、品切れの本もあるし、出版社自体ここの取次店で扱うてへんというケースもある。リストの本を一通り探し終ったあとは、自分の好きな本を生徒たちが選ぶんで直接購入するというおまけつき。生徒たちだけやない。私たち引率の教師も選べる。私は「ちくまプリマーブックス」などの高校生向けの叢書から何冊か選んだりした。「からくりアンモラル」や「針」などのJコレクションも手にとったけれど、ここは自重。
 10年以上も昔、三村美衣さんと話をしていて「あたし、図書委員して取次まで本を買いにいったことあってさぁ」てなことを聞いた記憶がある。楽しそうやなあ、ええなあと思いながら聞いてたんやけれど、まさか自分が教師という立場で生徒を連れていくようになるとは思うてもいなんだわい。三村さんが楽しそうに語っていたように、今の生徒たちもすごく楽しそうやった。本好きの生徒はこうやってますます本を好きになっていくんやろうねえ。
 私は、自分では買わんような本を金額の心配もせずにがばがばと買い物籠に入れられる快感を味わっておりました。職権濫用というなかれ。これでもちゃんと生徒の事を考えた選択はしたつもりですぞ。あ、信じてへんなあ、そこ。

6月13日(日)

 朝、早起きをして「かいけつゾロリ」を見る。ここ1ヶ月ほど、いきなりこのアニメが面白くなくなった。主人公のゾロリは「ゾロリじょう」を手に入れるために有り余る才能を無駄に使い、失敗を繰り返す。その脱線ぶりがおもろいというだけやなく、30分の間にテンポよくギャグが詰め込まれていて、そのスピード感も魅力のひとつやった。そして、このバカバカしさが、私が子どもの頃に見ていた「テレビまんが」に通じるものがあって、それも楽しみのひとつやった。
 ところがですね、ここ4回、30分1話完結やったのが2週で1話という構成になって、テンポが落ちた。明らかに1話ごとの密度が薄まっている。しかも、子どものサッカーチームと試合をしてみたり、大都会に出てきてそこら中にいたずら書きをしてつかまり、牢屋から脱走しようとしたりと、「ゾロリじょう」とは何の関係もない話が続いている。
 一昨日、取次店にいった時に、実は「かいけつゾロリ」のシリーズを手にとってぱらぱらとめくって見ていたんやけれど、この1ヶ月のエピソードは完全にオリジナルのストーリーやねんな。もともと「かいけつゾロリ」シリーズは子ども向けの読み物やから、エピソードのストックは限られている。当然オリジナルのストーリーを考えなあかんのやけれど、私の感じたところでは、アニメの脚本スタッフにとっては「かいけつゾロリ」がなんで子どもに人気になったかという肝心のところがしっかり把握でけてへんのやないかなという気がする。原作のエピソードをうまく映像化したものは、当然子どもたちにも受け入れられるやろうけれど、オリジナルのエピソードをいかにうまく作るかで、視聴率も変わってくるやろう。子どもというのはそこらあたり敏感やからね。少しでも質が落ちるとさっと見捨てるぞ。
 これは原作つきアニメが抱えている宿命みたいなもんで、人気が長続きしたものは、実はこのオリジナルの部分が成功しているものやないかと私は思うている。そういう意味で、「かいけつゾロリ」は分岐点に差しかかっているのと違うかなあと思う。
 ううむ、「かいけつゾロリ」でさえこんな見方をしてしまう自分に対して「もっと気楽に見たら」と声をかけたくなってしまうわい。

6月14日(月)

 オリックスブルーウエーブが大阪近鉄バファローズを吸収合併すると発表した。
 驚いた。
 むろん、合併にも驚いたんやけれど、新聞各紙がセ・パ2リーグから1リーグに再編されることが決定的であるかのように一斉に書き立てたことに、私は驚いてるんやね。一気にそこまで書くかなあ。確かにブルーウェーブとバファローズが合併したらパ・リーグは5球団になりリーグ戦がまともにでけへんようになるからもう1球団減らして1リーグにした方が運営しやすくなるという選択肢はあるやろう。そやけども、ただ2球団が合併構想を発表した時点でもう1リーグに決定したような書き方を、しかもすべてのスポーツ紙が同じような論調で書くというところに、私は影で動いている何者かがいてるのやないかと感じたりもする。
 それが誰かは容易に予想がつく。1紙だけ「新チームの本拠地は大阪ドーム、監督は仰木彬」ともうそこまで決定しているかのように報じているんやね。そこまで断言できるということは、その新聞にニュースソースがあるということやろう。そのスポーツ新聞は、スポーツ報知。親会社は讀賣新聞社。あとは推して知るべし。
 近鉄をそこまで追い込んだのは、新規参入に加盟料30億円という法外な値をつけている野球協約やろう。もっと新規参入しやすいルールやったら、近鉄もどこかの企業に球団を譲渡しやすかったやろう。大幅な赤字に悩まされた近鉄は、譲渡する相手を探すこともでけんままにオリックスとの合併という道を選んだに違いない。
 あと一つ球団を減らすというのなら、私は読売ジャイアンツ解散という選択肢を提示したい。そこらじゅうからかき集めてきた4番打者や二軍で腐りかけている優秀な若手選手を他の球団に均等に分配し、消え去っていただきたい。そうなったらどんなに気持ちええやろうと思う。まあ、一番可能性の低い選択肢やろうけどね。なに、ブルーウェーブとバファローズが合併したら、選手が大量に退団しなければならなくなる。どさくさにまぎれて中村や谷がジャイアンツのユニフォームを着ている、なんてこともあるかもよ。それくらいはやりかねんと思うぞ。

6月15日(火)

 本は読みたい野球は見たい。アニメのビデオもたまっている。そやけど、事情があって書かずにさぼっていた「日本芸能再発見の会レポート」をまとめなあかんことになった。それでも野球は見る。事務局には申し訳ないけれど、3日続けてなんとか書き上げるので待っていてほしいというところですね。いやもう、さぼっていた私が悪い。1年以上前の講演のレポートをほったらかしにしていたんやからね。今日は第1弾。芸能に関心のない方には申し訳ありませんが。もちろん、その合間に本が読めたら感想文もアップします。担任をしている生徒との懇談もしなければならんし、ちょっと忙しくなってきた。それでも野球中継を見たりしてるんやから、ほんまの修羅場とはいわれんのですが。

6月16日(水)

 芸能再発見の会レポートはなんとか書きあげてFAX送信する。やれやれですね。ひとつすんだらまたひとつ。今度は生徒との懇談をしたりせねばならん。なんやかんやと平常の業務だけが淡々と進むということがない。
 現在、教育実習の時節でございまして、私の勤務校にもたくさんの大学生たちがやってきている。男性が紺のスーツを着ているのは私の頃と変わらんのですが、女性が全て黒のスーツ姿で来ているのには、実は違和感があるのですね。昨年来ていた実習生もそういえば一人は紺のスーツやったなあ。もう一人はあんたキャンパスに来てるのんという格好でしたが。
 どうも就職活動に来ているみたいで、落ち着かん。大学でそういう服装にしなさいという指導をしているのでしょうかねえ。私が実習で母校に行った時には、女性はスーツも着てはいたけれどそろいもそろって黒ということはなかったように思うなあ。
 まあ、実習生と識別するにはわかりやすくてええけど。でもそれやったら服装はただの記号やん。制服そのものが好きやない私は、みんなお揃いで黒服というのはあんまりいい気分やないなあ。法事みたいで。だいたい黒い服なんか着て授業をしたらチョークの粉が目立って仕方ないやないの。

6月17日(木)

 テレビで野球を見ていると、妻がサンテレビの野球中継は落ち着いて聞けると言う。この場合の比較対象は朝日放送の中継なんですね。朝日放送の中継やと解説者がじっくりと話をしないけど、サンテレビやと同じ解説者でもじっくりと解説してくれる。
 その理由を考えてみた。
 朝日放送の場合、ラジオでもナイター中継を放送している。そして、同じアナウンサーが日によってはテレビも担当する。どうも、そこに鍵があるんやないかな。つまり、テレビでもラジオの実況中継と同じ感覚でついしゃべってしまうということなんやろう。テレビは画面があるから、1球ごとの描写はいらん。そやのに、朝日放送のアナウンサーは細かく伝えようとする。解説者がしゃべると、あいづちを打つだけでなく、解説者のいうてることをさらにわかりやすく伝えようとする。そして、当たりが大きかったりすると絶叫してしまう。つまりこれ、沈黙が許されへんラジオ式の実況なんですね。
 サンテレビのアナウンサーの場合は、テレビでしか実況しないから、画面でわかるところは特にしゃべらず、画面には入り切らん技術的なことを解説者から引き出そうと努めている。
 まさに媒体の違いというものを感じさせる対照的な実況やねんな。
 あ、もうひとつ、たいした打球や守備でもないのにさもものすごいプレーであるかのように過剰な演出をする局があるよなあ。東京ドームでしか実況せんアナウンサーたちですわ。あれは野球というものをショーとしてとらえるという姿勢なんかしらん。あれは媒体の違いは全く関係ないな。比較の対象にもなりませんわ。

6月18日(金)

 自衛隊は多国籍軍に「参加」するけれど、指揮下には入らんと独自の支援活動をしていくんやそうな。国会でもそのことが承認されたんやそうな。
 そのことはちゃんと多国籍軍の他の国に伝わっているんかな。特にアメリカに。なにしろサミットで小泉首相が北朝鮮拉致被害者の夫を日本に入国させたいとブッシュJr.に言うたら「愛があればどこでも幸せに暮らせるはずだ」と返事したそうやからねえ。拉致という問題についてブッシュJr.が正確に理解をしているとは思われん。ということは、イラクにおける自衛隊の立場を、国会の決議ともども伝えたとしても、それを理解できているかどうか。はなはだ不安やね。自衛隊が戦闘に巻き込まれたら小泉首相はどういうんやろう。「人生いろいろだ、イラク情勢もいろいろだ。」というような調子で逃げにかかるんかなあ。

6月19日(土)

 台風が近づいてきている。
妻は血圧が低くもともと朝は起きられんたちやけれども、昨日あたりから「眠い」を連発し、今日はやっとこさ起きてきてもすぐに横になりたがる。どうやら気圧が下がってくると、低血圧の人の体調も悪くなってくるらしい。私は標準より少し低い程度やねんけれど、確かに昨日からかなり体がだるかった。気圧と血圧の関係については何か根拠があるのかどうか、浅学非才にして知らんのやけれど、低気圧の親玉が近づいてきてたら、そらしんどなるわなあ。果たして私は明日外出できるのか? いや、私はできますね。そこまで血圧低うない。問題は妻であります。明日は近くのスーパーで安売りがあるから行くというているけれど、無事買い物ができるのか。雨は降ってる気圧はどんどん下がってくる。チョコレートでももりもり食べて血糖値を上げて戦うのじゃ!
 全国の低血圧のみなさん、低気圧に負けずに日曜をお過ごし下さい。

6月20日(日)

 台風は近づいているのに雨は降りそうで降らん。ちょっといらいらするね。
 今日は「たちよみの会」例会。京都に行く途中、梅田で堀晃さんと落ち合ってお貸ししていた資料を返してもらう。いやあ、堀さんに資料を貸したりするなどというようになるなんて、20年前の自分に教えてやったらさぞ驚くことであろう。完全にそっちの世界に行ってしまいたいと思う反面、今の仕事も大切にしたいしと、ここらあたりが私のジレンマ。もっとも、専業になれるほどものかきの仕事があるわけやないから、完全にそっちの世界に行くなんて現実的な話ではないんやけどねえ。
 例会では会員Yさんに借りていた漫画を返したりする。今日は返したり返してもろうたり、人生いろいろ、立場もいろいろだ。ううむ、このフレーズはなんにでも使えるなあ。生徒の進路指導にも「人生いろいろ、進路もいろいろだ」。ものを書いて締切りに間にあわなんだ時に「人生いろいろ、書くペースもいろいろだ」。ううむ、便利やけれど、信用を失うこと間違いなしの無責任なフレーズやなあ。こういうフレーズを臆面もなく使えなんだら一国の首相にはなれんのやろうなあ。私にはとても向いてへんわい。誰も私が首相になるてなことを期待してませんか。そらそやな、おっちゃん。


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