ぼやき日記


7月11日(日)

 今日は演劇部が公演をするので、顧問の私は出勤。熱演でした。同じ地区の他の学校の生徒も見に来る。そのために日曜日に公演をしてるんやけれどね。これで夏合宿まではクラブ顧問としての大きな仕事はなし。夏休み明けからは文化祭に向けての活動になるけれど、基本的には今年転勤してきた先生に主の顧問をお願いしているのでそちらに任せる日が多くなるはず。ほっと一息というところですな。
 夜はプロ野球オールスターゲームの2試合目を見る。中継はTBS。タレントを呼んで盛り上げようとしたか石橋貴明と松田聖子がゲスト。たぶん、例年同様のお祭り気分でゲストを決めたんやろうけれど、なにしろ事態が急変したために、石橋貴明も佐々木投手とのやりとりは親しげな感じやったけれど、それ以外の場面はいやに神妙やった。自分でも、今年のオールスターに関してはただの「祭り」やないと感じて場違いな思いを抱いたんと違うか。
 そんな中で、ただひとり「祭り」をエンジョイしていた人物がいてる。ファイターズのSHINJO選手ですわ。レフトスタンドを指差してホームランを予告しておきながらいきなりセーフティバントを試みてみたり、二塁打で出塁して三塁に進むと誰も予想しとらん単独ホームスチールをやらかしてなんとMVPをとってしもうた。その派手なプレーが場違いにならんところが野村克也さん命名の〈宇宙人〉たる所以ですかな。
 妻に「MVPになったらどんなこと言いよるか楽しみやなあ」というと、妻は「絶対『元気はつらーつ』って言うわ」と断言。さて、インタビューですが、「MVPを取るって宣言したけど、実際にとれると……思ってました!」あたりの受けの狙い方はSHINJOならでは。「これからは、パ・リーグです!」1リーグ制反対、と言わんところがさすがですね。そし最後に一言と求められ「元気はつらーつ!」。はい、妻の言うとおりでした。「賭けといたらよかったわ」と妻。
 そやけども、トリックスターというのかな、こういう存在がいてることに感謝せんならんかもしれん。タレントのおちゃらけではなく、野球のプレーでこれだけ場内をわかせられるのはSHIJOただ一人やろう。ともすれば重苦しくなりそうなオールスターに、「祭り」の爽快感をとりもどしてくれた。おそるべしSHINJO!

7月12日(月)

 参議院選挙は、自民党が過半数を割ったものの、公明党と議席を足したら、民主党はわずかに及ばんという結果になった。日本国民のなんというみごとなバランス感覚! 大きく変わってもらったら、それはそれで困るけれども、小泉首相には少しは反省してもらわな困るからちょっとお仕置きしましたというような結果になった。国民全体が示し合わせてこうしたというわけやないのに、微妙なラインに落としどころを作ったりするあたり、なんか筋書きができていたような印象すら与えますな。もしかしたら選挙管理委員会にコーディネーターがいて適度に無効票を操作して演出したのかもしれんぞ。いやいやそんなわけないんやけれど、そのくらいみごとな選挙結果やったということ。ええんかなあ、これでと思わんことはないんやけど、このパランスのとりかたがいかにも日本らしい。和をもって貴しとせよ、ですかな。聖徳太子の昔から、脈々と受け継がれてきている伝統ですからね。一朝一夕に変わるわけはないか、やっぱり。

7月13日(火)

 録画してあった相撲を見るためにテレビをつけたら、野球をやっていた。オリンピック代表チーム対キューバ選抜チームという「壮行試合」なんやそうです。まるで今週末からオリンピックの強化合宿が始まるみたいやけれど、別にそういうことはないわけで、せめて「親善試合」と正しく名乗ってほしいものです。
 アナウンサーはしきりに「長嶋ジャパン!」と連発するけれど、ベンチの中には長嶋監督はいてへん。まるで長嶋監督が復帰したみたいな実況やけれど、別にそういうことはないわけで、せめて「長嶋不在ジャパン!」と正しく呼称してほしいものです。
 療養中やからそっとしといたれよと思うんやけれど、結局は長嶋監督はアテネに行くんか?そこまで回復してるんやったら、なんで球団合併や1リーグ構想に関してコメントがないんや。「ミスタープロ野球」なんでしょう。ナベツネ氏よりも球界全体に影響力を持つのが長嶋監督の言葉なんでしょう。もし8月にアテネにいって采配をふるうことができるほどの回復ぶりやったら、今回の件に対しても自分の意見を言うことくらいできるでしょう。長嶋監督が1リーグ反対とコメントしたら、雪崩を打って球界全体が反対に進んでいくように思う。
 あんまり頼りたくないけれど、ここで長嶋監督が不在なのは大きいなあ。

7月14日(水) 

 何が驚いたって、あなた、UFJ銀行と三菱東京銀行の合併ですわ。驚いたのは、私の記憶では三菱東京銀行は合併時は「東京三菱銀行」やった、いやいや、3年前にローンを組む銀行をどこにするか選ぶのに第一勧銀、さくら、大和、住友、三和、東海などなどの銀行をハシゴしたときも「東京三菱」やったぞ。あ、上にあげた銀行は全て合併を繰り返して現在は別名になっておるぞ。この数年の金融再編の激しさを実感するなあ。それはともかく、いつから「三菱東京」に変わったんや。知らなんだぞ。
 問題はいろいろありまして、我が家にも関係はないわけやないんですが、それはまあここでは置いといて、合併した銀行の名前は常識的なものにしてほしいね。特に、ひらかな3文字には絶対せんといてほしい。ただでさえ「みずほ」と「りそな」をついうっかりまちがえたりするというのに、ここにそういう名前の銀行が新しくできたらよけいややこしいやないかいな。
 ローマ字3字もやめてほしいところやね。UFJとUSJはいまだに言い間違えてしまうからなあ。「お金おろすのにUSJに行って」「テーマパークで金をおろしてどないすんねん」やとか「この前の連休はUFJに行って来たんや」「連休は銀行はしまっとる!」というような会話をかわした経験のある人は多いんやないかな。いっそのこと「IMF銀行」やとか「OECD銀行」なんかにしたらどないだ。大量の勘違いにより日本経済が混乱の渦に巻き込まれること必死ですな。「三菱ふそう銀行」にしたらこれはしゃれにならんぞ。文字どおり〈火の車〉状態になりかねん。いっそのこと「三菱東京三和東海銀行」にしてしまえ。東京か東海かどの地方に軸足があるのかわけわからん銀行になるな。もっとも、さくら銀行が三井住友銀行になるときに、さくら銀行に合併されていたはずの「太陽神戸」の名前がどっかに飛んでしもうたという例もあるから、「三菱三和銀行」、いや、もっとさかのぼって「三菱鴻池銀行」でもええかもしれん。そやそや、鴻池さんの名前をつけたら、なんか安心感が出るのと違うか。
 とにもかくにも、金融再編ここに至れりという感じですなあ。

7月15日(木)

 昨日の日記で書いた「三菱東京」は会社全体の名前で、その銀行部門が「東京三菱」ということらしい。おそらく合併したときにどっちの名前を先につけるかでもめた結果の折衷案ということなんやろうけれど、ややこしいなあ。これまで混乱のもとにならなんだんやろうか?

 帰宅したら、妻から「朝、あなたが出かけてから十勝花子さんから電話があったよ」と言われてびっくり。実は、この日記でずっと以前に十勝さんのことを書いたことがきっかけで、時々メールをやり取りしたりしているんです。とはいえ、いきなり電話とは?
 日本テレビ系でやっている朝のワイドショーに出演するので見てほしい、という電話やったそうな。十勝さんクラスのタレントさんが私のような三文零細書評家にわざわざ知らせてくれはるとは。妻が録画してくれたのを見たら、年金についての知識を、十勝さんのプロフィールに合わせて視聴者に知らせるという内容のものやった。あと少しで還暦というお年やのに、とにかくお元気。おまけに、配偶者が厚生年金に入っていて本人が国民年金に入っている場合にどのくらい年金がもらえるかということが非常にわかりやすく解説されていた。
 それはええけど、いきなり十勝さんからの電話をとった妻はさぞかし驚いたことやろうなあ。私なんかあがり性やから、もし自分でとっていたらがちがちになっていたかもしれんなあ。芸能人というのは、これくらいこまめでないとやっていかれへんのやろうね。つくづく凄い世界や。私もかつては芸人になりたいと憧れたことがあったけれど、私みたいなぐうたらにはつとまらんかったやろうね。零細書評家兼教育公務員というポジションは、私にはちょうど合うているのかもしれんなあ。

7月16日(金)

 いよいよ星野仙一さんが本格的に動き出した。タイガースの野崎球団社長と協力して久万オーナーを動かし、「急速な1リーグ移行反対」と主張させたんや。タイガースが動くと、セントラル・リーグの各球団も同調し始めた。今日はカープの幹部と野崎社長が会談して、連係していくことを確認した模様。
 実は、今の日本のプロ野球でもっとも観客数がのびているのがタイガースファン。もうジャイアンツが全てにおいてナンバーワンの時代は終ったんですわ。もしナベツネ氏が恫喝としてよく用いる「われわれだけで新リーグを作る!」と言い出したら、新リーグを作らせといたらええ。タイガースをはじめとするセ・リーグ5球団に、ファイターズを誘って「第2期セントラル・リーグ」を作ってしまうんですな。ナベツネ氏が率いる「ジャイアント・リーグ」はそうなると5球団となる。むりやり2球団合併をさせて4球団としても、とにかくここの協約はジャイアンツ有利に決められているから、ファンもしらけて離れていく。その上、現在の野球機構の後継者は「第2期セントラル・リーグ」やから、ドラフトが適用されるのは「第2期セントラル・リーグ」のみ。「ジャイアント・リーグ」はドラフトから漏れた選手しか獲得でけへんようになる。かくしてナベツネ氏の恫喝に打ち勝った「第2期セントラル・リーグ」に人気が集まり、もはや新聞の拡張にも使えんようになったジャイアンツは読売グループからどこかIT企業に身売りされ……。
 まあそこまでいかんでもええから、久万オーナーには徹底抗戦していただきたいですな。

7月17日(土)

 暑さのせいかパソコンのモニターが調子悪い。何度かスイッチを切ったりつけたりしたらやっとこさ画面が写った。買い換えの時期にきてるんかなあ。いや、もうあと2〜3年はもたしたいぞ。

 待ちに待っていた3連休の初日であります。前後期制をとっている私の勤務校はぎりぎりまで授業があるんで、厳しい暑さの中教壇に立ち続けているんやけれど、さすがに臨界点にきていましたな。今日はテレビで祇園祭の山鉾巡行を楽しんだり、たまっているビデオを全部見てしもうたりする。そのあと、寝床に寝そべりながら「センター試験過去問題集〈倫理〉」いわゆる「赤本」のページをくって、夏休みの進学講習の準備。妻が様子を見にきたときには、私は「赤本」を手にしながらぐーすか寝ていたそうな。生徒とかわらんがな。受験を控えた生徒たちもこないして「赤本」を広げながらつい睡魔に襲われたりしてるんやろうなあ。それにしても、「赤本」は安いぞ。過去15年間の問題を全て集め、正解の解説もつけて税別780円ですからな。それだけ部数を出しているということやろうし、売れているということやろうね。こういう価格設定を見ると、文芸出版の置かれている厳しさがますます実感されてくるというものです。

7月18日(日)

 今日は「たちよみの会」。新旧京フェス実行委員長が来てくれたほか、古株のY氏もやってきてくれた。R氏は「スチームボーイ」を見にいったとパンフレットを持って来てくれていた。面白かったということなんで、あえてパンフレットには目を通さず。真っ白な状態で見たいところですね。
 ウェアラブル・コンピュータについて少し話をしたんやけれども、私自身がウェアラブル・コンピュータについての知識がないということもあって、現状では携帯電話でかなり事足りてるんやないかという意見を述べる。意見というほどたいそうなことやないか。電話としての機能、カメラとしての機能、短時間ながら動画もとれる機能、サイト閲覧やメールなどインターネット端末としての機能、電子辞書の機能、バーコード読み取りもできれば、機種によっては携帯テレビも搭載されているし、アプリを使えばゲームもでき、テレビやビデオのリモコンにもなり、近い将来には電子マネー決済の端末という計画も進行中。ここまで機能が加われば、携帯電話を一つか二つ持っていれば、何も体に装着するコンピュータを持つ必要はないん違うかなあ。装着することによって五感が研ぎすまされるとかテレパシーのように瞬時に情報を受け取ることができるとかいうのならともかく。重いものを顔につけるメリットが果たしてあるのか。重さを感じない程度の薄さになれば、携帯電話のかわりに装着する人もいてるかもしれんけれど。
 というのも、幼少から眼鏡をかけている私でも、ときに眼鏡がうっとうおしく感じられる。それが嫌でコンタクト・レンズをはめる人がいてるくらいやのに、コンピュータを顔につけるという考えるだにうっとおしそうなことが広まるかどうか。携帯電話で事が足りているならば、よほど画期的な機能がない限り、ウェアラブル・コンピュータにすんなりと移行するとは思われんのですね。特に今年の夏みたいにひたすら暑苦しいと、よけいなものは身につけたくないしなあ。
 そこらあたり、どうなんか。ウェアラブル・コンピュータを実際に試してみんとわからんことなんかもしれんのやけれどもね。

7月19日(月)

 今朝の新聞は大きく1面に「曽我さん、一家で帰国」と報じているけど、帰国してきたのは実質曽我ひとみさんだけやから、ジェンキンスさんと娘さん2人も含めて帰国というのはおかしいなあ。ジェンキンスさんが帰国するとしたらアメリカやし、娘さんたちは北朝鮮からこれまで出たことないはずやしね。朝日新聞の整理部の人たちもこの見出しには苦労したんやろうなあ。厳密にいうと曽我さん一家は帰国やなくて「来日」になるんと違うんかなあ。
 ただそれだけのことですが。

 今日は一日ゲラ読みと書評書き。夜はナイター観戦と読書。昼寝もできたし、かなり疲れはとれたかな。さあ、明日は夏休み前最後の授業や。ぎりぎりまで授業とは生徒もしんどいやろうけれど。

7月20日(火)

 指揮者カルロス・クライバーの訃報に接する。享年74。死因は不明。
 クライバーの指揮する音楽のドライブ感といったらなかった。たとえば、バイエルン国立管弦楽団を指揮したベートーヴェンの交響曲第4番のCDを聴いた時に「この曲がこれほどまでに聴き手を興奮させる曲だったとは!」と驚いたものだ。だからといって、ただただ煽り立てるだけの指揮ではなかった。ウィーン・フィルハーモニーを指揮したブラームスの交響曲第4番がそうで、きびきびとした中になんともいえない陰影が感じられたものだった。
 録音にはさほど熱心やなかった。特にここ10年ほどは音質のよくないベートーヴェンの田園交響曲があったくらいで、CD化されるといわれていたR・シュトラウスの「英雄の生涯」も結局お蔵入りしてしもうたし、だいたい演奏そのもののの回数が少なかった。現役でありながら「伝説の指揮者」になってしもうたという印象が強い。なんでも1回指揮をすると高額のギャラをもらえるんで、次に収入が欲しいと思わんと次の演奏会の指揮台には立たなんだという。ほんまか嘘か知らんけど。
 レパートリーはそれほど多かったわけやない。気に入った曲を掘り下げるタイプやったのか。もっとも、やはり名指揮者で知られた父のエーリッヒ・クライバーの楽譜をそのまま使うていた関係で、父のレパートリーになかったものは自分でも振る気はなかったともいわれる。ほんまか嘘かは知らんよ。
 逆に、これまで海賊盤として発売されていた放送録音が次々とCD化される可能性もある。どれだけ残ってるのかはともかくとして。おそらくかのフルトヴェングラーのように「××年の○○における△△オーケストラとのベートーヴェン交響曲第7番」なんていうようなCDがあっちゃこっちゃから発売されるのと違うかなあ。
 生で聴く機会はなかったけれど、DVDなどで見られる躍動感あふれる指揮姿とともに、クラシック音楽の楽しさを教えてくれた指揮者として、残された録音を大切に聴いていたい、そんな音楽家やった。カラヤン、バーンスタイン、チェリビダッケ、ヴァントらは「巨匠」という形容詞とともに晩年を過ごした。そやけど、クライバーにはそういう重々しい称号は似合わなんだと思う。いわば「永遠の青年指揮者」が伝説のままフェイドアウトしていったというところか。
 謹んで哀悼の意を表します。


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