ぼやき日記


10月1日(金)

 ドラゴンズファンのみなさん、おめでとうございます。ああ、去年の今ごろは、日本シリーズが待ち遠しいという日々を送っていたんやなあ。
 サンテレビでタイガースとベイスターズの試合を見ていたら、解説の福本豊さんが今年のタイガースを一言で評していた。
だまされた」。
 私は、去年のようにはいかんと思うていたから、だまされたという気にはならなんだけどね。「ヘタうった」とは思う。ま、そこらへんは日記やなく「愛すれどTigers」のページに書くつもりやけれど。
 今年のドラゴンズを見てると、去年のタイガースとオーバーラップするんやね。何をしてもうまくいく。流れと勢いに乗るというのはそういうことで、さてこれで来シーズンも優勝できるかというと、そう簡単にはいかんやろうと思う。ただ、流れをつかめるかどうかが勝者と敗者を分ける決め手やから、その流れをしっかりつかんで離さなんだ今年のドラゴンズは立派なもんやと思う。酷評されていた落合監督の「オレ流」采配も、優勝が近づくにつれて掌を返したかのように褒めちぎられている。これも結果が出たからなわけやしね。
 それはそれとして、ドラゴンズ優勝、おめでとうございます。なに、来季はこうはいきませんぞ。

10月2日(土)

 連日野球ネタになりますが。
 今日は出勤日。中学3年生に対する学校説明会があり、私は体験授業を担当した。「なにわ研究」という授業で大阪の難読地名を書かせるクイズみたいなことをやったりする。ま、それはよろしい。
 帰宅して、「今日はカープとタイガースのナイター中継はないなあ。消化試合やから仕方ないなあ」とぼやきながら、それやったらパ・リーグのプレーオフでも見るか、SHINJOや坪井の活躍するところを見たいしなあと、テレビをつける。どのチャンネルに切り替えても野球中継らしいものはやっとらんやないか。
 3位のチームが優勝してしまうかもしれんという不可解なプレーオフにはあまり賛成でけへんのやけれど、それでパ・リーグが盛り上がるんやったら、ジャイアンツに偏ったプロ野球のあり方を変えられるかもしれんと、それなりに楽しみにはしてたんだ。ところがやな、せっかくそうやって盛り上げようとしているのに、テレビ中継がないとは! テレビ中継がないということは、つまり世間では「何もやってない」というのと同じことになってしまうんですぞ。パ・リーグの商売の下手さをつくづく感じるわい。
 テレビ局も商売やから、すぐに数字がとられへん番組を無条件に流してくれるわけやない。パ・リーグの球団を持っている各企業が合同でスポンサーになって中継の時間枠を買い取るやとか、なにか方法はなかったんかい。そうやって中継をしといたら、今年は数字が悪くても、毎年粘り強く中継をしている間に定着してってドル箱になるかもしれんやないか。
 今年起こったプロ野球再編の騒動も、パ・リーグが経営努力をしてるかどうかというあたりが問題になっていたはずや。イベントを作っても、それを盛り上げて話題を集めようとする努力を怠ったんでは、なんにもならんやないか。ここらあたりをさして「経営努力が足りない」と指摘されるのやないか。例えば日本テレビは、優勝争いともなんにも関係なくてもジャイアンツの試合を中継してさも重要な試合であるかのように演出したり、パ・リーグの中心選手よりも技量がはるかに落ちる並の選手をまるで球界有数の選手かと錯覚してしまうほど誇張してみたりする。それを40年続けてきたからこそ、ジャイアンツ戦は人気番組たりえてきたわけで、昨今のジャイアンツのナイターの視聴率低下は、その誇張の正体が視聴者に見透かされるようになってきたからやないかと私は思うている。
 話がそれかけたけど、つまりそれくらいせんとあかんということや。テレビ中継もしてもらえん優勝決定シリーズに何の意味がある。
 テレビ局もリーグ再編問題ばっかり大きくとりあげるんやなく、こういうイベントをいっしょになって育てていくくらいの姿勢を見せてほしいな。タレントの芸を扱わずにゴシップばっかりおいかけまわす「芸能レポーター」と、結局は同じやん。

10月3日(日)

私のくせ毛
 久しぶりに整髪。妻の薦めで美容院にいく。これまでは意固地なまでに「理容店」つまり散髪屋さんにこだわっておったんやけれども、金額の割に仕上がりがひどいとしょっちゅう非難を受けていた。前に住んでいたところには近くに腕利きの理髪師のいる理容店があり、気に入ってたんやけれどね。
 前回整髪しようとした時には、わざわざそこまで行ったんやけれど、予約が多く待ち時間が長いというんであきらめた。そこで今回は妻がよく行く美容院に行ってみたというわけ。髪を切ってもらい、今のところはきれいに整ってるけれど、問題はのびはじめてからであります。私の前髪はウェーブがきつく、のびると面白い形で額を隠す。ちょうど左の絵のような感じ。小泉首相の寝起きみたいな感じのはね方になるんだ。帽子かカツラでもかぶってるのかというくらい。そやから、今はええ。問題は1ヶ月後ですわ。結局同じように頭全体がもわっとふくらみ前髪だけがむやみにのびてはねている、というような頭になってなんだらええねん。そこらあたり、前に住んでいたところでごひいきにしてた理髪師さんは実にうまかった。なんぼ髪がのびても、汚らしくならんのやもの。さて、今回はいかに。1ヶ月後に注目したい。

10月4日(月)

 今日は土曜出勤の代休。昼頃、郵便局に払い込みに行く。順番を待っていると、となりに座っていた若いお母さんが1歳くらいの男の子がむずかるのを叱っていた。
「変身!」。
 いや驚いた。そういう叱り方もあったんか。よい子に変身しなさいと指令を出したら、この子は一瞬にしてむかずるのをやめるのか? すごい画期的な叱り方やなあ。
 ところが、その子はいっこうにむずかるのをやめる様子がない。うーむ、まだまだ「変身」の指令はゆきとどいてへんのやなあ。と、思うたら……。
「剣士!」。
 お、今度は具体的に「剣士」に変身せよという指令か。1歳くらいの子に剣士とは大胆な。
「犬歯、おとなしくしてなきゃだめじゃないの!」。
 剣士? 犬歯? 検死? 絹糸?
 カンのよいみなさんなら既におわかりでありましょう。カンが悪くてもわかりますな。実は私もすぐにわかってた。
 健志だか賢史だか漢字はわからんが、要するに名前を呼んでたんですね。それを「変身」と聞き間違えるというのは、私の耳も相当腐ってますな。いかにもオタクな危機間違いというべきか。
 とはいいつつも、「変身」というしつけ方、けっこう効果がありそうに思うんやけどね。ひとつ間違うと多重人格者になる危険性があるのかないのか、そこまでは心理学者やないから知らんけど。

10月5日(火)

 大阪府でも、東京都に続いて青少年保護育成条例を強化して、有害図書をビニールで完全にくるんでしまうというようなことを考えているらしい。よけいなお世話ですわ。有害やと隠せば隠すほど、裏の手を使うてそれを突破したくなるもんやないかいな。紙面の3割以上を、全裸もしくは半裸のみだらな写真や記事が占めているものが対象になるんやて。これまでは棚に仕切りをして「こちらは成人コーナーです」と注意を促していただけやねんけれど、それでは生ぬるい、というわけですな。
 太田府知事はその仕切りに青少年が近づいたかどうか、こまめに調査したんかいな。府下の全書店とコンビニに調査員を派遣し、統計でもとったんか。それやったらその数字を示して、検閲の疑いのあるその条例強化に根拠を与えるべきやろうね。たぶん、そこまではしてへんと思う。というよりも、東京都がしたから、真似してやろうとしてるんと違うか。
 カジノ構想にしてもなんにしても、太田知事の政策には独自性というものが感じられんね。上から締めつけたらええという発想は、石原都知事には似合うかもしれんし、古くからお上意識の強い東京では通用するもしれんけど、大阪ではそうはいかんよ。東京の真似というだけで、反発がくる。そういう土地柄やということをいまだに理解してへんというのは鈍感というかなんというか。
 だいたい「みだら」とは誰が判断するのかな。相撲の雑誌も府の職員が「みだら」と感じたら袋詰めになって成人コーナーに並ぶんか。笑い事やないよ。半裸の男二人が抱き合ってくんずほぐれつしている姿を「みだら」と感じる者がいてへんと誰か断言できる?逆に、着衣していても劣情をもよおす写真もあるやろう。服を着てるから、それは袋詰めにはならんのや。
 エロ本の好きな成人男子が、自分好みの写真集を選ぼうとしても、袋に入ってたら選ばれへんし買われへん。レジにいって袋を開いて確認させてもらうか? ただでさえ買う時は世間をはばかってしまうのに、そんなことはでけへんやないか。青少年を健全に育成するのも大事やけれど、欲求不満をささやかな楽しみで解消している成人男子の権利はどうなるん。そういう欲求不満がつもりつもって犯罪に向かうたらどうするん。いやこれは、誇張でもなんでもない。そういう可能性も否定できんといいたいだけのこと。
 とにかく、だ。こういう動きは感心でけんな。江戸時代の狂歌を思い出します。
「白河の清きに魚も住みかねて もとの濁りの田沼恋しき」。

10月10日(日)

景福宮
 みなさま、大変長らくお待たせしました。予告なく更新をお休みしましたので、ご心配のメールを下さった方もいてはり、まことにありがたく思っております。実は、10月6日〜9日まで3泊4日で大韓民国ソウル近辺に修学旅行に行ってきたのでございます。
 というわけで、本日より喜多風韓国レポートをお送りいたします。おもろいやらおもろないやらわかりませんが、旅のつれづれに残したメモを頼りに、隣国で私が感じたことをあれこれと綴ってまいりたいと思いますので、お楽しみ下さい。
 かくいう私も、恥ずかしながら海外旅行は初めて。それやというのに知ったような顔をして生徒を外国につれて行くんやから、プレッシャーきついです。ほんまに。6日は朝の4時に起き、出かける支度。5時過ぎに自宅を出発し、この日のために新調した旅行カバンをごろごろと引っ張りながら地下鉄で梅田に。新阪急ホテルの関西国際空港行きシャトルバスに乗るべく歩いていくと、バス停には早くも私の担任するクラスの生徒たちが数名待っていた。教師は7時10分集合やから、このバスに乗るのが最適なんやけど、生徒はもう一便遅くても充分間に合う。それでも早く行こうというのはなかなか立派な心がけやね。「せんせーい、むっちゃ緊張してんねん」とかなり興奮した様子。他の先生方も次々と集まり、シャトルバスに乗ること50分。集合場所にはすでに鉄道でやってきた生徒たちもかなり集まっていた。
 遅刻した生徒もせいぜい10分程度の遅れで、予定通り搭乗手続きに入る。テロなどの危険性もあって、刃物やスプレーは手荷物には入れられん。見つかったら没収ですわ。ペットボトルも爆弾の可能性があるんで、カバンから出して検査される。生徒の中にはベルトをしたままゲートをくぐる者もいて、警告音が鳴ってびびりまくっている。
 幸い台風前の好天で飛行機も無事離陸。飛行機が初めての生徒が多く、離陸の瞬間には遊園地の絶叫マシンさながらに悲鳴があがる。韓国についてから、ある生徒が「あれ、むっちゃ恥ずかしかったわ」と言うておりました。まあ、何事も初めての時は驚きが勝るからね、堪忍したってよ。
 日本語の話せる現地のガイドさんがクラスごとに1名ずつついてくれる。私たちのクラスはヤンさんという女性で、実にていねいな言葉遣いの方。「これから、私たちはバスに乗りまして、景福宮に参ります。ソウルの町は、日本の東京などと似たり寄ったりの大きな都市ですね。みなさま、おわかりでしょうか。おわかりですね。マクドナルドや、スターバックスなど、韓国でも充分人気がありますよ」てな調子でありますよ。韓国で日本語の勉強をしたそうで、その先生がきっとていねいな言葉を使わはる方やったんでしょう。私らの言葉の方がよっぽど汚い。「アホなこと言うてんと、はよバスから出んかいな」。あんまり上品やおまへんな。
 というわけで、豊臣秀吉軍によって焼き払われ、そのまま放置され、やっと再建しかけたと思うたら大日本帝国政府にって朝鮮総督府をど真ん中に建築され(現在は解体されとりました)、ここ10年ほどでなんとか往時の威容を再現されるようになった宮殿に行く。
 ちょうど韓国でも遠足や修学旅行のシーズンらしく、小学生や中学生が次々と列をなしてやってくる。うちのクラスの生徒の中には明るく「アンニョン! アンニョン!」と声をかけ、日韓友好を実践している者もいてる。明るい笑顔に国境なし。今日の日記冒頭の写真は、携帯電話で撮影した景福宮であります。実は、デジカメの電池が切れ、新しい電池はトランクの旅行カバンの中。携帯はこのあとも、デジカメとして、あるいは旅日記のメモとして活用されることになる。この旅行のためにボーダフォンの携帯を持って行ったんやけれど、なんと韓国はボーダフォンとは契約してへんらしい。何のために国際電話契約を結んだんや。韓国は、明日以降の日記で書くように携帯先進国やのに、ねえ。
羊やと思う
 生徒が現地の中学生にウォンビンのファンやと言うと、中学生たちはキャーキャーと喜ぶ。もっとも、チェ・ジウの名前を出してもあんまり芳しい反応は返ってこなんだとか。ペ・ヨンジュンやチェ・ジウは日本ほど人気はないのかな。
 道ゆく人たちの多くは日本と同様ペットボトルの口のみをしておりますが、日本やとスポーツドリンク、お茶、コーラなどが多いけれど、韓国の人たちはたいていミネラルウォーターですな。子どもたちがじゃんけんをして遊んでおります。私たちの場合は、「最初はグー」などというてタイミングをとるんやけれど、韓国の子どもたちは片手の掌を上に向けそれをげんこつでパチパチパチンと叩いてからじゃんけんをしている。ここらあたり、また違うじゃんけん文化を見られて楽しかった。
 右の写真は、景福宮の内部にある石の手すりのところどころに鎮座しいてた彫刻。十二支をかたどったものやそうです。羊に見えるけど、これだけやなくどの動物もなんか微妙に違うんですね。その微妙な違いは、今回の旅行で最後まで全ての場面で味わうことになる。
韓流焼肉
 民族博物館で韓国の風俗の変遷などを見たあと、バスは一路レストランへ。18時ごろ夕食。初日の夕食は焼肉です。生徒の中には、日本の韓国料理で出てくるホルモン焼きをイメージしてか、「牛タン食べたいな」なんて言うてる者もいてたけど、残念ながらあれは在日韓国人の発明でありまして、ご覧の通り、サイコロステーキみたいなカルビ焼肉であります。この上にもやしをどさどさとかけて炒める。鉄板のまわりの小鉢はキムチや漬け物など。黒豆の漬け物がなかなかうまい。なんちゅうてもキムチの辛くてうまいこと! しばらく日本ではキムチ食えんぞ、これは。ご飯の茶碗は金属製。箸も金属製。手で器を持ち上げるのは行儀が悪いんで、金属製でも差し支えないらしい。持ち上げて食べる文化の我々にはかなり食べにくかったけど、これも最終日には慣れていた。
 というわけで、旅日記は明日に続きます。お楽しみに。


てなもんや囲炉裏端 ゆっくりまったり掲示板ですお気軽にご利用下さい。

メールはこちらまで。どうぞよろしく。


過去の日記へ。

ホームページに戻る