ぼやき日記


1月11日(火)

 全国各地で特別養護老人ホームでの感染症による死亡事故が起きている。胃腸炎を引き起こす〈ノロウイルス〉(うちのアホなパソコン辞書は「呪う居留守」と変換しおった。これはこれでとても怖そうな気がする。ちなみに「死亡事故」は最初「思慕氏子」と変換しおった。なんか情緒のありそうな神社の氏子であるなあ)が蔓延してるんやそうな。
 正義感あふれる人やったら「特養ホームの衛生管理はどうなっておったのだ!」と憤るところやろうけれど、私は正義も悪も状況次第と考えているんで、一方的にホーム職員を非難するようなことはしません。「今年の風邪はおなかにくるらしい」と考える方が当たり前の反応やないかなとさえ思う。
 それよりも、新聞記事でいきなり何の前触れもなく〈ノロウイルス〉という言葉が当たり前のように使われていることに、私はなんかひっかかる。私は、今回の事件が起きるまで、〈ノロウイルス〉なるものについて聞いたことがなかった。それが、毎日のようにごく普通の名詞として使用されてるのが不思議でならんのです。
 いや、私がただ無知なだけで世間の人はたいてい〈ノロウイルス〉を日常的に使用してたんかもしれんが。それやったら、「私はあほです」ですむだけの話やけれど。どうもそうやないように思う。
 むろん〈ノロウイルス〉が発見されたんやから、報道としてはその言葉を使用するのは当たり前やろう。そやけれど、〈ノロウイルス〉が例えばインフルエンザのウイルスとどう違うのか、発症の状況の違いで〈ノロ〉がついたり〈ロタ〉かついたりなんもつかなんだりするんか、その説明がもっとほしいんやなあ。だいたい〈ノロ〉ってどういう意味よ。
 そういうところをすっとばして毎日のように〈ノロウイルス〉を連発するというのは不親切やないかと思う。正確な知識をきちっと提供せんと、例えば身近なところにいる老人がおなかをこわしたとして、ただの胃腸炎なんか〈ノロウイルス〉によるものなんかわからんままに胃腸薬を飲ましてすますかもしれんやないか。
 では、〈ノロウイルス〉とは何か。それは、ここここを読めばわかります。冬に貝を食べる時は気をつけねばならんね。

1月12日(水)

 朝青龍も、初日に珍しく右手で手刀を切ったもんやから、2日目以降左手で手刀を切るたびにNHKのアナウンサーに「今日も手刀を左手で切りました」といちいち言われるはめになってしまっておるなあ。手刀は右手で切るものだと横綱審議委員の内館牧子さんが言いつのるもんやから、なんやら騒がれてるけれど、右手で切らんならんという根拠があるのかなあ。内館さんも、朝青龍が十両くらいの時から言い続けてるんやったらともかく、横綱になってから指摘したんでは遅すぎるように思うぞ。そういうしきたりがあるんなら、若いうちに指導しとかんとあかんでしょう。朝青龍の場合、そんなことよりも横綱土俵入りの形がおかしいことの方が私にはよほど気になる。前傾姿勢ではあかんのです。どっしりと腰を落して上半身はまっすぐにし、のばした右手は天を支えるように掌を真上に向け、曲げた左手は胸乳の下あたりにあてて脇をしめる。これが美しい横綱土俵入りの形やね。朝青龍はこの3点全てがでけてへん。この姿勢にはちゃんと意味があるんやから、注意するなら手刀よりも土俵入りやろう。
 最近の横綱でこれがちゃんとできていたのは曙くらいか。曙は当時の木村庄之助親方に教えを乞うて型を覚えたという。あれで四股の時に足が上がってたら理想的やったんやけどね。あの頃、曙が土俵入りをすると、せり上がりの時に拍手がきた。もう一人の横綱貴乃花は前傾姿勢で形が悪かったせいかせり上がりでは拍手は少なかったけれど、四股は足が上がって美しかったんで「よいしょ」という掛け声は曙の倍くらいあった。観客にはわかるんです。今は横綱が朝青龍一人だけやから、比較する対象がいてへんのやね。
 内館さんは朝青龍の横綱土俵入りは気にならんのやろうか?

1月13日(木)

 やっとのことで、先週土曜日までの「ウルトラマンネクサス」を見終りました。私ら夫婦は毎日何をしておるのか。
 まあ、細かな点でつっこみたくなるところはいろいろあるけれど、展開自体は最初に比べるとかなり面白くはなってきた。ただ、見ててきつかった。これは毎週土曜の朝7時30分開始の番組でしょう。この枠では9月までは「美少女戦士セーラームーン」の実写版を放送していたわけでしょう。つまりは、子どももたくさん見てるわな。
 感受性の豊かな子やったら、この番組はトラウマになるぞ。それくらい救いがない。笑いを誘うような場面もない。主人公は恋人は殺される自分の関わった人間が次々と悪魔の標的にされてしまう同僚が自分をあざ笑いさげすむ幻覚を見せられると散々な目にあう。ウルトラマンが助けてくれるかというと、そのウルトラマンも自分のことで手一杯でしかも弱い。
 子ども向きやから手を抜けというているんやない。逆です。もっともっと子どもの気持ちを考えてきめ細かに作れよ。どこかに救いやカタルシスを設けへんと、来週はどうなるんかなあわくわくという気持ちにもならんやないか。
 この番組、この調子で1年続けるんかなあ。それやったらまだ4分の1を過ぎたところやで。まだまだ主人公はひどい目にあいそうな感じやし、ウルトラマンが驚異的に強くなるというきっかけも見えてこない。これはきつい。
 ああそう、脚本からも演出からもウルトラマンへの愛が伝わってこないんだ。これが実は一番辛いところかも。
 親かテレビ局や円谷プロに抗議はきてへんのかなあ。視聴率はどうなんやろうね。私が親やったら、見せるのに躊躇するぞ。子どもを怖がらせて喜んでるような番組よりも徹底的に楽しませようとしている番組(「デカレンジャー」などですね)を見せたい。いわゆる「戦隊もの」もけっこうえげつない場面があったりするけど、ちゃんと救いをもたせてる。来週も見たいとわくわくする。連続ドラマというのはそうでないと、なあ。

1月15日(土)

 朝青龍が左手で手刀を切る理由がわかった。朝青龍は勝負がつくと右手で自分のまわしのサガリを引っこ抜くのですね。たいていの力士は土俵下に降りてから抜くのに、彼はいらちなんかしらんけど勝ち名乗りを受ける前に取ってしまう癖がある。右手はサガリを持ってるからあいている左手で手刀を切らなしゃあない。右手で手刀を切るように指導するには、「サガリは土俵下で取るように」と言うた方が効果的なんと違うかな。
ぼやいたるねんヌードル
 はいみなさん、左の写真はなんでしょうね。カップヌードルみたいやけれど、カップには「喜多哲士のぼやいたるねん」と書かれていますね。なんと日清食品は私のサイトとタイアップして、特別限定のカップヌードルを作ることにし、写真のものはその試作品なのですね。私のアイデアで、スープはベーシックなカップヌードルの味。かやくは貝柱、かにカマボコにコーンとチーズを添えてみました。
 天下の日清食品がこんな零細書評家のホームページとタイアップするわけないやろうというツッコミが入ってるやろうな。そうです。実は、昨日学校の授業時間を利用して池田市にある「インスタントラーメン発明記念館」に行ってきたんやけれど、昨年末にリニューアルオープンし、新たにオリジナルのカップヌードルを作れるコーナーができていたのであります。そこで大枚300円をはたいてつくったのがこれ。まさしく特別限定であります。
 自動販売機でカップを購入し、フェルトペンで自分の好きなデザインを書き込む。私の隣に座っていたカップルはチキンラーメンのひよこを書いたりしておりました。書けたら係の女性にカップを渡す。カップにラーメンを入れてもらうと、希望のスープの味(カップヌードル、カレー、シーフードヌードル、シオヌードルの4種から選べる)と、かやく(10種類ほどあってその中から4種を選べる)を指定する。係の人は指定されたスープとかやくを入れ、ふたを貼り、ビニールの袋に入れてから熱で袋を収縮させて、市販のカップヌードルと同じような形でカップを返してくれるという具合です。というわけで、私は上記のスープとかやくを選んだわけやね。これはなかなかおもろいアイデアやぞ。ただラーメン関係のものを展示するだけやなく、入館者に参加する楽しさを味わえるようにしてるんやからね。
 さてさて、「ぼやいたるねんヌードル」の味はどうやろう。賞味期限は1ヶ月以内。来週には試食してみよう。おいしかったら日清食品とタイアップして大々的に売り出そう。誰が買うんや。

1月16日(日)

 今日は「たちよみの会」例会。私を含めて3名が参加。SF雑誌の話をしたりする。例年は1月に新年会をするのだが、3人だけとはちょっと少ないので、今年は取り止めにした。
 夕食が終って散会。阪急の河原町駅に行くと、和弓を持った女性たちが列をなして改札を通ろうとしていた。そうか、今日は三十三間堂の「通し矢」の日なんやな。新成人たちが三十三間堂で矢を射るというこの行事は、結婚前に妻といっしょに見たことがある。男性も女性も凛々しくていいなあという印象が今も残っている。
 各自治体が行う成人式にはあんまり意味は感じませんが、神事として行われるこういう成人儀式については、私はずっと続いてほしいと思う。単なる祭と勘違いして騒いだり晴れ着を着てはしゃいだりする子どもっぽい輩を成人とみなしてええもんか。
 凛として的めがけて気持ちを集中させ、一人前であることを矢にこめる。うわべの華やかさはないかもしれんけれど、通過儀礼としての「成人式」によほどふさわしいのやないかなあ。

1月17日(月)

 10年目やから、大きくとりあげるんかなあ。ここ数日、新聞もテレビも「阪神大震災特集」ばっかり。私は毎年、この日には地震のことを忘れんとこうと思うて内容がかぶってもええから、忘れるな忘れるなと書いてきた。数年前の日記を読むと、テレビで深夜ローカル番組の枠でしか震災のことを扱うてないことをぼやいている。それがどうや、今年は。9年目と10年目に違いがあるんか。新潟やスマトラ沖で大地震があったから、思い出したんか。今朝の朝日新聞の社説では、東京に地震が起こったらということばかり延々書いてあった。どうなるか、やないよ。どうしようもなくなるんよ。そんなことより新潟の被災者の現状をちゃんと報道しなさい。朝日新聞の会社としての方針は、これまでの震災の被災者のことよりも自分らがどうなるか心配することらしい。社説というのは、その新聞社を代表する意見なんやから。まあ、我が身可愛いというのは逆に正直でええかも。
 沖縄、原爆、空襲。戦争の語り部は少しずつ減っている。それでも、残された人が語り続けていれば、それを受け継ぐ者が必ずいてる。震災もそうやろうと思う。
 願わくば、来年のこの日もマス・メディアはきちっと震災について語り継いでほしい。新潟の震災のことも。そして、阪神淡路大震災でも新潟中越大震災でも、町が復興する前に孤独死や避難場所でストレス死した人たちが数多くいたことも。
 あれから10年。神戸の復興未だし。

1月18日(火)

 風邪をひいて、くしゃみを頻発する。売薬を飲んで鼻づまりを抑えて仕事をするけれど、薬が切れたら元通り。仕事帰りに、近所の内科に行く。鼻炎薬と胃薬と抗生物質を処方される。去年の11月に咳が止まらず診てもろうたときには咳止めと抗生物質を出したぞ、この先生。いつも同じ抗生物質やないか。うーむ。治るかもしれんが、近所やなかったら違う医者に行っておるよ、きっと。そういえば、子どもの頃に風邪をひくと行っていた医者の先生は、判で押したようにのどにルゴール液(イソジンうがい薬と同じヨード液です)をこってりとぬたくり、オラドールなる抗生物質を注射した。それで一応治っていたのではあるなあ。医学は進歩したけれど、医者のやることはあまり変わってへんということか。
 あ、最近の医者は「打診」というのをせんなあ。背中を出させてとんとん叩いて音を聞くという診察方法が懐かしいなあ。聴診器で心音を聞き、打診するという手順がないと、なんか物足りん。これって刷り込み学習やろうか。あの、とんとん、とんとん、というのをしてもらうと、なんか安心するんやけどねえ。
 鼻炎の薬は夕食後に飲んだけど、あんまり効いてへんぞ。イソジンでうがいして早く寝よう。

1月19日(水)

 風邪の具合はたいして変わらん。朝、出かけるのがおっくうになる。こういう時は休む理由を見つけたいもので、体温計を取り出して熱を計るんやけれど、平熱もええところ。だるいなあ、しんどいなあと思いつつ出勤したけれど、人間の「気」というのはすごいねえ。出席簿を持って教室に入り生徒たちの前に立つと、それなりに元気になってしまう。もっとも、職員室に戻ると反動がきつく、へろへろに。
 帰宅したら録画した相撲やアニメを見、本を読み、となんやらだらだらとしている。今日もうがいしてさっさと寝ましょう。
 生徒から見たら、元気に見えるんやろうなあ。それはそれで、仕事をする上ではええんやけれど。ただ、生徒のエネルギーを受け切れんというところもある。これが一番きついかも。
 おお、なんやしらんごく普通の教師の日記になっておるぞ。やはり体調というものはこういうところにも反映されるんやなあ。

1月20日(木)

 鼻の具合が悪いまま寝ますわな。口で息をしますわな。薬は一応効いておるので水分が首から上にあまりまわってきませんわな。のどは乾いてますわな。乾燥しているのどに直接空気が入りますわな。朝起きたら、のどはがらがらですわな。仕事は休まれしませんわな。今週休んだら、3年生とのお別れ授業ができませんわな。来週は3年生は期末試験なんですわな。自習というわけにはいかんのですわな。一番ええのは滋養のあるものを食して休養をしっかり取ることやとわかっておるのではあるけれど。

 昨日、妻と話をしていて「フィギィアスケートで、伊藤みどりの前に日本の代表やった人で、期待されてて5位か7位に入った人で、サッチーに悪口を言われてた時には太ってたけど、昔は可愛かった人。名前、なんやったっけ?」ときかれた。顔は浮かぶんだ。そやけど名前が出てこん。夫婦二人してうんうん唸って考えたけど、出てこん。こういう時はあきらめるに限ると、その場は考えるのをやめた。
 今朝、新聞を開いてすぐに思い出した。渡部絵美! なんで思い出したかというと、新聞に掲載されている「週刊文春」の広告ですわ。トップ記事として顔写真と名前がでかでかと書かれている。記事の内容は、もと西武の堤義明社長が当時17歳やった渡部さんに性行為を強要しようとしたというようなもの。ううむ。まさかこういう形で思い出すことになろうとは。偶然とはいえ、朝からなんやけったいな気分になったわい。
 で、今度は、なんで渡部絵美の話題になったのか、二人とも思い出されへんのですわ。やれやれ。


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