ぼやき日記


1月21日(金)

 旧聞に属するけれど、文部科学大臣が「総合的な学習の時間は不要」と発言した。あのですね、高校ではやっとこさ今年度になって「総合的な学習の時間」を導入したところなんよ。早い話が、「ゆとり教育」「総合学習」の一期生はまだ高校を卒業してへんのよ。社会にも出てへんのよ。学力低下がどうのこうのというけれど、「総合学習」が導入されて以降の生徒はまだ大学受験をしてへんのですわ。学力低下は「総合学習」のせいやないのと違うかなあ。
 だいたい「ゆとり教育」なるものは、受験戦争やつめこみ教育のせいで落ちこぼれる生徒が出てきて学校が荒れたから、生徒にゆとりをもたせ、週5日制にして家庭で教育する時間をとるというのが主旨やったんと違うか。その結果が出るのはまだまだ先。文部科学大臣の思いつきで何の裏づけもない発言にはあきれるしかないけど。つめこんでもあかん、ゆとりを与えてもあかん、それやったらどないすんねん。現場の教師がまたあたふたせんならんのか。たいがいにしてほしいもんです。

1月22日(土)

 風邪は治り切らんのに、今日は演劇部の活動のつきそいで某女子校へ行く。勤務校の演劇部を含めた4つの高校が合同公演を予定していて、主となる高校の先生だけに任せていてはいけないので、つきそいだけでも協力するということ。よその高校の生徒と接するのも、またおもしろい。学校にはそれぞれ校風というものがあり、わずかな期間で生徒たちはその校風に染まっていくのだということがわかる。
 そういう子どもだからそれぞれに合った校風の学校を選ぶのか、そうではないんやけれど、知らず知らずのうちに校風に合うた生徒になっていくのか。興味が出てくる。あの生徒がうちの学校に入学してたら、やっぱり演劇部に入ってるんやろうか。なんてことを考えたりもする。
 教師もまたしかり。次第次第に勤務校の教師らしくなっていくのかもしれん。そうでけんものにとっては、その学校にいること自体が苦痛なのかもしれん。私は、どうやろうか。転勤して3年目が終ろうとしているけれど、なじんだ部分となじめん部分がせめぎあっているというところかな。
 ただ、はっきりいえることは、9年間つとめた養護学校からの切り替えがまだ完全にでけてへんということやね。他の先生ならやすやすとやっているように見えることが、私にはとてつもなく難しく感じられたりする。もう1回転勤したら、切り替えられるのかもしれんなあとも思うが、こればっかりは自分でどうこうできる問題でもないしねえ。

1月23日(日)

 「仮面ライダー剣」が最終回を迎えた。1年間のうち、前半は謎を引っ張るだけ引っ張って話がなかなか進展せず、後半に入ってから會川昇さんを脚本のメインにすえててこ入れを図ったみたいで、謎以外に、敵であるアンデッドたち同士の葛藤や、高校生の睦月の成長物語などを投入し、なんとか乗り切ったという感じかな。ほんまに最初の1ヶ月過ぎたところで「これで1年間もつんかいな」と心配したぞ。
 昔はそうも思わなんだけど、最近は脚本家によってアニメや特撮番組は面白いかどうか判断できるという感じがするね。演出以前に、ストーリーの骨格をちゃんとできるかどうかが問われるというのは、問題があると思うぞ。
 「仮面ライダー剣」のラストは、まだ見てへん人がいてるかもしれんからここでは書かへんけど、去年の「仮面ライダー555」みたいに無理矢理まるくおさめるという感じでもなく、3年前の「仮面ライダーアギト」みたいに収拾がつかんということもなく、さりとて一昨年の「仮面ライダー龍騎」みたいに「その手があったか!」というような決め方でもなく、予想通りのところにすとんと落ち着けたというところやろうね。そういう意味では、それなりに納得がいく。
 森次晃嗣さんを最大の悪役に配置したことで、最後がびしっと締まったのかもしれん。若手イケメン俳優だけではやっぱり1年間はもたんのよ。第1期「仮面ライダー」では小林昭二さんがレギュラーで出ていたことがどれだけ大きかったか。悪役にも天本英世さんや潮健児さんという個性派の実力者を配置していたし。
 さて、来週から「仮面ライダー響鬼」ですか。イケメン路線から一転おっさんが主役というところに実は期待してるのです。

1月24日(月)

 いわゆる「振り込め詐欺」の被害が一番低いのが大阪なんやて。そらそやな、おっちゃん。大阪の人は身になる金しか使わんのやな、おっちゃん。中山元郵政大臣に「息子さんが自動車事故を起こしました」と警官をよそおって金を振り込まそうとしたら、「警察は民事不介入やないか」と撃退したんやから、中山さんのことをあんまり好きやない私でも拍手を送りたくなるよ。息子さんも国会議員やねん。息子さんをよそおって電話口で泣いた奴に対しては「そんなことで泣くように育てた覚えはない」とはねのけたそうな。だいたい本人が自動車を運転するとはまずなく、たいていは運転手さんがハンドルを握ってる。中山さんはその電話のあと、さらに運転手さんに連絡して確認するという念の入れようがよろしいな。
 それにしても、元大臣に「振り込め詐欺」をやろうという時点で、笑うてなしゃあないと思うね。政治家が票にならんことで金を使うわけがないやん。ここらへんのアホさかげんも大阪という感じがするね。こういう事件でも、なにかしら「笑い」を呼ぶ。これこそ大阪という事件でしたな。
 日本全国で横行している「振り込め詐欺」にひっかかる人間が一番少ないのが大阪。大阪の人間はみんなカシコや。ケチとちゃいまっせ。ものの道理がわかってるということや。こと金となると頭が猛烈に回転しよるんや。ひったくり件数ナンバーワンやとかいうことを例にあげて大阪を貶めようとする東京マスコミよ、認識を新たにせえよ。
 ああ気持ちええなあ。

1月25日(火)

 毎日新聞という会社は実はひどい新聞社なんやないやろうか。というのも、奈良県の女児誘拐殺害事件に関連して、販売局長や次長、部長ら3人に期限付きの役職停止や減給というような処分を下したらしい。この人たちがそういう処分を受けたということは、きっと女児誘拐殺害に何らかの形で関与していたということなんやろう。例えば殺人教唆やとか。新聞社のくせにそんな悪人を3人も雇用していたとは、恐ろしい話やね。
 そやけど、おかしいのは、これまでの報道でこの人たちが犯行に関係していたという内容のものはなかったことや。こういう処分を受けるような悪いことをしてたんやったら、当然、容疑者の名前とともにこの人たちの名前もあがるはずでしょう。
 それとも、毎日新聞は何も悪いことをしてへん人を処分したのかな。例えば、容疑者を新聞販売店が雇用したことに対する責任を取れとかいうような理由で。それやったら、この人たちは気の毒やね。販売局長はおそらく容疑者の顔も名前も知らなんだやろうに。次長や部長かて、一販売員のことなんか知らんやろう。
 こういう処分をするということは、毎日新聞と販売局の関係者が犯罪に関与していたことを認めたことになるのと違うやろうか。いわゆる「世間を騒がせた」責任まで社員に負わせる必要があるんか。もし「良識ある読者」が責任を取るべきやと抗議したとしても、新聞社ははっきりとそれを拒否すべきやないかと思う。店員を採用する時にいちいち局長がその志願者のプライバシーまで確認できますか。でけんやろ。基本的には採否の責任は販売所にあると思うし、そやからというて新聞配達や集金をする人はなかなか集まらんらしいから、たいていは履歴書と面接で問題なしとしたら採用するやろう。賞罰で採否を左右したとしたら、人権侵害で訴えられるかもしれんしね。
 こういう形で所在のはっきりしない「責任」を取らせるのは、おかしいんやないかと思う。そう思う私の方がおかしいんかなあ。

1月26日(水)

 プロ野球の改革会議がやっとこさ開かれたけれど、「会議は踊る」の様相らしい。選手会側は全員が統一した意見でまとまっているのに、経営者側はそれぞれの思惑がからんで意見がバラバラでまとまらんという図式やそうな。それやのに、経営者側は「選手会も全球団から最低一人ずつ代表を出せ」と条件をつけたそうな。そんなん、全員揃おうと古田会長一人が出ようと、昨シーズンから選手会はずっと同じ主張を繰り返してるわけやから、形にこだわる必要はないと思うんやけどなあ。
 せっかく改革の機運が高まっているというのに、経営者側にその気がなかったら動かへんやん。まあ、今回は一応それぞれの意見が出たわけやから、次回はその意見をどのようにまとめていくのか、最終的にはどんな方向に持っていったらええのか、そこらあたりが明らかになってくれたらええとかすかな希望は持ってはいるんやけどね。
 12球団全てが飛ばないボールに切り替えることにしたという報道もある。半数以上の球団が1試合ごとの入場者数を実数で発表するということを決定している。そうやって、できるところから少しずつやってったらええやん。今までやってなんだのが不思議といえば不思議やねんけどね。まあ、ファンから見捨てられる前になんとかしてほしいもんです。
 ところで、辞任するという宣言をしたコミッショナーが居座って、有識者による改革委員会を作るというている。人選はまだ発表されてへんけど、私としては豊田泰光、海老沢泰久、坂井保夫、小林至、ロバート・ホワイティング、水島新司、玉木正之というような野球を愛し、かつ球界の事情に通じている人物にぜひ参加してほしいと思うんやけれど、これらの人々の経営者、特に読売の首脳陣の意に反する提言をオーナー会議は受け入れることはなかろうから、無理やろうなあ。この中から1人でも入っていたら、実りのある委員会になると思うんやけどね。

1月27日(木)

 阪神タイガースの井川慶投手が、すぐにでも入札制度を使うてアメリカのメジャーリーグに行きたいと主張し続けている。
 行ったらええやん、と思う。そんなにタイガースにいたくないんやったら、アメリカにでも宇宙にでもどこにでも行けよ、と思う。井川投手がおらなんだら、タイガースの今季の優勝は難しいかもしれんけど、無理矢理チームに残しておいて不承不承マウンドに登っても、たいした期待はでけんもんな。
 行ったらええやん。今まで応援してきたファンの気持ちなんかどうでもええんやろ。今季のプロ野球は、ファンをいかにしてつなぎ止めておくかという大事なシーズンなんやから、ファンが期待しているものが何かわかっとらん選手にいてもろうたら、かえって不都合なんと違うん。
 行ったらええやん。ただし、メジャーリーガー井川を、私は素直に応援でけんやろうね。

1月29日(土)

 筑摩書房から「ちくまプリマー新書」という中高生向けの新書シリーズが創刊されたので、さっそく購入して読んでみている。同種の新書に「岩波ジュニア新書」がある。「岩波ジュニア新書」もいろいろと興味深いテーマのものが揃っていて、時折購入して読むんやけれど、どういうたらええんかな、教科書的で面白く読ませるという感じやない。大人向けの新書を噛み砕いてわかりやすくしただけというような印象が強い。それと比較すると、「ちくまプリマー新書」は、テーマを絞ってそれを面白く読ませようという編集方針のように思える。
 もし私が高校生の頃にこういうシリーズがあったら、むさぼるように読み、何度も読み返してかなり影響をうけてたんと違うかなあ。今の高校生が羨ましくなってきたぞ。
 逆にいうと、中高生向けのシリーズやから大人は読まんでもええというもんでもない。いや、大人やからこそ書かれていることの奥にあるものを読み取ろうとしてさらに楽しめるに違いない。
 あえていうけれど、某文芸出版が発刊している新書のラインナップよりも魅力的ですね。その新書にはキワモノみたいなものも混じっていたり、テーマは面白そうなのに読んでみたら案外内容が薄かったりするものがけっこうあったりする。それがベストセラーになったりしてて驚くこともあるんやけれど。それよりもずっと楽しみな新書シリーズになるのとちがうかな。

1月30日(日)

 「仮面ライダー響鬼」の第1話「響く鬼」を見る。いきなりミュージカルで始まって驚いたけれど、よう考えたら、こまで「仮面ライダー」のシリーズは基本的に第1話から怖がらせるような始まり方をずっとしてきたから、なんか楽しい雰囲気で始めるというのは子どもたちに対して親切なのかもしれんな。
 それと、ここまでの「平成ライダー」のシリーズはイケメン兄ちゃんを揃えてお母さま方のニーズに応えていたという感じがしたけれど、今回は若くてきれいな女性をたくさん出してお父さま方のニーズにも応えようとしている感じであるな。
 映像はなかなかこっているし、屋久島ロケを敢行するなど予算もけっこうかけている感じやし、なによりも番組冒頭で「石ノ森章太郎先生の意志をついで」というテロップが出ているところに気合いの入り方の違いを感じた。今後なかなか楽しみですな。
 ところで、主役のヒビキを演じている細川茂樹という俳優さんは、日本経済新聞のテレビCMにレギュラー出演している人らしく、妻といっしょに見ていたら、彼女は「なんかここでいきなり日経を広げそうやわあ」などといちいち言うんです。そう言われるとCMの「うん、僕、日経を読むようになったのさ」とどアップで話しかけてくる映像が頭の中に浮かんで離れんようになってしもうたぞ。ううむ。

1月31日(月)

 漫画家、中尊寺ゆつこさんの訃報に接する。享年42。
 そう、私と同い年なんですね。新聞の記事によると、昨夏から闘病中やったとあって、死因は書かれてへん。ガンやろうか。
 もちろん中尊寺さんとは面識などない。その漫画も雑誌に掲載されたのを少し読んだだけで、「おやじギャル」を流行させた人として新聞に紹介されているのを読み、ああ、そういえばそうやったなあ、と思うたくらい。
 ただ、それでも、同い年の人が若くして亡くなったという意味で、すごいショックやねんな。自分は、今、こうやって、毎日アホみたいなことばかり書いて、生きていることが当たり前みたいにしているけれど、もう生きているだけでものすごく幸運なんやないかと思うたりする。震災の時に、人間はいつどないなるかわからんと肝に命じたはずやのに、10年もたつとやっぱり忘れたのか。
 まだ42歳。やり残したことは多いはずや。そう思うと、他人事やない。
 謹んで哀悼の意を表します。


てなもんや囲炉裏端 ゆっくりまったり掲示板ですお気軽にご利用下さい。

メールはこちらまで。どうぞよろしく。


過去の日記へ。

ホームページに戻る