ぼやき日記


4月1日(金)

 新年度開幕であります。今日は新転任の先生との顔合わせやら、今年度自分がどの科目の授業を受け持つかの決定やら、会議会議で忙しい。いちからおさらいせんならん科目が2つもあったりして、3年生の担任でもあることやし、何かと忙しい年になりそう。
 開幕というと、プロ野球セントラルリーグも開幕したのですな。タイガースは、つまりなんです、負けましたな。なに、一昨年優勝した年も負けたんやから、1試合くらいでおたおたしない。とはいいながらも、守備のまずさから失点したんやから、早くも危惧が的中したという感じ。
 ああ、こうしてまた毎日勝ったの負けたのと大騒ぎしながら過ごす毎日が始まるのじゃ。明日は授業用の参考書を本屋で探してみよう。ものかきの方もこつこつとやっていきたいしね。ま、とにかくスタートラインに立ったということです。
 ゴールまで先が見えんけれど、走っているうちに景色が目に入り、少しずつゴールのテープが霞の向こうから見えてくるようになるやろう。それまでは、ひたすら走るのみ。もっとも、私の場合は寄り道が好きやから、あっちいっちゃふーらふら、こっちいっちゃよーろよろ、おっとと危ないまたこけた、というような1年になるんやろうなあ。

4月2日(土)

 今日は所用で京都へ。帰りがけ、阪急梅田駅の改札を出ようとすると、目前に長蛇の列が見えた。はて、何かチケットの発売日で、阪急交通社のプレイガイドに人が並んでるんかいなと思うてよく見たら、定期券売り場でした。そうか。定期券継続購入の季節なんですなあ。たとえ桜のつぼみはまだかたくても、こういう風景から季節を実感することもあるんや。
 夜は7年ぶりくらいに九州から大阪にやってきた友人と奥さんとの会食。奥さんとは初対面やけれど、気さくな感じの人で話もしやすかった。その奥さんの私への印象は「学者、みたいな感じですね」やそうです。身なりにかまわず、しかも鼻の下にヒゲなんか生やしてるから普通のサラリーマンには見えなんだということやろうねえ。
 二人は明日は関空から海外へ旅行ということで、あまり長くおしゃべりはでけなんだけれど、久しく会うてへん人とこうやって会食できるというのはええことやね。そんな風に感じるのは、自分が年をとってきた証拠かしらん。

4月3日(日)

 それにしてもすごい雷やったなあ。大阪では午後6時をまわったところくらいかな。薄暗くなってきたんでカーテンを閉めたんやけれど、そのカーテンごしに、ベランダで誰かストロボでも光らせたんかと思うくらい鮮やかできつい光が一瞬輝いた。今のはなんやろうとカーテンを開けてみたけど、特に何もない。と、思うたら、どどどどどどと轟音があたり一帯に鳴り響く。アルミサッシでガラスも厚味があるものやというのに、窓がびびびびびびと振動してる。
 妻はベッドに横になっていたんやけれど、地震かと勘違いしたそうや。私かて、あの閃光がなかったら雷の音とは思わなんだかも。
 例えば菅原道真が起こしたという雷がこういう規模のものやったとしたら(死人も出てるからもっときつかったかも)、そらもう当時の公家衆が天の神様が怒ったはるように感じて当然かもしれんなあ。それくらいびっくりした。
 俗に怖いものの例えとして「地震雷火事親父」というけれど、こういう雷やったら確かに火事より怖いかも。
 福岡では落雷でけが人も出たらしい。地震が起きたり雷が落ちたりと、福岡の人らにしたら生きた心地もせんやろうなあ。
 みなさんのところは大丈夫でしたか。

4月4日(月)

 合併球団オリックスバファローズへの移籍を拒み、ポスティングシステムを使うて渡米し、ロスアンジェルスドジャースとマイナー契約を結んだ前大阪近鉄バファローズの中村紀洋内野手のことなんやけれど、今朝の新聞を見てびっくり。日本に帰るかもしれんねんて。東北楽天ゴールデンイーグルスが、その中村に食指をのばしてるらしいねんて。
 なんで日本に帰るというたかというと、開幕直前にマイナーリーグ行きを通告されたからやねんて。マイナー契約やねんから仕方ないやん。自分よりもオープン戦の成績が悪い選手がメジャーに残ってるから、「メジャーリーグは実力で勝負するんと違うんか」と怒ってるらしい。
 ほしたら何ですか。日本の野球は実力で勝負しとらんのか。本来ならFAの期間に達してへん選手のためのポスティングシステムを、球団合併を理由に近鉄球団の好意で使用させてもろうたのを、当然の権利と勘違いしてたんと違うか。メジャーに残った選手は、メジャーでの実績があったんと違うか。それに対して中村はアメリカのプロ野球界では新人と違うんか。実績がなかったら、マイナーで実績を作ってそれこそ実力でメジャーに上がるようにしたらええやんか。あくまでも最初の契約はマイナー契約で、メジャーからスタートするという保証はなかったんやし、そこらあたりの厳しさは覚悟してたはずやと思うのになあ。
 これで電撃的にゴールデンイーグルスと契約してみ。オリックス球団としたらたまらんよ。戦力としてあてにしてたのにアメリカに行かれて(しかもポスティングの代償金は近鉄球団に取られてるはずやしな)、それでイーグルスに行かれる。あまりにも人をバカにした行為と取られても仕方ないで、ほんま。
 ほんまに勝負したいと渡米したんやったら、開幕メジャーに入られなんだからというて簡単に日本に帰ってきたらあかんと思うで。それでは「メジャーリーガーのノリを見たい」と応援していた近鉄バファローズのファンをも裏切ることになると思うで。
 よしんば本気やなかったとしても、こんな時期に「帰国」てなことを口にするのはまずいんやないかな。だだっ子がわがままを言うて大人を困らせてるようにしか思われへんのですわ。

4月5日(火)

 結局、中村紀洋はマイナーリーグにとどまって、メジャー昇格を待つことにしたそうな。それでええんです。その前日にいらんことをべらべらとしゃべるからわがままな奴というイメージになってしまう。そういう意味ではイチローや松井は凄いなと思う。誤解を招くような発言はせんもんなあ。

 このところ、小説を読まずに歴史の解説書ばかり読んでいる。なんでかというと、新年度の授業に対する予習なんですな。今年は世界史の、それも古代から中世あたりを教えることになってしもうた。歴史は好きでいろいろと本を読んだりして楽しんではいるけど、教えるとなるとまた違う。アッシリアのシュメールのミタンニのと古代王国の名前をずらずら並べて「さあ覚えろ」と強要するような授業はしたくないのですよ。どうせやったら、「歴史ておもろいなあ」と少しは思うてもらえる授業にしたい。私の専門科目は「倫理」やから、そっちの授業では「思想って面白いなあ」と思うてくれる生徒もいてくれて、それなりに楽しめる授業にするテクニックはないこともない。「世界史」となると専門家やないですからね。そこらあたりの勘どころをおさえるのはなかなか難しい。「日本史」の方がまだ自分が好きな分だけ授業に工夫をしやすい。
 というわけで、古代西洋史に関する雑学や小ネタをあちこちから拾い集める日々が続くのであります。もっとも、古代史ばかりしてはいられん。「現代社会」も受け持つんで、古代から一足飛びに現代に頭を切り替えんならんのです。
 そんな器用なことがでけるやろうか。いやいや、やらんならんのです。それが仕事やねんからね。いやいや、現任校に転勤してから、とにかくよう勉強するようになったぞ。付け焼き刃にならんようにせんといかんな。

4月6日(水)

 プロ野球が開幕してからこっち、毎日楽しみでしょうがない。大阪に住んでいると、タイガースの試合はたいていテレビ中継してくれますからな。
 そやけど不満がないわけやない。ジャイアンツの試合は関西では視聴率が悪い。そこで、全国ネットではジャイアンツの試合をしているのに、関西ローカルではタイガースの試合を中継する局が増えている。こういう局は、当然試合終了までは中継してくれへん。これまでやったら、広島市民球場のカープ戦なんかたいていUHFのサンテレビが中継し、時々テレビ大阪が混じるくらいやった。そやのに、昨日は毎日放送、今日は関西テレビと、VHF局が中継をしている。したがって、試合終了前に放送が終ってしまう。ラジオに切り替えたら、朝日放送の楠アナウンサーがいらんことばっかりしゃべっていてうるさい。うるさいのはともかく、去年までやったら試合終了まで見られてた放送が、今年は減っているということが不満なんですわ。
 サンテレビでやってへんから仕方なく毎日や関テレの尻切れとんぼ中継で我慢してるんやで。サンテレビが同時に中継してたら、そっちを見ます。そういうタイガースファンは私だけやないと思う。毎日放送も関西テレビもサンテレビから放送権を横取りしたんやから、サンテレビに負けんくらいのサービスを視聴者に提供してほしい。それがでけへんのやったら、朝日放送みたいにサンテレビと提携してリレーナイターをやってくれや。
 というわけで、連日の勝利は嬉しいけど、勝負がついて喜んでいる選手の姿を見られへんと、なんや頼りないんだ。
 もっとも、それだけタイガースの試合の商品価値が上がったということになるんやな。それはファンとしてはなんか嬉しい気もするけど、そのせいで完全中継が見られへんというのは、困るなあ。

4月7日(木)

 今日の新聞を読んでいたら、韓国では「独島」については教科書でとりあげて子どもの時からちゃんとその問題を考えるようにしているのに、日本ではそういうことをしておらんから、日本人が「竹島は日本の領土だ」と主張しても説得力はないんやと韓国政府だかジャーナリズムだかが発言してるらしい。
 なんか変な理屈やなあ。例えば、日本の教科書に「北方領土は日本固有の領土である」と書いてあるけれど、ロシアの教科書にはそんなことは書いてなかったとしたら、日本も同じ理屈でロシアに北方領土の返還を迫ることができるということになる。
 領土問題って、そういう性質のもんやないでしょう。
 感情的になると、自分の言い分を正当化するためにけったいな理屈をつけてても、それがけったいやということを冷静に判断でけんようになると思うけど、韓国のこの理屈はまさにそういう感じがするなあ。
 領土がからむ外交問題はかなり恐い。戦争の原因の多くは領土問題やからね。決着をつけるにはどっちかが折れなならんのやし、まずどっちも折れたりはせんもんなあ。文献や条約の文言でちゃんと書かれた、どっちの国も納得できるもんが残ってたらええわけやけど、こういう場合はどっちの国も自分に都合のええ文献しか持ち出してこんわなあ。
 いっそのこと、竹島を半分に割って東を日本、西を韓国が折半して領有するというのはどないだ。そしたら韓国と日本はなんと地続きの隣国ということになるぞ。
 どっちの政府も納得できませんか。特に韓国はこういう玉虫色的解決策には乗りそうにないなあ。

4月8日(金)

 本日は始業式。私の勤務校では、2年生からそのままクラス替えなしで3年生になり、担任も変更なしでもちあがる。そやから、新学年というても、顔ぶれは変わらず、教室が変わるだけ。学生証の写真はさすがにそのままというわけにはいきませんからな、これは新しいのを渡すけどね。
 変わったのがもうひとつ。担任(私ですな)の鼻の下にヒゲが生えていること。どういう反応を示すかというのは、実は私も楽しみにしてたんやけれどね。
「先生、鼻の下に何を書いてんの!」
 何も書いてません。
「夏目漱石みたい」
「野口英世や」
 ここらあたり、眼鏡をかけてるんやから新渡部稲造の名前がでてきてもおかしくないんやけれど、1000円どまりというのが辛いなあ。
「チャップリン!」
 ヒゲの形が違う。
「チャーリー浜!」
 まあ、そのへんでしょうね。
「はっきり言いますけど、そのヒゲは似合ってないと思います」
 はっきり言い過ぎ。見慣れたら気にならんようになるて。
 一番おもろかったのが「喜多先生つけヒゲ」説。
 なんでも、数日前に廊下で私とすれ違った生徒が「あの時先生はヒゲを生やしてへんかった」と証言したらしい。それは単に廊下が薄暗くてヒゲが見えにくかっただけやろう。
 というわけで、新学年の一発目はそれなりにインパクトを与えられたみたいです。そのために生やしたんか、と言われたら、まあ、そうですね。こういうのもコミュニケーションをとる材料のひとつやからね。この1発目のために3週間かけてネタを仕込んでるわけだ。ウケを取るためにはそれなりに準備しとかなならんのですわ。
 さあ今年も始まったで。月曜から本格的な開始だ。明日と明後日はおおいに鋭気を養っておくことにしよう。

4月9日(土)

 タイガースええなあ。今日も勝ったなあ。まだ開幕して8試合目とはいえ、2位を1.5ゲーム差離して首位に立ってるんやなあ。このまま順調に行くかどうかはともかく、開幕前の「順位予想」なるものでは多くの野球解説者がタイガースをBクラスに入れとったからなあ。で、優勝候補はドラゴンズかジャイアンツ。ジャイアンツは今のところ最下位ですわ。そのジャイアンツにドラゴンズは2連敗してますわ。なんか気持ちええぞ。天気もよかったし。
 ええ天気やったらテレビばっかり見てんと出かけろよな。
 他にはこの4月に新しく始まったアニメを録画してあったのをいくつか見た。「ムシキング」が意外にええのでびっくり。子ども向けの企画ものということでいくつかのお約束はあるみたいなんやけど、それさえクリアしてたらかなり好きに展開できるということなんかなあ。「ふしぎ星のふたご姫」も意外な拾い物かもしれんぞ。「萌え」要素さえほりこんどいたらそれでええというような作りのオタク向けのアニメと違い、本当に子ども向けに作ってる作品の方が設定や構成で手を抜かれへんということなんかしらん。それ意外にも注目作はあるけど、あと数回見てみんとなんともいわれんので、今日は書かんとこ。
 そやからええ天気なんやし出かけろや。

4月10日(日)

毛馬の夜桜
 タイガースが藤本のサヨナラヒットで連勝。気分がええんで、妻のリクエストに答えて二人で花見がてら散歩に出かける。夕刻、大川沿いを歩く。川岸の公園では花見の宴会を終えて片付けている団体と、これからバーベキューをするために炭をいこしている家族とが入り交じっていて、にぎやか。
 ソメイヨシノは必ずしも好きな花やないけど、並木になっていて一気に咲き誇っているのはやっぱり壮観ですな。だらだらと川岸を歩いていると、やがて毛馬の閘門にさしかかるころには、日も沈む。水銀灯に照らされた桜の花がとてもきれいなので、携帯を取り出し写真を撮る。左の写真がそうです。
 淀川までつくと、さすがに人も少なくなっていた。サックスの練習をしている人、詩吟の練習をしている人がいてる程度か。歩いてからだが少しぬくもったんで、川風が心地よい。もっとも、妻は「寒いわ」と言うてましたが。
 ぶらぶらと歩きながら途中でレストランで夕食をとり、21時頃に帰宅。久しぶりに距離を歩いたんで、ちょっとばかし疲れたけど、まだ花が散らんうちに花見ができたんで、妻も喜んでくれてた。ここんとこ外出は私一人だけというケースが多かったから、妻と出かけるのはほんまに久しぶりやったなあ。
 というわけで、昨日はテレビ漬けやったけど、今日は出かけたぞ。別に自慢するほどのことやないですか。そらまあそうやね。


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