ぼやき日記


8月21日(日)

 今月の「たちよみの会」例会には久々に参加してくれた湯川光之さん(「SFマガジン」のSFスキャナー欄などでおなじみ)と京都SFフェスティバル前実行委員長の六角さんと楽しくおしゃべり。持参した「本の雑誌」をネタにしたり、読みかけの文庫の話をしたり「おねがいマイメロディ」の奏おねえちゃんのマスカラは現代の高校生の実態を忠実に表しているのだという話をしたりした。だからどうだというわけやないですけど。2ヶ月ぶりの例会なんで、とても楽しかったです。

 選挙になると田中真紀子さんがスポーツ新聞の社会面にでかでかと載るなあ。確かに首相批判なんかわかりやすくて面白いけれど、「小泉首相の政治はまるでサーカス団みたいだ」とかいう例えは、サーカス団の人たちに対して失礼でないかい。こういう不用意な発言を面白がるという神経もちょっとわからんけれども。まあ、小泉政治がサーカス団なら、田中真紀子先生は道化師という役回りになっていると思えば、それほど違和感もないかな。
 わからんといえば、田中先生は普段は政治家としてどういう活動を行ってるのか、ほとんど報道されへんのはなんでや。法案に賛成か反対か、くらいしか新聞では名前を見かけませんぞ。今回の選挙では法案に反対した議員に対して首相たちが立てた対立候補のことを「刺客」と呼んでるけど、この言葉も不穏当ですな。
 選挙は祭というてしまえばそれまでやけれど、祭の狂騒が終った後がほんまは一番大事やと思うんやけどね。選挙というのはあくまでも国民の代表を選出するためのものであって、単なる陣取り合戦やないんやぞ。
 それはそうと、「サーカス団」という発言の記事を読んで、私の頭に最初に浮かんだのは漫才トリオの「安田大サーカス」やったりする。もっとも小泉首相は「クールビズ」とかでネクタイを外しているけど、安田団長は上半身裸でネクタイを締めてジャケットをはおっている。さてどちらが省エネなのでしょうか。

8月22日(月)

 今月の「本の雑誌」は創刊30周年記念号。年表がついていたりするんやけれど、その下の段にその時々の「三角窓口」への読者投稿が掲載されていたりする。何の気なしに読んでいたら、「本好きの女友だちと話をしていて……」という書き出しの投稿が載ってるやないですか。
 1992年10月号掲載の、これは私の投稿なのです。肩書きは「中学校の産休講師」。年齢は29歳! 内容は、総収入に対する書籍購入額の割合を「目黒考二係数」と呼んだらどうか、というもの。あ、目黒考二というのは、「本の雑誌」の当時の発行人(現顧問)で、書評家の北上次郎さんのことです。
 そうやねんなあ。これを投稿した時はまだ採用試験にも合格してなんだし、商業誌からお呼びがかからんようになって5年くらいたって、小説を書くのも息詰まったりしていた時期やったなあ。あ、小説は今も息詰まってますね。
 それにしても29歳か。まだまだ夢も希望もふんだんにあったなあ。今や42歳のおっさんでんがな。いやはや。
 で、書き出しにある「本好きの女友だち」は、現在は「妻」となっており、肩書きもこの10年の間に「書評家・教員」(一時「童話作家」も加わっていた)となっております。投稿したころには、自分がどうなるのか、正直まったく見えん苦しい時期やった。これが掲載された直後くらいに採用試験合格の通知が来たり、「SFマガジン・増刊号」への執筆依頼が来たりして、風向きが変わってきたんやったなあ。
 いろいろと思い出の深い投稿を再録してくれはって、なんか嬉しくなったのでした。

8月23日(火)

 今日から3年生の授業開始。私の受け持ちの授業は明日から始まるんやけれど、さっそく進路に関する担任の業務が始まったりして、昼食をとる時間もなかなかすぐには確保できず。ああしんど。帰宅して寝転がってプロ野球の中継を見ていたら、体がだんだん重くなって泥と化してしもうた。いやほんま、動かれんのです。これで明日授業なんかしてごらんなさいよ、乾燥した粘土みたいになってしまうんと違うやろか。明後日あたりになると地下の石炭みたいにかんかちこになってたりして。
 ところがですね、夕食をとったらかなり元気回復。いやあ、食事というのは大切やねんなあ。食べるという行為そのものにいろんなものを活性化させる作用があるんかもしれんな。タイガースも勝ったから、疲れも半減。今晩は早寝して疲労回復につとめよう。

8月24日(水)

 就職希望の生徒は就職先を本格的に決定し、推薦入試で進学を考えている生徒も、これからどの学校に推薦してもらうかということを決定していかなくてはならない。高校3年生の担任は、自分のクラスの生徒の進路希望に合わせていろいろと対応していかなならん。長年養護学校に勤務していた身としては、こういう対応は初めてなもんやから、ベテランの先生に相談しがらやっていかんかと、何もでけん。帰宅したらへろへろへろ。そやけど、昨日よりは疲れはましになったみたいで、泥のようにぶっ倒れるというようなことはなく、ごろごろしながら「あー、福原打たれとるやんけえ」と無感動にテレビに向かってつぶやくだけなんであるのです。
 というわけで、「新党日本」とかいうけったいな名称の政治団体になぜか「国民新党」なる珍妙な名称の政党が議員を移籍させて政党としての要件を満たすようにさせるという摩訶不思議な小技に対してぼやく気力もわかんのであります。革新知事だかなんだか知らんが、結局は静香ちゃんと同根やったんやねえ、やっしー知事。宮城県の浅野知事は筋がすっと通ってて小気味よいけど、やっしー知事ときたら時代錯誤の東京都知事に追随してみたり、時々理解に苦しむ行動をとるなあ。節操ないよなあ。
 はは、結局ぼやいてしもうた。

8月25日(木)

 タイガースはようやく「死のロード」らしい負け方をしはじめたなあと思うたら、明日から甲子園に帰ってくるのでした。甲子園に帰ってきたら強いよ。しかも相手はジャイアンツ。きっと昨日今日みたいな夏バテで息絶え絶えみたいな試合をすることはないと思う。やれやれですね。
 ところで、ジャイアンツファンの同僚に「ジャイアンツに星野監督というのはどう思うか」と聞いてみたんやけれど、「星野というのはジャイアンツを倒すことでやる気を出してきた人でしょ。ジャイアンツのユニフォームは着ん方がええよ」と、否定的なことをいうてはりました。ジャイアンツファンの人でもやっぱりそない思うてるんやなあ。
 スポーツ新聞や週刊誌はもう星野監督で決定みたいな書き方をしてるなあ。でも、この報道はなんか騒ぎ過ぎのような気がする。たぶん、星野星野と騒いでおいてそちらに注目させている間に、あっと驚く監督候補と水面下で交渉してるんやないかなあ。川上哲治監督復帰とか。それはないか。
 それにしてもジャイアンツって、こういう「お家騒動」からは最も遠いチームやったのにね。シーズン中から「来季村山監督!」みたいにペナントレースそっちのけで騒がれるのは、タイガースの十八番やったというのにね。隔世の感があるなあ。
 というわけで、私の予想では来季のジャイアンツの監督に、星野さんは就任しない。予想やなく願望という説もあるけど。

8月26日(金)

 午後から休暇をとって、梅田で友人と会食。妻も交えて楽しくおしゃべりをして過ごす。
 斎藤由貴の20年ほど前に発行されたテレホンカードをもちだし、鑑定してほしいという。最近人からもろうたんやけれど、値打ちもんやったら、なるべく高くで買い取ってほしいとのこと。私はテレホンカードのコレクターやないから相場はわからんけれど、アイドルテレカ市場に持っていったら、それなりの値段はつきそう。少なくとももともとの度数の500円よりは高い値段がつくと思うたんでそのようにいうと、それなら今から「まんだらけ」へもちこむという。
 梅田の阪急東通商店街にある「まんだらけ」へいく。実は、私は「まんだらけ」という漫画古書店へ足を運ぶのは初めて。どんなにマニアックなお店なんやろうとどきどきして行った。
 うーむ、確かに稀少本もあるけど、基本的には規模の大きい漫画専門の古書店というだけと違うんかなあというのが正直な感想。ものすごくマニアックな店を私は中学生のころに知ったからね。「石川古本店」という手塚治虫作品のコレクションでは日本でも有数のコレクターの方が経営する古書店で、店に足を踏み入れるだけで中学生の私は身がすくむ思いがしたものです。ご主人に値踏みされているような、そんな感じがしたなあ。
 まあ、あそこまででなくてもええけど、予想していたほどマニアの巣窟というわけではないように思うた。やっぱり、実際に足を運んでみんとわからんもんです。もっとも、他の支店は実は非常に恐ろしい場所かもしれんので、梅田店だけで判断してはいかんのやろうけれども。
 ところで、アイドルテレカは「まんだらけ」では売買の対象やないそうで、友人の方はあてが外れてしもうたんですけどね。

8月27日(土)

 今日は1日オフの予定やったけれど、急用ができて京都へ。昼の京都はまだまだ暑いねえ。用事をすませ、帰りにCDショップに寄って上原彩子の「チャイコフスキー、ピアノ協奏曲第1番/ムソルグスキー、展覧会の絵」を購入。帰宅して野球を見たあと、さっそく聴く。
 上原彩子のピアノはライヴで聴いたこともあるけど、ミスタッチもあったりはするけれど力のこもった独創的な演奏で、はたしてスタジオ録音のCDであの迫力がマイクに入り切るか心配してたんやけれど、最初の数分でそれが杞憂やったことがわかる。特にムソルグスキーはまるでチャイコフスキーのソナタみたいな解釈で、いやはやびっくり。この前メジューエワのコンサートでなかなか迫力のある「展覧会」を聴いていたけれど、上原のCDの方に軍配をあげたくなった。この「展覧会」はぜひコンサートに行って聴きたいなあ。
 というわけで、クラシックのお好きな方にはこのCDはお薦めです。もっとも、今まで一度もこの2曲を聴いたことがないという方は、ブレンデルあたりのクールな演奏をCDで聴いてからにした方がええと思う。この個性的な演奏で刷り込まれると、具合が悪いかも。
 クラシックについては、基本的には同じ曲は最低でも2種類の演奏を聴き比べるという楽しみ方をしないと、その面白さがわからんというのが持論なのです。しかも極端に芸風の違う演奏家のものにすべきですな。通版で「名曲大全集」というセットものを購入したならば、それぞれの曲に関してCDショップで別の演奏家のCDを買うて聴き比べる、というやり方でええんと違いますか。今は1000円の廉価盤でもかなり定評のある名盤が買えるからね。

8月29日(月)

 昨日の夜は甲子園のライトスタンドでメガホン振って六甲颪を歌うた。気持ちよかったあ。チケットが手に入ったからと誘うてくれはったクラシックファン仲間のAさんに感謝。
 今日は、昨日録画しておいた「MBS新世紀漫才アワード」を1日遅れで見る。「M−1グランプリ」の二番煎じという感が否めず、グランプリの笑い飯も最高のできとは言い難かったから、レベル的には低いと感じたのが昨年。
 ところが今年は高校生審査員を公募、厳しい試験で選抜した1000人を前に若手漫才師が熱演。トーナメント式など、「M−1」との違いを明確に打ち出したのが功を奏したか。グランプリは麒麟。実力派である上に、昨日の漫才には何がなんでも一番になるという気迫が感じられた。そこに食い込んできたのがNON STYLE。昨年の「新世紀アワード」でも、「ABC新人コンクール」でも、ボケの方が笑いを取るということに対して何か勘違いしているという感じやったのが、今回は一皮向けたというか、ボケに徹することに対して吹っ切れたのか、これが同じコンビかというくらい面白くなっていた。テンポもよく間もよく、同じく決勝に残ったアジアンとともに、今度の「M−1」でも大暴れしそうな予感がする。とろサーモンの会話をしない漫才という異色のスタイルが、今回はしずちゃん絶好調の南海キャンディーズに勝ったのも、今後の新人賞レースにむけて楽しみが増えた。抜群の芸を持ちながらどう考えても年齢に合うてへんネタにこだわるりあるキッズなど、今年の「新世紀アワード」はすごくグレードが高かった。いやいや、毎日放送も意地を見せたなあ。
 それにしても高校生審査員はちゃんとした判定を下していたぞ。人気コンビやからというておもろないのに高得点がはいる(去年のレギュラーの敗者復活には怒りすら感じたもんなあ。あれはりあるキッズの方が間違いなく上やったと思うぞ)ということもなく、みごとな審査ぶりやった。観客もちゃんと育っているぞ。もっとも、彼らが落語などにも手を広げてくれるかどうかというと……。みんな落語も聞きにいってね。

8月30日(火)

 職場で使用しているノートパソコンがとうとうダウン。リカバリーまで少し期間が必要となった。職場の共用パソコンを使用してはいるんやけれど、必要な書類が一太郎で作られているのに、ほとんどのパソコンにはインストールされておらず、windows95を搭載した古いパソコンでしか使えない。メモリースティックから少しずつフロッピに移して、古いパソコンで作業するという手間のかかることをやっている。そやからwindowsはあかんねん。関係ないか。それはともかく、やっぱり夏休みの時期にパソコンショップに持っていくべきやったかな。まあ、今さら悔やんでも仕方ないけどね。しばらくは不便に耐えんならんなあ。全く仕事がでけんようになったわけではないから、まだなんとかなってるけどね。
 おまけに朝から楽しみにしてたタイガースとドラゴンズの直接対決が雨で流れるしなあ。もっとも、この日のために川上を温存していたドラゴンズは目算が狂ったやろうし、タイガースには扁桃炎で欠場している藤川のいない状態でする試合が1試合減ったという利点がある。この雨中止が実はペナントレースを左右する大きなターニング・ポイントになったのであった、というようなドラマが作れたりしたらおもろいなあ。ああ、9月になっても野球を楽しめる幸せ! 1試合雨で流れたことくらい許したろう。今日の試合は9月21日に延期になる。そこが本当の意味での天王山になっていたりしたらと思うとわくわくするなあ。
 なんやしらん雨中止を喜んでるみたいやね。こういうのをポジティヴ・シンキングというのです。ほんまか。

8月31日(水)

 朝、ラジオを聞いていたら「今日でお子さんたちも夏休みが終りますね」なんて言うたはる。おおお、小学生たちは今日までお休みやったんか。私の勤務している高校では3年生は1週間も前に授業が始まっておるぞ。その上来週の月曜日からは6時間授業になるぞ。就職希望の生徒たちは面接練習の真っ最中。そうかあ、前任校やったら、明日が始業式ということになるんか。気分はもう9月中旬なんですけどね。

 必ず勝たなならんという試合で井川に投げさすのはもうやめて。この前のドラゴンズ戦も、味方のリードをもらったら自分の墓穴を掘るようなエラーばっかりしてたし、今日は今日で2本もホームランを打ってもらった直後に満塁ホームランを打たれてたら世話ないわ。それにしても白熱した首位争いやなあ。明日にでも優勝が決まるんと違うかというくらい両チームの選手がピリピリしてるぞ。ここも気分は9月中旬かも。

 もっとも関東方面ではペナントレースそっちのけでジャイアンツの監督は誰やとかローズと清原が退団するとかで騒いでいるらしい。こっちは9月を通り越して10月中旬の気分か。

 そうかと思うと、またまた新しい台風が接近してるらしいなあ。昔は台風というたら9月以降に上陸するもんやったような気がするけど、ここ数年8月やのに台風が上陸する確率が高くなってるよなあ。そうか、台風も気分は9月中旬なんか。

 ところで、ドラゴンズの落合監督は、タイガースが7月はじめに首位を独走してるころ、「勝負は8月だよ」と言い続けてたな。で、8月が終った時点でも辛うじてタイガースが首位にいるよね。今日で勝負は終ったことになるんやない? 明日から選手たちは「ああ9月になってまったなあ、終りだわ」と思うて勝負から降りたり……しませんか。やっぱりね。


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