ぼやき日記


11月11日(金)

 仕事がら、毎年「現代用語の基礎知識」か「イミダス」か「知恵蔵」かどれかを購入して教材研究ように職場に置いている。毎年同じものを買うてもええんやけれど、どうしても用語解説が似たり寄ったりになってしまうんで、なるべく変えるようにしている。
 今年も書店で比較検討。で、「イミダス」を買う。実はローテーションでいうと「現代用語」の番やねんけど、それを飛ばしてまで「イミダス」にしたのは、付録ですわ。いわゆる「平成の大合併」によって古い市町村がどう新しくなったかなどがわかる地図帳がついてて、これに決定。そんなもん単独でも出てるでしょうという声もあがりそうやけれども、単独で出てるものを買うとけっこう高いんや。で、内容的にはたいしたことなかったりする。
 家で付録の地図帳をぱらぱらとめくる。変な名前の市や町が生まれてるなあ。うわっ、この県なんかほとんど市町村がリニューアルされてるぞ。いろいろと楽しむ。
 同じ言葉を去年買うた「知恵蔵」で引き比べたりしたら、また面白さも倍増しそうやけれど、今日は特に忙しくてそこまでやってる余裕がなかった。来週、教材研究をしている時についでに引いてみよう。授業で教えようと思う「三位一体改革」なんていうところを比べてみようかな。
 問題は分厚くて重いので持ち運びに不便やし場所をとるということかな。同僚にきいたら電子辞書用にインストールできるものもあるらしい。もっとも、それを使用するためには新たに電子辞書を買わんならんというハードルがあるんやけれど。
 駅前の本屋のおっちゃんが、レジで袋に入れながら「これを全部読んで覚えたら賢こなりまっせ」と言いながら渡してくれた。確か去年「知恵蔵」を買うた時にも同じことを言うてたな、おっちゃん。買う人ひとりひとりに毎年同じことを言い続けてるんか、おっちゃん。

11月12日(土)

 今日のニュースをテレビで見ていたら、アメリカのブッシュ大統領が元プロボクシングヘビー級チャンピオンのモハメド・アリさんに対して拳をあわせるようなジェスチャーをしている。パンチドランカー状態なのでアリさんは普通に返事できず、とっさに右の人差し指で顔に向かって何度かぐるぐると円を描いて応えた。そしてら、周囲から笑いが起きた。
 なんで笑うんやろう? アリさんのジェスチャーはどういう意味があったんやろう。
「私はパンチを受けたらもう簡単にノックアウトされますよ」くらいの意味なんやろうか。
 英語の手話はわからんからなあ。いや、日本語の手話もわかるわけやないですが。
 というわけで、どなたかわかる人、こちらにメールを下さってもかまいませんし、てなもんや囲炉裏端に書き込んで下さってもかまいません。
 非常に素朴な疑問なんですわ。いったいアリさんのジェスチャーの意味は何なのか。なにか皮肉をきかせた答やったんか。ああ、気になる。

11月13日(日)

 プロ野球「アジアカップ」優勝チームは千葉ロッテマリーンズに決定。今季3度目のバレンタイン監督の胴上げを見ることとなった。なんというか、この「強さ」は尋常やないなあ。もっとも、これが来年以降も続くかどうかはわからんとは思う。1985年、怒涛の勢いで日本一に輝いた阪神タイガースが、1998年、マシンガン打線と大魔神の活躍で一気に日本一となった横浜ベイスターズが、その「強さ」を翌年以降も持続できたか。それぞれの年、これらのチームは「黄金時代の開幕」ともてはやされた。マリーンズが来年もこんなに強いチームのままでいられるかどうか。長年低迷していたチームほど、日本一となった年の輝きはまばゆく、そして燃え尽きるのも早かった。日本テレビのアナウンサーが媚びるようにマリーンズの強さをほめたたえるのを聞いていると、過去の例を思わずにはいられんのですね。
 それはそうと、アナウンサーがしきりに「初代アジア王者」と言う。この「アジアカップ」は来年度もやることが決まっているんかなあ。スポンサーはコナミやけれど、これを永続する気があるのかどうかはまだちゃんと決まってへんのと違うかな。解説の掛布さんはかなり慎重に言葉を選んで、来年もあるかどうかについては具体的には触れてなんだように思う。
 もしこのイベントが来年以降も続くんやったら、開催地を4国回り持ちにするとか、様々なルールを決めておかねばならんと思う。そうなると、韓国はこの時期かなり気温が低くなるやろうからドーム球場の建設を待たんならんと思われるし、中国はオリンピックが終ってからでないと、設備が整わんのやないかと思う。ドームでなくてもええのは温かい気候の台湾やろう。
 今年の試みは成功したと思う。もし来年もやるとしたら、地の利において常に日本が有利になるということだけは避けるべきやろう。
 アナウンサーの「初代アジア王者」という言葉になにかしら違和感がつきまとうのは、そういうところなんですね。1回だけで終ったんでは意味がないし、ぜひ条件を整備して来年もやってほしいと思うので、誰もが納得できる開催方法をきちっと作っておくべきやねんやろうなあと思うた。

11月14日(月)

 プロ野球根来コミッショナーの談話によると来年もアジアシリーズはやるらしいけど、「数年は日本でやった方がいいでしょう」程度のことしか言うてないので、詳細はまだこれからつめることになるもよう。うーむ。それでええんか。

 一昨日の日記で書いたモハメド・アリさんのジェスチャーについて、メールで情報をいただきました。詳細はこちらです。つまり耳もとで「かかってこい」などというぶしつけな言葉をはいてボクシングの構えを見せた大統領に対し、「お前はアホか」と返答したということらしい。反骨精神いまだ健在なり。チャンプの資格を剥奪されてもベトナム戦争の兵役を拒否した人物が、何かというと兵力を持ち出したがる大統領に一発食らわしたという図式らしい。なるほどね。

 飛鳥で蘇我入鹿邸跡が発見された。ずいぶん昔の話になるけれど、私はひとりで明日香村を訪ねたことがある。その頃構想していた古代史小説の取材をしにいったのです。結局その小説は書かずにここまで来てしもうているけれど。その遺跡の発掘されたあたりも歩いた。あの時は丘の上に登り、大和三山をながめながら、中大兄王子のクーデターに際してほとんど無抵抗のままに館を焼き払い自分の死をもってクーデターに対する抗議をした(と、私は解釈している)蘇我蝦夷の心境を想像したものです。
 今ふとそのことを思い出し、あの頃よりも蝦夷の気持ちをもう少し深いところで想像してみている。短いものならば、構想を新たにして書いてみたい素材ではある。少し仕事の状況が落ち着いてきたので、構想を建て直してみるかな。
 遺跡からは焼跡も見つかったという。あの時、丘の回りを取り囲む中大兄に味方する軍勢のざわめきや、火をつけた館の中から蝦夷が見渡した都の姿が感じられたけれど、それは私の想像だけではなかったのかもしれんね。
 資料を一から調べ直したりする必要もあるから、すぐに着手はでけんけれども、いつかは(どこで発表できるかはわからんけれど)書いてみたいなあ。

11月15日(火)

 いやー、おもしろいなあ、「アカギ」。よみうりテレビで月曜の深夜に放送しているアニメですわ。麻雀劇画のアニメ化なんやけれど、うまいんだかへたなんだかわからん絵柄、大仰ながら狂気をはらんだ勝負など、見ているうちに引き込まれていくなあ。主人公のアカギの声をあてているのが、今やヨン様声優となった萩原聖人。抑揚のないアテレコがアカギ少年になんともいえん迫力を与えている。古谷徹の時代がかったナレーションも雰囲気を盛り上げるのに一役かっている。
 ただ、今週の分を録画して夕食後に見たんやけれど、昭和30年代前半を舞台にしているのに「ワンパターン」なんていう単語が出てくるのはいただけんなあ。時代劇で「情報」なんて登場人物が口にすると現代に引き戻されてしまうような気分になるけれど、まあ、それに近い。前回では当時は使われていたけれど現在では差別的表現として自主規制されている言葉が堂々とでてきたのに、今回は「盲目なのか」というような言い回しが使われたのは、何か理由があるのでしょうか。
 まあ、欠点のないものはない。要はそういった欠点が、見ている時には気にもかけさせん魅力があるかどうかですわ。「アカギ」の時代がかった迫力は、とりあえず欠点には目をつむろうかと思わせるものがある。
 妻が悔しがっていた。「麻雀のルールがわかっていたらもっと面白いやろうに」と。いやいや、わからん方がええ場合もあるよ。なまじ知ってると「そんな奴おらんで」と突っ込みたくなる場面もあるわけやしね。一応私から口だけで説明したんやけれど、牌なしで説明するのは難しいなあ。
 とにかく「アカギ」はおもしろい。第1回を何の予備知識もなく見たから、よけいインパクトが強かったかもな。

11月16日(水)

 妻が録画していた番組の終りの方に京都精華大学のコマーシャルが入っており、そこに漫画家のおがわさとしさんが学生と話をしている様子なんかが映っていたりする。おお、テレビCMで見るおがわ君はなんだか貫禄があってかっこええぞ。全国に流しているわけやなかろうから、関東方面のSF関係者が見ることはないやろうから、ここで宣伝しておいてあげよう。ちなみにおがわ君は精華大学まんが学部の常勤講師なのです。学部に昇格したから、もしかしたら助教授かなんかになるんやろうか。わくわく。
 人のことを心配する前に、自分の仕事をちゃんとせんとな。担任をしているクラスの生徒たちは、今月末には8割がた進路が確定すると思われるし、もうひとふんばりですわ。

11月17日(木)

 仕事帰り、コンビニに寄る。店頭のごみ箱の前に3人ほど30代の男性が立っている。なにやらおしゃべりに華を咲かせている。それを横目に見てコンビニに入り、雑誌を立ち読みしたりして出てきたら、彼らはまだ立ち話をしていた。手には缶入りの発砲酒が。よく見ると、ごみ箱の上に呑んだあとなんかこれから呑むんか知らんけれど、缶入りの水割りやらチューハイやらが何本も立ててある。
 この寒空に、ねえ。立ち飲みの居酒屋に入って呑む方が安くつくんと違うんか。だいたい肴もなしにそう酒が呑めるというのも、私の感覚では理解し難い。
 ごみ箱を利用したい人もいてるやろうに。迷惑千万というかなんというか。
 いろいろな酒の呑み方もあるもんやなあと思うけど、そんな呑み方をしてておいしいんか?
 なんにせよこちらが見てて恥ずかしくなってきた。本人らは平気なんかもしれんけどね。なんか楽しそうにおしゃべりを続けてるしなあ。ちなみに、その近辺にはけっこう居酒屋は多いんやで。ようわからん人たちやったなあ。

11月18日(金)

 「SFが読みたい!」の年間ベスト投票が送られてきたけれど、はてさて困った。この1年、特に4月以降はほんまに小説を読んでへんからなあ。高校3年生の担任というのは、予想以上にあれこれと気を遣うということがよくわかった。帰宅しても小説を読むような頭と心をフル回転させなならん行為はでけんようになってるのですよ。テレビはね、まだ自分の頭をフル回転させんでも自動的に情報を送り込んでくれるから、ぼーっと画面を見ながら音声を聞いているだけでも十分内容が入ってくる。
 小説、特にSFの場合、能動的に頭脳を働かさんと情報が入ってこない。授業に関連した内容の新書やと、頭を教師モードにしておいたら教材研究感覚でまだ読める。小説は、ページを開く気力がわかん1年やった。
 そやけど、一番に推したい本はあるわけです。そやから投票はする。ただ、例年のように話題作や評判の高い作品をきちっと押さえているわけやないので、今年はいくぶん毛色の変わったものになるやろう、ということ。ほんまに今年は「あんた書評家?」といわれても仕方ないくらい小説を読まれなんだなあ。さあ、年間ベスト投票、私の分はどんなラインナップになっているか。
 それは「SFが読みたい!」が出たその時にはわかります。お楽しみに。

11月19日(土)

 今朝の「ウルトラマンマックス」には初代「ウルトラマン」に登場したあの古代怪獣ゴモラを再出演させていた。着ぐるみのフォルムも再現されていて、非常にかっこいい。私の場合ノスタルジーでかっこよく思えるのかなあという気がしたので、「レッドキングやゴモラを見てたらこれこそ怪獣やと思うんやけど、これは私が最初に刷り込まれたせいかな?」と妻に尋ねてみた。すると妻は、「ごてごてといろいろついてなくて、シンプルやし、どう人が入ってるかわかるし、怪獣らしいと思う」というように答えてくれた。人の入り方がわかるというのはどうかと思うけれど、つまりは自然な感じがするということなのかなあ。少なくとも、作り込み過ぎて不自然な怪獣がその後には増えてくるから、「生き物」としてあり得るフォルムであるというのは怪獣らしさの一つの指標といえるかもわからんな。特にCG合成がだんだん不自然でなくなってきた現在、どんな形状の怪獣であっても無理なく画面で暴れさせることができるわけやし、そうなるとやたらと不自然な怪獣でも作れるということやからね。
 私の子どもの頃、死んだ祖母に買うてもろた怪獣のソフビ人形がこのゴモラで、角が折れ尻尾がとれるまで遊んだことを覚えている。おそらく「どれがええ?」と聞かれて自分で選んだと思うので、私は小さな頃からゴモラにかっこよさを感じていたんやろうね。
 ゴモラファンの私は再現ゴモラが兇悪なまでに大暴れするのを見ていて「これこれこれ」と内心絶叫しつつ見ていたのでありました。
 いやー、やっぱりゴモラはかっこええぞう。

11月20日(日)

 今日は「たちよみの会」例会でしたが、みなさんのご参加をお待ちしていたのに誰一人来なかった。しくしく。おりしも京都は行楽シーズン。13時頃から1時間は喫茶店もすいていたけれど、残りの2時間はお客がひっきりなしにやってきて席があくのを待つ人も出てくる。それでも駆け込みで誰か来たらと思い、時間いっぱいまで粘っていたけれど、結局一人で4人分の席をずっと独占するかっこうになる。肩身が狭いというのはこのこと。やっと16時になって席を立ち、支払いをした時の店のマダムの視線の冷たかったこと! 来月は誰か来てね。
 で、帰りに河原町通を歩いていたら、閉店した「丸善」の前を通りかかった。入り口を工事用のフェンスで囲ってある。そのフェンスにはでかでかとカラオケボックスのチェーンのマークとロゴが貼られている。「2006年春開業!」やねんて。うーむ、カラオケボックスかあ。「丸善」のあとにまた俗っぽいのが入ってくるなあ。品のあるあの建物の外壁に「ジャ×ボカラオケ×場」の看板が全面に貼られたりするのかな。私はカラオケは嫌いやないけど、「丸善」のもつ独特の品格が好きやったから、あまりの落差に辛いものを感じるね。
 洋書、専門書、輸入雑貨に高級文房具が揃っていた店が閉まって、そのあとにカラオケボックスが入るか。なんか嫌な時代になったなあ。


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