ぼやき日記


11月21日(月)

 実は土曜日の昼に某新聞社の世論調査の電話がかかってきて、大阪市の市長選挙についていろいろと質問されてそれに答えたのであった。私はこういうのに当たりやすいのか、実は2回目である。こういう経験は生きた教材として授業で使える。例えば「あなたは前回の選挙で誰に投票しましたか」という質問の回答には、「言いたくない」やとか「誰に投票したか忘れた」というような選択肢もある。問いかけてくる担当者の質問はあくまでも感情をこめずわざと棒読みで発せられる。その様子はさっそく今日の授業でも使わせてもろうた。
 その話を同僚にしたら、「身近な人で世論調査に当たったのというのを聞くのは初めてやあ」と喜んではった。そうかあ、自分が当たることもなければ知り合いに当たった人もないというような人もいてるんやなあ。
 今年は選挙の出口調査も当たったし、けっこうついているかも。こういうことに当たるんやなく、宝くじにでもあたってくれるともっと嬉しいんやけれど(ベタなボケですんません)。
 ところで世論調査の電話の直後、またすぐに電話がかかってきた。別な新聞社の世論調査かと勇んで受話器を取ったら、浄水機のセールスでした。「休日の昼間の電話にいちいち出ない!」と妻に叱られた。つまらん期待はするもんやないですな。

11月22日(火)

 寒い。先日から鼻風邪をひいていて、薬をのんで抑えていたんやけれど、今朝起きたらのどが痛み、鼻の調子も昨日までとはまた違う。職場の同僚がのどが痛いとこの前から言うていたので、その風邪がうつったのかもしれん。何よりも関節や筋肉がめりめりいうのがこたえる。
 体調が悪いと仕事にも影響する。気力を振り絞って授業をするんやけれど、おしゃべりをしている生徒を叱っていてもなかなか言うことをきいてくれん時には、元気な時やったら静かになるまで辛抱強く待ったりするんやけれど、ここ数週間は途中で気力が萎えそうになって困る。
 もっとも生徒たちも体調不良で休む生徒が多く、へろへろ教師とくたくた生徒が教室でいっしょになっているということになるか。もっとも、生徒たちは私よりも四半世紀もあとで生まれているわけで、若さが違う。くたくた生徒も休み時間にはけっこう元気を取り戻している。私はというと、休み時間になるとよりへろへろしてしまうんだ。年齢差をこんなに感じたことはない。
 若いというのはそれだけで大きな武器であるなあ。
 明日は祝日で休み。「勤労感謝の日」やから、自分で自分の勤労に感謝し、ゆっくり休んで鋭気を養うことにしたいものです。

11月23日(水)

 今日は1日鋭気を養おうと思うたけれど、結局HDDレコーダーに録画してある番組を朝から晩まで見ていたんで、ゆっくり休むとまではいかなんだ。そやけど、見ていた番組が面白かったから、鋭気は養えたかもしれん。
 よい子のみなさん、テレビを見る時は1日2時間までにしようね。私みたいに12時間以上もテレビを見続けたらあかんよ。ああしんど。

11月24日(木)

 あの変わった苗字ですねえ、姉歯というのは。どこの出身か知らんけれども、地元ではようある苗字なんかなあ。
 実はカツラで、その下はまったく頭髪がないという噂もあったりする。確かに写真を見る限り、不自然な髪型ではある。うさんくさいおっさんである。
 というより、震度5で倒壊するような建物を平気で設計したりするという不届き者であるというのが一番うさんくさいところで。
 不動産屋と建築会社はこの手抜き物件を再建築すべきところやねんけれど、その費用が払えず倒産したら再建築の費用を出せんということになってしまうそうで、そうなることを考えると再建築は出けんことになるらしい。なんと理不尽な。
 他人事やないもんなあ。私たち夫婦の住んでいるマンションかて、入居後あちこちにほころびが見つかったりしてるからな。新築マンションを買う時の怖さはそこやね。事前にチェックでけんからな。実は中古の一戸建てというのも探してたんやけれど、結局欠陥住宅ということがわかったりして断念したんだ。
 それにしても、姉歯とは珍しい苗字や。なんかいわれのある血統なんかなあ。最初新聞で見た時はどう読むんやと思うたよ。これが佐藤、鈴木、田中、山本、中村というような多くある苗字やったら、また人物の印象も違ってくるよな。苗字で損をしてるのか得をしてるのか。

11月25日(金)

 朝青龍の相撲を、今年の初場所の録画と比較して見てみたら、あきらかに力が落ちているのがわかる。初場所は勢いもあり、体もスムーズに動いている。ところが、夏場所あたりから一気に決められんので強引に力づくでたたきつけるような相撲になり、秋場所では相手にがっちりつかまると身動きできなくなってしもうている。そし今日の琴欧州戦ではあの朝青龍がこんなに一方的に負けるとはと思わせる。
 稽古の貯金が尽きてき始めたかな。
 慢心……とまでは言わんけれども、過信している部分はあるはず。
 ああそうか。そういうところが見えてしまうから、朝青龍はあんまり応援したくないと思うのかな。

11月26日(土)

 ボードビリアン「東京コミックショウ」のショパン猪狩さんの訃報に接する。享年76。死因は心不全。
 不思議な芸やった。笛を吹くと台の下から手踊りの蛇が出てきてショパンさんの軽妙な声掛けで遊んだり喧嘩したり。たわいないというたらたわいないんやけど、その間のよさと、最後に奥さんが蛇を手につけたまま台の下から現れるという微笑ましい締めかたが印象に残っている。
 長い間練り上げて舞台にかけた芸やったという。ところがテレビ演芸のブームにのってこれを披露したところ、最初は受けたけれどテレビ局側から「マンネリだから新ネタを」といわれたそうや。ショパンさんは怒ったという。それだけ練り上げられた芸を使い捨て扱いされたことに対して。それやのに、次の日に新ネタをもっていって見せてしまったというエピソードに、つかんだ仕事は離したくないという芸人さんの執念を感じた。
 実のお兄さんはパン猪狩というやはりボードビリアン。蛇のネタもパンさんからもらったものやとか。その芸一筋でお客を喜ばせられたんやから、すごいなあ。大阪にはこういうボードビルを大切にする土壌がないもんなあ。それが寂しいよなあ。
 漫才と一人コントが人気やけれど、こういう地を這うように続けていく偉大な「マンネリ」芸も同時に楽しむような、そんなファンが大阪にもいてるはず。
 後継者はいてなくてもええ。ショパンさんだけの、他に類のない(あほらしくて誰もやらへんけれど、誰にでもできることやない)芸をテレビを通じてでも見ることができてよかったと思う。
 謹んで哀悼の意を表します。

11月27日(日)

 昨日の「ウルトラマンマックス」ではいきなり御大実相寺昭雄監督が登場。ギャグ路線、正統派と続いていたエピソードにいきなり不条理的な映像が飛び込んできたわけで、子どもの視聴者たちはびっくりしたやろうなあ。「理解できるんやろうか?」と私が言うと、妻は「理解でけへんでもええ。種を植えつけられたら」と答えた。全くもってその通り。私らがそうやったように、今の子どもたちにもいろいろな楽しみ方のできる「ウルトラマン」の世界を堪能してもらえたらええのです。
 「ウルトラマンマックス」の面白さは、1話完結やからこそできるバリエーションの広さというところかもしれんな。何話か前に中年ファン落涙のモロボシ・ダンとハヤタの競演があったけれど、次回にはイデ隊員が出演するもよう。ここらあたりのなりふりかまわん製作姿勢が、実は好きやね。
 それにしても、石橋蓮司がウルトラマンに変身したのには驚いた。ウルトラマン史上最高齢の変身者やないやろうか。少子高齢化時代にふさわしいエピソードといえよう。ほんまか?

11月28日(月)

 今晩のアニメ「ブラックジャック」は私が原作でも好きなエピソードである「座頭医師」。サブタイトルはなんでか「噂の座頭医師」。このサブタイトルは映画「座頭市」のもじりなんやから、要らん修飾語をなんでつけるかな。
 鍼師の琵琶丸の声をあてているのがベテラン野沢那智さん。四半世紀前に「マリンエクスプレス」というアニメでブラックジャックの声をあてていたりする。四半世紀たったら琵琶丸ですか。もっとも、野沢さんの声やと琵琶丸がものすごく生臭く俗人に見えてしまうなあ。もう少し枯れた味の人を起用してもよかったんやないか。琵琶丸が急にカマっぽくなるんやないかとはらはらしたぞ(それを期待していたという向きもあるかも)。
 個人的には、最後に出てくる患者の女の子が原作通りメルモちゃんやないのが気に入らなんだのですね。これは手塚さんの遊びで、母親が大人メルモちゃん、娘が子どもメルモちゃんというところにファンをにやりとさせる面白さがあるのです。今日のアニメでは娘は「海のトリトン(原作版ですね、もちろん)」のピピコかな? すぐに全集を開き探ってみたいと思いつつ、面倒臭いのでやめた。ファンの行動としてはぬるいですか。まあ、勘弁して。
 というわけで、私自身が抱いている原作のイメージとは少々違うものになってしもうていた。出来自体はよくもなく悪くもなくというところやったんやけど。まあ、アニメ「ブラックジャック」の場合は外れが多いから、この水準ならよしとするしかないか。偉そうなことを言うておるな、我ながら。ま、ファンというのは傲慢なものなのです。

11月29日(火)

 昨日の日記で「四半世紀」と書くべきところを「半世紀」と書いてしまい、掲示板でご指摘を受けました。大ボケかましております。訂正しておきました。半世紀前やったら、私はまだ生まれてもおらなんだし、テレビそのものがそんなに普及していたわけでもないわな。ほんまに大ボケじゃ。

 今日は夜に「虚航船団パラメトリックオーケストラ」の公演を見にいった。今回の芝居は「通天閣の下」というタイトルで、前回同様3人の作者によるオムニバス形式やった。
 第一部は北野勇作さんによる「通天閣の下に全員集合!」。社長からのメールで深夜に通天閣の下に集合した小さな会社の社員たち。彼らはなぜ自分たちがそこに呼び出されたかわからない。お互いに日頃の悪行を暴露しあいながらその理由を考えるが、結論は出ない。混乱したところに登場した見知らぬ男の正体は……、という話。ほとんどセリフのやりとりで進行するあたり、やっぱり小説風という感じかな。わけのわからん会社で社員たちが何の仕事をしているかわからんのに毎日働いているという設定が北野さんらしいな。
 第二部は秋山シュン太郎さんの「通天閣の下はバリバリ大阪」。愛媛、長崎、東京からそれぞれやってきて大阪で働こうとしている人たちに、大阪そのものを体験してもらおうというツアーがあり、レクチャーする先生まで同行している。ノリツッコミなどを伝授された人々は、小学生相手に実践しようとするが、かえってダメ出しをされる始末。勢いに乗った子どもたちはツアーコンダクターや先生にまでボケるお題を出し始め……、という話。どこまでが台本通りでどこからがアドリブなのかわからんので、明日の楽日に見に行く人もいるやろうから、あんまりくわしくは書かんけれど、北野勇作さんの扮する「先生」が高石黒白さんの小学生にツッコマれまくっているのがバカ受け。さすが座付き作者だけあって、役者が遊べる自在な台本やなあと感じる。
 第三部は吉村シュークリームさんの「ロード・トゥ・ヘブンの下」。2150年の学生サトルが卒業レポートを書くために過去にタイムトラベルし、第一部の社員たちや終戦まぎわの新世界にやってきてそこにいる人々とかかわっていく……、という話。ファンタスティックな線を狙っていて、人と人とのかかわりあいが細やかに描かれている。のはええんやけれど、細部の時代考証に明らかな間違いがあって、そこが気になるとお芝居に集中し切れないというところがちょっと辛かった。
 短いお芝居3本で、しかも前回同様客演も多く、いくぶん芝居がこなれてへんなあという感じがした。初日やから仕方ない部分もあるかな。明日の楽日にはもう少しスムーズな演技になっているやろうから、明日見に行くという方はお楽しみに。北野さんは3本とも出ずっぱりの熱演。ハネたあと、ロビーで挨拶したけれど、かなりきつそうやった。特に第二部で高石さんにかなりいじられてたからなあ。
 ロビーで秋山シュン太郎さんの戯曲小説『コットン少年探偵団』を購入。サインをしていただく。私の名前を覚えてくれたはったのが嬉しかった。
 というわけで、今回も楽しませていただきました。平日のソワレやから、明日の仕事に備えて気持ちを切り替えるのが大変かも。

11月30日(水)

 広島の女児殺害事件の容疑者として日系ペルー人の出稼ぎ労働者が逮捕された。なんでも状況証拠からその人物が怪しいとしてその行き先を探していたようや。新聞記事を読んでいると、確かに状況証拠はこの容疑者を指し示すようやけれど、記事を読み進むうちにいらいらしてきた。状況証拠のことやらこ人物の紹介やらはくわしく書いてあるのに、物的証拠と動機についてはほとんど何も書いてないのに等しいんやね。
 特に動機は「性的ないたずらをしようとして家に連れ込んだ」とだけしか書かれてへん。そんな風に1行で片づけてええんかなあ。警察の発表をとりあえずそのまま報道しているだけという気がする。
 警察が予断で逮捕している可能性もあるかもしれんのに、こういう報道のしかたでええんかしらん。私にはくわしいことはもちろんわからんけれど、新聞の報道を読む限りではこの容疑者が犯人であると断定するのはまだ早いように思われてならんのやけれど。
 今後の報道を待ちたいと思う。とにかく殺害動機が弱すぎませんかねえ。どうやろう。


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