ぼやき日記


1月11日(水)

 父方の伯父の訃報に接する。種々の事情で通夜や葬儀の日程がわからない。仕事の都合上、通夜にしか参列でけんかもしれん。暦を見たら土曜日が友引なんで、葬儀が日曜になる可能性もある。そうなった場合、「たちよみの会」の今月の例会は中止にせざるを得んなあ。今年はできたら2年ぶりに新年会もしたいと思うているんやけれど、告別式のあとも甥である私は残っておいた方がよかろうし。まあ、その件については日程がはっきりしたらここに書きます。
 もうかなりの高齢やったから、とうとうその日が来たかという思いしか、今のところはわいてこない。遺体にごあいさつをするまでは実感がわかんやろう。ここ数年会うてなんだこともあるし。
 身内のことなんで、くわしいことをここに書いても仕方ないからこのくらいにしておきます。いやほんまにまだ実感がわかんのですわ。お家に遊びに行ったら「おー、哲ちゃん」と出迎えてくれそうな気がして。

1月12日(木)

 本日、伯父の通夜が行われた。仕事を早びけして喪服に着替え、京都と大阪を往復。明日の葬儀には参列でけへんので、心をこめて手を合わせてきた。

1月13日(金)

 先日、大相撲の中継をビデオで見ていたら、「新十両紹介・猛虎浪」というタイトルでインタビューをしていた。真新しい化粧まわしがインタビュールームに飾られてるんやけれど、その柄が阪神タイガースのペットマークそっくりなんで驚いた。よくよくみると顔の向きが違うのとヒゲがないのと縞模様がいくぶん違う。そやけど、ぱっと見にはどうしてもタイガースのマーク。よく似た偽物ですわ。昔、駄菓子屋で耳の生えたドラえもんやら顔の間延びしたフェリックスの包み紙のお菓子があったけれど、あれよりひどい。そらもうそっくりやねんもん。妻といっしょに「これはあかんで」と言い合うていた。
 昔、武蔵川部屋の武哲山関が大のタイガースファンで、後援者がタイガースのペットマークを刺繍した化粧まわしを贈ったと話題になったことがあった。これはちゃんと阪神タイガースに許可を得ていたはずや。今回のケースはそうやないからね。
 で、今朝「スポーツニッポン」を職場で読んでいたら、「猛虎浪に物言い」という見出しとくだんの化粧まわしの写真が大きく載っていた。やっぱりな。阪神球団が立浪部屋に「著作権の侵害」と抗議したんやという。立浪親方(元・旭豊)は「顔の向きが違うし両目が入ってるから別物」とコメントしてる。あのね、「タイガース創立70周年」のペットマークの虎の顔は、従来のものの顔の向きを変えて両目が見えてるデザインやの。そっちのマークからそのままパクったと言われたら、今度は「ヒゲがない」「縞模様が違う」と強弁するんかな。
 別に阪神球団かて筋を通したら許可は出すやろう。あきらかにタイガースのマークに一部手を加えただけで、遠目から見たら知らん人は阪神球団から贈られた化粧まわしかなと思うようなものを締めさせる神経がわからん。阪神球団は著作権の侵害で訴えることも考えてるみたいやから、立浪親方はそんなことにならんうちにちゃんと球団の許可を得て正式なマークと同じ顔に直したらどないだ。
 長年のタイガースファンとして、そして相撲ファンとして、こういうことで両者がもめるのを見とうないんだ、私は。

1月14日(土)

 昨日書いた化粧まわしの件やけれども、今朝の「日刊スポーツ」ではタイガースの球団社長は「静観する」と言うていると書かれていた。「スポーツニッポン」と報道の温度差があるなあ。どっちが正しいんやろ。

 今日の「ウルトラマンマックス」では冒頭でナレーターの佐野史郎さんが「この30分間、あなたの目はあなたの体を離れて……」というあの「ウルトラQ」の有名なナレーションをやったと思うたら、佐原健二、西条康雄、桜井浩子と「ウルトラQ」の主役トリオの名前がタイトルでクレジットされ、しかも番組の中で「ウルトラQ」の撮影シーンが再現され……、と、完全に「ウルトラQ」のオマージュになっていた。いやびっくり。どうせなら番組自体も今週だけは「ウルトラQマックス」としたらどないだ、というくらい。
 よい子のみなさんはもちろん、その親御さんたちにもわからんネタやないのかね。明らかに40代後半以上をターゲットにしているな。また、登場する怪獣「ゲロンガ」も頭でかいは背中に洗濯板みたいなひだひだはついているは火は吐くはとむやみにレトロ調やし。
 そして、ラストシーンにかぶってあらわれる「終」の文字! まんま「ウルトラQ」やん。いやあ、「ウルトラQ」の主役三人組がそろって談笑しているラストは同窓会ですな。
 それにしても、新たに撮影された「ウルトラQ」の製作シーンなんか、警官の制服からスタッフのもちものまで、1960年代をみごとに再現していて驚かされた。それぞれの役を演じている若い役者さんも、おおむね元のキャストの雰囲気に似た人を起用しているしね。
 ここまで徹底してやられたら、もう文句はございません。好きなだけやって下さいというほかない。ラストの「終」マークを見てたら、私は胸がいっぱいになって泣けてきたぞ。年をとったんやなあ。実感したね。

1月16日(月)

 昨日は「たちよみの会」の新年会。アンサンブルの湯川光之さん、漫画家のおがわさとしさん、京大SF研からも4名、そして古参会員のY氏も久々に来てくれて、盛会となりました。ここ2ヶ月、ひとり寂しく喫茶店で黙々と本を読んでいたことを思うと、嬉しい限り。
 居酒屋で、カキフライとスペアリブの空揚を注文した。「スペアリブ空揚です」と店のお姉さんが持ってきてくれた「空揚」を食したおがわさん、「これ、カキフライだよ」。「ということは、スペアリブを『カキフライです』と言って持ってくるんじゃないですか」。「これはきっと他のものにも法則性があるんだよ」。「メニューに乱数表がついていて、それで確認するとか」。「ということは毎日変わるんですね」。ただ言い間違えただけでここまで言われるか、お姉さん。ちなみにスペアリブを持ってきたお兄さんは「スペアリブ空揚です」と正しい商品名を言うていた。
 また、「百億の昼と千億の夜」というお酒があるという話題から、酒の名にふさわしいSF小説のタイトルを出し合ったりもした。神林長平さんの作品は、お酒の名にあうタイトルが多いことを発見。「清酒『日本沈没』とか」。「清酒『傀儡后』」、「わ、それは悪酔いしそう」。「清酒『ベルゼブブ』」、「それだけは飲みたくない!」。こんな具合です。
 その他、京大SF研新入生勧誘のチラシのネタを考えたりなど、飲んでしゃべってとても楽しい新年会でした。バカ話を酒肴に飲む酒のうまさよ。
 ところで京大SF研のTさんは、「白雪姫」というカクテル(リンゴ酒がベースというが、白雪姫のリンゴは毒リンゴやないですか)の肴にカボチャのチーズケーキを頼んでいた。甘いカクテルにはケーキがあうのかもしれんが、カボチャであれば「シンデレラ」というカクテルの方が合いそうに思う。そんなカクテルはありませんでしたが。

1月17日(火)

 今年も震災の日がめぐってきた。あれから11年、私は何をしてきたかと内心忸怩たる思いを抱くのであるけど。
 それにしても、この日に耐震偽装建築を発注したヒューザーの小嶋社長が国会の証人喚問に呼ばれるとは、皮肉なもんやね。震災で亡くなった人、生き残った人のことなんか、この人物の心のどこにも存在せんのやろうな。地震を経験してへんでもええ、あの日、全国に流れた衝撃的な映像を、この人物は目にすることがなかったんやろうか。いや、目にしていたとしても、自分には関係のない世界のことと思うていたんやろう。
 震災から11年、この人物や関係者たちのやったことが、記憶が風化してしもうてるという事実を、私らに突きつけたんかもしれん。
 そやからこそ、この日だけは毎年日記に書き続ける。1995年1月17日のことを思い出しながら。

 加藤芳郎さんの訃報に接する。享年80。死因は呼吸不全。胃ガンで入院したりもしていたという。
 私にはNHKテレビ「連想ゲーム」のキャプテンとしての記憶が強い。漫画家が本業とは知らなんだと思う。言葉当てをする番組なんやけれど、思いがけない言葉を選んでヒントを出すことが印象に残っている。そういう発想の面白さと豊かな表情が、タレントとして起用された理由やったんやろうな。本業の漫画では「週刊朝日」に昔掲載されていた「オレはオバケだぞ」が印象に残っている。デフォルメされたタッチながら飄々とした味わいの絵が、テレビで見た加藤さんの印象とだぶっていた。ただ、内容はけっこうシニカルでナンセンスなものやったという記憶がある。大人向けのコマ漫画の面白さがわからなんだ私でも、加藤さんの描くナンセンスには面白さを感じていたと思う。こういうタイプのコマ漫画の作者はこれからは出てこんのやないやろうか。いわゆる「漫画讀本」系列の漫画を育てていく土壌が、現在はなくなってしもうてるということやないかな。
 謹んで哀悼の意を表します。

1月18日(水)

 なんとなく隊長が悪く、探検中に迷うてしもうた。
 失礼、やりなおし。なんとなく体調が悪く、朝起きるのも億劫やし、授業を終えたあとの疲労感も大きいし、舌先に口内炎ができかかっていて痛い。
 生徒も欠席したり早退したりという者が必ず何人かいる。
 相撲を見ていたら、昨日今日と横綱朝青龍の動きが悪く、なんかいかにもだるそうや。あれは風邪をひいているんやないかな。さすがは横綱でそこは技術でカバーしているからなんとか勝ちにもってはいっているけれど、調子のあがってきた琴欧州や白鵬、下半身の安定している栃東あたりにかかると今日のような状態やと勝つのは難しいのやないかと思われる。優勝争いからもし脱落したら、がたがたっといってしまうかもしれんという危うさがある。今は気力でつないでいるというふうに見える。
 横綱と同じにしたらあかんかもしれんけど、私も来週末まではなんとか気力で乗り切りたい。いよいよ3年生の授業が来週末で終ってしまうというところまできているからね。
 それにしても口内炎が痛いなあ。痛いのに、わざと舌先の口内炎のできているところを歯に当ててこすってみたりしてしまう。いや別にマゾっ気があるわけやないんですよ。痛いのには弱いし。たぶんそれだけ気になっているんやろうね。あかんと言われると、わかっていても逆にそのあかんことをしてしまう心理、ですかな。

1月19日(木)

 帰宅したら安心したんか体を動かしたくなくなり、床に寝転んでごろごろ。相撲をビデオで見ながら体温をはかったら、微熱がある。37度というのは微妙な線でね。これ以上あがるとほんまに休んだ方がええし、これより低いとまだなんとかなる。気が張ってたら動けるけれど、気がゆるんだらどっときそう。土日は休みたいところやねんけれど、演劇部の付き添いで2日とも出勤の予定です。悪化しないように重ね着をしていこう。

 わざわざ阪神大震災の追悼の日にヒューザー小嶋社長の証人喚問を組んだのにも意図はありそうやし、その日に検察を動かしてライブドア堀江社長を事情聴取させたのにも意図はあったやろうという気がする。いかにも政治家らしい動きで、実際、新聞などのトップ記事は小嶋社長やなく堀江社長に注目が集まった。
 ただ、自民党幹部の想定外やったのは、堀江社長の事情聴取だけで株式市場が大揺れになったことやろうな。今朝の新聞では小泉首相も谷垣財務相も「景気は本物」を連呼している。海外の為替市場にまで波及するとは思うてもみなんだやろう。大量の「狼狽売り」で東京証券取引所は昨日途中で売買停止になったというしね。そこらあたりの底の浅さに場当たり的なものを感じてしまう。
 震災の被害者のことに国民の目が向くのは困りますか。
 小嶋社長の証言で政治家や建設省の責任が問われるのは困りますか。
 堀江社長なら生け贄の羊としてはうってつけですか。
 その人物を昨年の総選挙で推薦したりしたのはどの党やったか忘れたんですか。
 株価全体は持ち直しつつあるらしい。バブル崩壊みたいにはいかんやろうとは思う。ただ、堀江社長の事情聴取でこんなに大荒れになるということは、ほんまもんの景気回復とはいわれんかったんかな。経済の専門家やないから、そこらあたりは私にはわからんし、事実誤認もあるかもしれんが、はっきりといえるのは、自民党の幹部たちはアホが揃うているということやね。しょうもないせこいマネで醜態をさらけ出した。
 誰や、去年の選挙でこんな政党に大勝利をおさめさせたんは!

1月20日(金)

 朝、出かける前に体温をはかったら37.6度……。時期が時期だけに休むもならず、売薬でしのぐことにして出勤。でっかいマスクをはめて6時間授業。受験直前の生徒もいてるので、うつしたりしたら大変やしね。
 ある生徒が「先生、インフルエンザ!?」ときく。「帰りに医者に行って確かめるねん」。「それやったら遅いって!」てな会話をする。授業が終ると早退して医者によって帰る。待ち合い室で体温をはかったら36.2度にまで下がっていた。薬が効いたかな。もっとも、のどはいがらっぽいし咳は出るし、治ったわけやなかろう。薬を処方してもらい、夕食後に飲んだ。
 朝青龍も体調がよくないみたいで集中力が切れたか2連敗。ここからの逆転優勝は難しかろう。そう、気力が切れるとがたがたといくんです。今のところ私は気力でもちこたえてるから、その間になんとか風邪は治しておかねばね。土日と自宅で療養していれば治りも早いんやろうけれど。ううむ、交代要員がいないのが辛い。


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