ぼやき日記


1月1日(日)

 今日は京都の実家に日帰り帰省。親兄弟が揃っておせち料理をつつきながら歓談する。
 ひとあたり食べ終り、久しぶりに百人一首のカルタをすることになった。何年ぶりかなあ。けっこう大きくなるまで毎年親戚が集まった席でカルタ取りをしてたから、当時はかなりの上の句と下の句を覚えていた。久しぶりにやってみて感じたことやけれど、人間の脳というものは、記憶しているものを引き出す回路があるんやと思うね。で、昔は上の句が読まれたらその回路がすっと記憶を引き出して下の句を瞬時に思い出させ、同時に目で場にまかれたカルタを視野にいれてその下の句と同じ札を探し、見つけたら手先に命令してさっとその札を取ったりしていた。「これやこの……」ばしっ!「ハイッ」、というようなタイミングです。
 今日はその回路の接触が錆ついていて、確かに読まれる和歌を覚えてはいるんやけれど、読み手のリズムと同じスピードで記憶が引き出されてくるもんやから、読み手が下の句を読み始めたところでやっと思い出すというような具合になっていた。当然、それから場の札を探すわけで、これでは思うように札を取られへん。
 人間、頭を使い続けなあかんというのを実感させられました。

 というわけで、今年もこんな調子でやっていきます。引き続きのおつきあいをよろしくお願いいたします。

1月2日(月)

 今日はいろいろな意味で注目していたテレビドラマスペシャル「里見八犬伝」を見る。ほぼリアルタイムで見ていたけれど、この日記を書くために中断し、犬塚信乃たちが大塚村に浜路を迎えに行くところまでであるけど。録画しているので、残りは明日の朝に見よう。
 脚本はかなり苦労しつつもなかなかうまくあの長大な物語をダイジェストしているなあという印象やね。役者を今どきの人気者を集めてかなり華やかにしている。原作では浜路の死や犬田小文吾の妹とその亭主の山林房八の壮絶な最期など血なまぐさい場面がかなりあるんやけれど、浜路を綾瀬はるかに演じさせている関係か、(人形劇と同じく)生き延びさせている。
 ただ、時間の関係上か知らんけど、伏姫編の部分をかなり短くしているから、なんで里見家ゆかりの八犬士が「犬」なのかという因縁が非常に弱くなっているんやね。ここらはもう少しちゃんと描いておかんと、あとの展開がわかりにくくなるところだけに、なあ。なにしろ犬の八房と夫婦になって富山に入るというシチュエーションを大胆にもばっさりカットしてるんやもん。ここを書き込むと八犬士集合編に時間を割かれへんというのがあるんやろう。そやけど、八房にまたがる伏姫というのに意味があるんやから、やっぱり八房を一切出さんというのは、私にはもの足りんところです。
 ドラマとしては過不足ない感じ。特別面白くもないかわりに目もあてられんというほどでもなし、かな。全部見てからやないと評価し難い部分はあるけれど。菅野美穂の玉梓は期待したほど魔性の女という感じになってないのが残念やった。犬塚信乃のタッキーは、アクションがでけへんのを「義経」で知ってしもうたせいもあって……まあ主人公やから華があるということでええか。
 もっとも明日は「新選組!」の続編と「古畑任三郎スペシャル」を録画するんで、「八犬伝」はリアルタイムで見な仕方ないんですけどね。まあ、続きはみてみようかなと思わせるだけでよしとしよう(←偉そうに)。やっぱりせめて毎週1時間の半年ものくらいにせんと、「八犬伝」はそうええもんはでけんとは思うね。

1月3日(火)

 というわけで、「里見八犬伝」の後編を見ましたが、やはりむりやり2回におさめるのは至難の技やったと見えて、原作の持つ精緻なつくりが見るも無惨なものに成り果ててしまっておりました。予想はでけたことやけどね。役者がまともに殺陣がでけてへんのが実に気になった。まあ、かつて深作監督の「里見八犬伝」で犬塚信乃を演じた京本政樹が悪役になって滝沢くんの信乃と渡り合うなんていうところは個人的にはおもろかったけど。「深作八犬伝」も今一つやったしなあ。市川崑監督あたりが様式美を徹底した「八犬伝」を作ってくれんもんかね。

 妻が実家に日帰り帰省をしたんで、私一人でだらだらすごす。年末に録画した「ゴジラFINAL WARS」を途中まで見て、あまりにあまりなものなんで最後まで見ることができず。ミュータントを集めたM機関てなんでんねん。最後やからというんで過去のゴジラ映画の切り貼りをしているような構成なんやけど、悪いところもみんな切り貼りしてるから(X星人が出てきたのには閉口した)、よけいに安っぽさが目立ったな。最後まで見ないとまともな批判はでけんけど、こんなんで打ち止めにするんやったら、もう1作金子修介監督と樋口真嗣特技監督のペアで撮り直したらどないだ。
 口直しに新海誠監督の長編アニメを見たら、こちらはそのきめ細かで静謐な演出に感服。これをほとんど一人で作っているというんやから、すごい力量やなあ。
 要は時代劇にしても特撮にしても、きちっとものを作れる監督や脚本家を映画会社やテレビ局が育ててこなんだんやということを実感させられた。まだアニメには人がいてる方やと思う。

1月4日(水)

 なんか毎日テレビドラマの話題ばっかりで申し訳ないけど、いかに私がテレビ漬けになっているか(ビデオ漬け?)がわかるな。
 昨日録画した「新選組!!土方歳三最期の一日」を見る。ドラマの最初から最終回みたいな展開に驚かされたけれど、これは一昨年の大河ドラマ「新選組!」の続編で、副主人公の土方歳三を主人公にした完結編なんやから、当然というたら当然やね。
 夫婦して受けたのは、箱館にたてこもる土方(山本耕史)が箱館奉行の永井(佐藤B作)から降伏するという決定を聞かされたところ。薩長と戦わずして頭を下げるということについて土方が「近藤さんに何といってわびればいいんだ!」と言うと、それに対し永井が「ごめんなさい、とあやまればいいんだ」と真面目くさって答える。こういう台詞を書かせたら三谷幸喜という脚本家は実にうまいなあ。シリアスなシーンでこういう台詞を役者に言わせるというセンスに感服した。
 主人公格の役者が3人、長いカット割りできっちり芝居をするのも見ごたえがあった。土方役の山本耕史、榎本武揚役の片岡愛之助、大鳥圭介役の吹越満、3人はそれぞれミュージカル、歌舞伎、小劇団と場所は違えどみんな舞台の上で勝負してる人らやから、脚本家も演出家もこういうことがでけたんやと思う。昨日、細かいカットをきざみまくった「里見八犬伝」を見たところやから、その違いがはっきりする。主役というのは、その役になりきれるほんまもんの役者やないとあかんということやね。義経をしても信乃をしても全く同じ芝居という……いや、それはいうても仕方ないことやけどね。
 というわけで、「新選組!!」はとても面白かった。NHKのことやからきっと再放送を土曜か日曜の昼にでもやるんやろうな。見てない方にはおすすめ。大河ドラマを見てなくても十分楽しめます。
 ところで榎本武揚の役は、大河ドラマ「新選組!」ではSMAPの草なぎ剛(なぎの字がJISにはない!)が演じていたけれど、そのままの配役でやったらこういう芝居にはならなんだやろうな。上方歌舞伎の若手ホープ、片岡愛之助を抜擢したキャスティングの勝利やろうね。売れっ子を総花的に並べれんと視聴率が取れんという事情のある民放にはちょっとでけん配役やな。

1月5日(木)

 今日もテレビの話を書こうと、昨日の深夜に録画した新番組「ファースケープ」を見たんですけどね。アメリカのスペオペドラマなんやけど、アメリカではこのドラマは大人向けなんか子ども向けなんかどっちなんやろ。SFっぽく見えるけど、SFになってへんとこがなんとも。とりあえず第1話は見てみたけど、来週からはどうするか。ちょっと悩むところですね。

 というわけで、年次休暇を取って引き延ばした正月休みも本日でおしまい。いやー、この年末年始はほんまにテレビを見まくったなあ。「宮廷女官チャングムの誓い」に「チェオクの剣」といった韓国時代劇、「ノエイン」や「BLOOD+」といったアニメ、「ウルトラマンマックス」に「セイザーX」といった特撮、「ウィーン・フィル・ニューイヤー・コンサート」といった音楽番組、「里見八犬伝」に「新選組!!」といった正月時代劇と、ビデオに録画してあってたまってたものから新たに録画したものリアルタイムで見たものと、何十時間分見たのやら。それでいて「紅白歌合戦」「芸能人かくし芸大会」といった定番は一切見ておらんのやからな。それでもHDDレコーダーの録画済の容量がなかなか減らないのはなぜでしょう。それは「いかレスラー」やの「古畑任三郎」やのと次から次へと録画するからです。明日あたりからテレビの番組編成も通常に戻り落ち着いてくるかと思うけど、アニメの新番組もどんどん始まるからなあ。いやいや、今年は昨年落ちた読書量を挽回したるんやから、テレビごときに負けてらるか。というわけで、今日は文庫上下巻一気読みを敢行した。
 明日から仕事再開やけど、土曜からまた連休になるから、読みそこねていた昨年の話題作などに着手しようかな。あ、日曜から大相撲初場所が始まるやんか。うーむ。

1月6日(金)

 遅まきながら仕事始め。というても、生徒たちはまだ冬休みですわ。今日は会議のみ。家に持って帰っているノートパソコンを職場に持っていくのを忘れたため、会議のあとの仕事は思うようにはかどらなんだのは、ちょっとした誤算ではあったけれど。せめてメモリスティックだけでも持っていったらちょっとは違うたのになあ。職場のパソコンを使用して文書作成などをするけれど、雛形はメモリスティックの中なもんで、一から文書を作らんならんのは面倒やったなあ。
 今度の月曜、成人の日にはクラブ活動の付き添いで休日出勤する予定なんで、その時には絶対に忘れたらあかんな。もっとも、校舎と教室の鍵を開けてからいったん家に取りに帰ることは可能やけれどね。職場と自宅がわりと近いんで、それはありがたい。
 たいしたことはしてへんのに、けっこう疲れた。それだけ年末年始はだらだら過ごしていたということなんかな。連休明けから本格的に仕事が始まる。生徒の顔を見たら、自然に気が引き締まるやろうから、それほど心配はしてへんのやけれど。それよりも、3年生の授業はあと3週間ほどで終るから、残された少しの時間を大切にしたいものです。

1月7日(土)

 あー寒かった。今日は用事で京都まで行ったんやけれど、大阪ではやんでいた粉雪が、京都ではまだ強く降っていた。雪が降っているというのを見るだけで視覚的に寒さを強調させられるもんな。北国では常にない大雪やそうで、屋根の雪下ろしなんか大変なんやろうなあ。ずいぶん前に冬の宮津に行って蟹料理をたらふく食べたことがあったけど、こんなに降るんやと驚かされた。私の体験などこの程度で、北国の雪の実感に乏しいんですわ。丹波亀岡の中学校で講師をしていた時には雪のせいでバスが延着して出勤するのに時間がかかったことが何度もあったなあ。それでも屋根の雪下ろしを毎日するというほどやなかったからね。
 2つ使っているうち、担任クラスの生徒との連絡用の携帯電話が、いくら充電してもすぐに電池切れになる。出先の京都の最寄駅前にその携帯の専門ショップがあったので、電池を外して「これと同じやつの在庫ありませんか」と尋ねてみた。電池の型番だけではわからんらしく、携帯電話の機種も尋ねられたので見せると、在庫切れということが判明した。取り寄せになるといわれたけれど、家の近所にも同じ会社の専門ショップがあるんで、そちらでききますというて辞去する。駅のホームで携帯電話に電池をはめてスイッチを入れるとあら不思議、先程まで電池のマークの数が2つやったのが3つになっている。なんのことはない、ホコリがたまってて接触不良になっていただけやったんやね。こちらは4月になったら解約する予定やから、無駄な出費をせんですんだわい。もし近所の店に先にいってたら、取り寄せをお願いしてるところやった。いやあ、出費を防げたと喜んでいたら、梅田に着いて旭屋書店の近くにとめておいたスクーターに駐車違反の黄色いタグがついていた。警察に行ったら「反則金9千円です」。なんやかんやでやっぱり出費は防がれなんだのでありました。しくしく。

1月8日(日)

 宮城の乳児連れ去り事件は、実は誘拐事件やったのですね。続報が入ってこなんだからどうなってんのかなあと思うてたけど、報道機関が自粛体勢に入ってたというわけか。
 それにしても、赤ちゃんが生きて戻ってよかった。これは営利誘拐やから命が助かったということになるかな。あまりいい表現やないかもしれんけど、そういう意味では古典的な誘拐事件でよかったといえるかもしれんなあ。
 問題は身代金の請求相手が病院の院長になっていたということかもしれん。もし金銭のみが目的やなく、私怨がからんでいたとしたら、そんな怨みをもたれるような危険性のある病院で出産するのは怖いという風評がたち、じわじわと病院に対する打撃を与えていくことにもなろう。そうなると犯人(と思われている)夫婦は身代金の受け取りには失敗したとしても目的は果たしたということになる。
 真相はどうかわからんけれども、無力な乳児を誘拐したというところは許せんな。さらってからどう世話をしていたかしれんけれど、全国的に寒波が押し寄せているこの冬やから、この乳児が体力を低下させて病気になる可能性は高かったんやないやろうか。下手したら命を失うようなことにもなっていたかもしれん。
 ほんまに生きててよかった。それだけは救いやったと思う。

1月9日(月)

 昨日の日記の誘拐犯は純粋に身代金目当てやったらしい。営利誘拐ほど成功率が低く逮捕率の高い犯罪はないと思うけれど、よほど切羽詰まってたみたいやな。帰ってきた赤ちゃんは体重が増えていたそうな。大切に扱うてもろてたんかな。たぶん大きな犯罪のできる人たちやなかったんやろうな。

 今日は部活動の付き添いで休日出勤。帰ってから録画しておいた相撲を見て、続けてやはり録画しておいた「第27回ABCお笑い新人グランプリ」を見る。デビュー5年未満の若手ばっかりやから、決勝に残ったメンバーも言葉は悪いけど玉石混交という大会です。
 今年決勝に残ったメンバーを見たら、とろサーモンが最優秀賞候補やなあと思うていたが、やはり予想通り最優秀賞。新人コンテストなんで、初めてみる顔ぶれもある。そんな中で今後に期待できそうなのは、不思議な間と鋭くないツッコミが個性的なスーパーZ、兄妹漫才という珍しいパターンで正統派のしゃべくり漫才タイプのビタミンS、友近と路線はいっしょやけれどもより感覚派という感じのいがわゆり蚊あたりか。
 優秀賞獲得のにのうらごは、3人漫才の役割分担がまだこなれてへん感じがしたし、女性コントの天然もろこしについては正直どこが面白いのかさっぱりわからなんだ。今回のコンテストでは審査員と見解が一致したのはとろサーモンの最優秀賞だけやったなあ。
 さて、とろサーモンがどこまで今後のびていくか。まずは新ネタをどんどんかけることやろうね。去年の「MBS新世紀漫才アワード」とほとんどネタが変わってないのが気になるところなんですわ。
 ゲストで一番笑うたのはやっぱりフットボールアワー。何がなんでも笑いを取ろうという迫力が感じられたのは安田大サーカス。アジアンが元気な姿で登場してくれたのが嬉しかった。

1月10日(火)

 今日から授業開始。私は担任クラスのホームルームのみやったけれど、やっぱり大勢の前で声を出すというのは疲れるもんやなあとつくづく感じる。明日からは本格的に授業。生徒に「残りわずかな高校生活をええもんにしてほしい」と言うたけど、それは自分自身にもいえることで、「時間を共有する」ということの大切さを味わいつつ残り2週間半を過ごしていきたいものです。

 昨日の深夜に録画したアニメ「落語天使ゆい」を見てげっそりした。わざわざ本人役に桂歌丸師匠を起用したりしているというのに、落語に対する愛情なんかかけらも伝わってこない。「協力 落語芸術協会」というクレジットが泣くぞ。2回目からは見ません。落語が好きで歌丸師匠に弟子入り志願をする高校生の女の子が主役みたいやけれど、そういう子を主役にすえる意味がないぞ。江戸の町に妖魔が出現して、それと戦う落語家が出てくるという、いったいなんやねんという設定ですわ。その江戸と現代の東京がリンクしてくるということみたいですけどね。別に落語家やなかったってかまへんやん、これやったら。
 なんというのか、歌丸師匠のポスターを部屋に貼っているきゃーきゃー言うてる女の子というシーンは、落語の好きな変な女の子と馬鹿にしているみたいな気までしてきた。まあ、不快になるというよりは、とらえ方の違いやとすぐ割り切ったけど。
 原作付きみたいやけれど、原作の漫画はおもろいんかね。読んだことのある人は教えて下さい。私は読みたいという気にはならんので。


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