ぼやき日記


7月12日(水)

 昨日は甲子園のライトスタンドに陣取り、昨年の最終戦以来となる勝利の六甲颪を歌って気分よく帰る。とはいうても、試合自体は打線がつながらなんでピッチャーに頼るというおなじみのパターンで、なんかすかっとせなんだなあ。まあ、今年3度目の甲子園で初勝利ということでよしとしましょう。

 今朝の新聞によると、著作権法改定の狭間をぬうようにして発売された廉価版の映画DVDは違法にはあたらないという判決が出ていた。法律の解釈としてはそれでええんやろうけれど、消費者としては、価格が安いのは魅力としても、ファンとしては、画質や音質に問題があったり、マスターフィルムからおこしてないためにカットされていたりするものが流通するのは決してええことやないと思うたりしている。
 DVDは高い。そやけれど、画質もよく劣化もしないものを手元においておきたいという欲求があるから買うわけで、ただ見るだけやったらテレビで放送されたものを録画してDVDに焼くことができるわけやから、それで十分やろう。私の場合は、わざわざ店で売っているものを買うんやったら、やっぱり高画質で高音質のものを買いたい。正規のルートで発売されている映画やドラマのDVDもかなり安くなっていることやしね。現に私の持っている「2001年宇宙の旅」のDVDは1500円くらいの正規版(ただし、吹き替えなし)やもんな。
 判決をどうとらえるかは、それぞれの価値観に任せるしかないけれど、製作者の立場やと、画質が悪い非正規ルートの廉価版が普及するのは堪え難いことかもしれんと思うんだ。

7月13日(木)

 気温が体温を超える真夏日でありました。お昼前、仕事の用事で森ノ宮まで出張してたんやけれど、直射日光にあたるともう体が焦げるかと思うたね。汗はだぐだぐかくし、たまらんようになってコンビニに入って水分補給しましたよ。梅雨は明けたんかなあ。今年の梅雨は空梅雨やったなあ。くうう、明日も暑くなりそう。

 甲斐智枝美さんの訃報に接したんやけれど、私と同い年の元アイドルがこんなに早くで亡くなってしまうというのは、80年代アイドルおたくであった私としてはなんというてええかわからん重さがある。甲斐智枝美さんがどういうアイドルやったか、とか、役者に転向してどうやったかということについて、蘊蓄たれることはできる。できるけど、そんな気分になれん。
 20年以上前、大阪朝日放送の「おはよう朝日です」にゲスト出演して、番組のディレクターたちといっしょに「ドリフの早口ことば」を歌っていた時、ものすごく楽しそうにしていた。あまりにも無邪気な笑顔やったことが印象に残っている。アイドルには向いてない、普通の子なんかなあと、その時感じたのがついこの前のことみたいや。
 謹んで哀悼の意を表します。

7月14日(金)

 仕事帰りに旭屋書店に寄り、予約しておいたDVD「探偵!ナイトスクープ」を受け取る。そして2階の文庫・新書のコーナーで新刊チェック。と、映画・テレビ関係のコーナーで「別冊宝島 刑事コロンボ完全捜査記録」というムックを見つけ、ぱらぱらとページをめくったら止まらない。ええい、買う! 買うて家で読む!
 帰宅し、録画しているプロ野球を追っかけ再生して見ながら、ムックに手を出すけれど、しばしば野球がお留守になるほど面白い。「コロンボ」が大好きな人たちがよってたかって作った本で、しかも版権の関係からか本編のスチール写真は一切なくてイラストが使われてるんやけれど、このイラストがまたすばらしい。犯人役の人たちの写実的な似顔もさることながら、各エピソードの見どころをマンガ風にしたものがマニアックでよろしいな。
 本で紹介していたコロンボのファンサイトも覗いてみた。このムックに関わっている人たちの運営やねんな。
 私はイメージが壊れるのを恐れて新シリーズは一切見てへんので論評は避けるけど、そちらについても旧シリーズと同じように検証している。作品の出来不出来は別として、コロンボのシリーズ全般を愛していることがようわかった。
 ううむ、時間が許せば全部見直したい! 中学時代、コロンボほど夢中になって見た海外ドラマはなかったよな。ノベライゼーションを古本屋などで探してちびちびと揃えたり(ホームビデオなんてなもんはなかったから、小説化されたものを読んでビデオのかわりにしてたのです)、大人になってから合本で復刻されたものも買い揃えた。
 SF関係の知人では冬樹蛉さんや山岸真さんはやっぱりコロンボについて語らせたらなんぼでも話ができる人たちやな。一度京フェスの合宿で心行くまで語り合いたいものです。
 というわけで、まだ夕方録画した相撲も見てへんしシャワーも浴びてへんし、日記を書き始めるのもいつもより遅くなったし、罪な本です。全国のコロンボファンのみなさん、買うべし! 寝る前に読みはじめたら徹夜してしまうこと受け合いですぞ。

7月15日(土)

 タイガースが2連勝したので気分よくビールを飲む。このビールはレンタルDVDの店のキャンペーンでDVD−Rを買うたらキャンペーンとしていただいた「アサヒ・プライムタイム」。高級感をもたしたということなんで、楽しみに飲んだけど、後口がスーパードライといっしょ。ビールはやっぱりヱビスです。キリンクラシックラガーも好きやけど。
 私は家ではあんまり酒類は飲まんのです。飲み会は嫌いやないし、そういう席ではたっぷりアルコールは楽しむ方なんやけどね。家ではほんまに飲まん。これは長年「SFマガジン」で書評をしていて、とにかく毎日本を1〜2冊読んでいた頃の名残りかな。酩酊した頭で読書をし、判断を鈍らせてはいかんと自戒していたのです。それが習慣となって、今でも自宅では飲まんようになった。
 でも、今日みたいな暑さやったら、そんな私でもビールくらいほしくなるわな。なんか8月下旬みたいな暑さや。なんというか、時候のあいさつに「残暑厳しき折、いかがお過ごしでしょうか」と書いてしまいそうになるね。まだ梅雨明け宣言出てへんの。ほんまかいな。

7月16日(日)

函谷鉾を見上げる
 今日はたちよみの会の例会。いったん梅田に出る。阪急の駅に行く途中で「アルバイトニュース」のフリーペーパーを配付していた。アルバイトのお嬢さんは躊躇せず私の目の前に差し出す。ほたらなにかい。私は失業者に見えたんかい。これでも定職にはついてますねん。相手を見て配っていただきたい。失礼な。
 本日の参加者は私だけ。祇園祭の宵山もあるので、あまり集まらんやろうなとは思うたけど。ま、せっかくやから鉾でも見て帰ろうと四条烏丸まで行く。妹が函谷鉾(かんこぼこ)のお手伝いをしているんで、励ましの声をかけた。鉾に上ってもよかったんやけれど、ぱらぱらと雨が降り出したんで、やめておく。ほんまはもう少しあちこちうろうろしようかと考えていたんやけど、濡れてまでして見に行きたいということもなかったしね。それにしても日曜と宵山が重なって、16時半くらいでもかなりの人出。桂米朝師匠の「三十石」で「祇園さん(ぎょうさん)な人やなあ」という駄洒落のくすぐりがあったのを思い出した。
 写真は函谷鉾のお囃子をしてるのを下から見上げたもの。夏やなあ。ちょっとばかり祭の空気を味わえただけで十分ですわ。

7月17日(月)

 今日は海の日。「親子ふれあい交流会」という勤務校の地域の障害児向けのイベントに参加する。障害児学級の担当となると、こういうイベントには必ず参加し、地域や保護者との交流をはかっていくことになる。養護学校時代とはまた違う役回りなんやなあと感じる。
 雨が降ったため、甲子園のナイターは中止。帰宅が遅くなった場合を考えてナイター中継の録画予約を入れていたんやけれど、妻に電話して解除しておいてもらう。帰宅してから何気なくふと思い立ち新聞のテレビ欄を見る。ナイター中継が中止になったということは、通常は「ブラック・ジャック」の放送日なんやから、もしかしたら雨傘番組として予定されているかもしれんぞ。なになに、「ブラック・ジャック秘蔵版」の1時間番組が入ってるやないか。チェックしておいてよかった。
 ところで「秘蔵版」とは何のこっちゃと思うたら、地震が起こったためにお蔵入りになっていた「幻の第2話」である「ひったくり犬」をやってるやないか。もうひとつはなんで放送されなんだのかわからんが未放送の「かまいたち」のエピソードが放送された。
 関西地区の人は雨降りやったから「お、野球は中止か」と気がついたかも多かったかもしれんけれど、それ以外の地方の人はどうやったんやろうか。もしかしら見逃した人もいてたかもしれんな。ナイター中継でレギュラー番組が飛ぶ場合、昨今はドーム球場も多いから雨傘番組をチェックしなくてもええ場合もようある。それになれてしまうと、ついチェックを忘れるということもあるやろうな。そういう意味では、私もよう思い出したこっちゃなと思う。
 見逃した人にはやっぱり「幻の第2話」のままかもしれんな。もっとも、DVDに収録されていたらそれを借りて見たらしまい、とはいえるけれど。

7月18日(火)

 数日前まで8月下旬のような暑さやったのに、土曜あたりからこっち、空が梅雨であるかを思い出したように降る。いやいや、やっぱり8月末的なものを感じるぞ。梅雨明けが近くなって初めて帳尻をあわすように雨が降り始めた。夏休みもあと少しという時期に大慌てで宿題を片付ける小学生みたいやないか。もう、梅雨なら梅雨らしく均等に降らせてくれよ。梅雨か真夏か極端な二元的思考しかでけんのか。ほんまに今どきの天気の神さんの行動にはついていかれんものがあるなあ。もっと伝統を大切にせよといいたい。

7月19日(水)

 松竹芸能会長、勝忠男さんの訃報に接する。死因は肺炎。享年80。
 上方演芸の歴史を調べると、必ず勝さんの名前にぶちあたる。一時は一世を風靡した松竹芸能の全盛期を作った人物やからね。松竹芸能には勝さんの連れてきた芸人さんと秋田實さんの連れてきた芸人さんがいてて、秋田さんに近い人が(故足立克己さんなど)書いた本を読むと、悪役的な役回りにされていたりする。敏腕プロデューサーにはよくあることかもしれん。
 そやけど、故六代目松鶴が信をおいていたということは、それだけすごい人物やったといえるやろう。ただ、現在は吉本興業全盛で、そのために故林正之助さんについて書かれたものは数多く存在するけれど、勝さんについてまとめたものはないというてもええ。いくら松竹芸能の力が弱まったとはいえ、これだけの人物についてまともな評伝もないというのは寂しいことやね。
 その功罪をきちっとまとめたものを書いてくれる人はいてへんかなあ。あんまり期待せずに待つしかないか。
 心配なのは、勝さんが預かっていた「松鶴」という名跡について。今後は誰の管理下に置かれることになるのか、事と次第によってはこの大名跡が途絶えることになるかもしれん。そこらあたり、部外者ながら気にかかる。
 謹んで哀悼の意を表します。

 明日は事情で更新はお休みします。次回更新は金曜深夜の予定です。


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