ぼやき日記


9月21日(木)

 電気カミソリの外刃が破れたので、帰りに梅田まで足を伸ばしてヨドバシカメラに寄る。ヨドバシカメラの南側、大阪駅の入り口近くでキリスト教系の新興宗教の宣伝カーがとまっていて、おっさんがマイクでなにやら演説している。
「キリスト様を信じる人は死んでから天国に行けますが、信じない人は地獄に落ちて苦しむのです」とか言うてるが、それはキリスト教の教えとは違うやろう。なんか茨の冠をかむった閻魔さんが生前の信仰の深さを試しているというような絵が頭に浮かんで困る。
「私たちはみんな悪者なんです。私たちのかわりにキリスト様は亡くなられたのです」とか言うてるが、原罪を背負うているのは「悪者」とは全然違うように思う。「悪者」というと真宗の「悪人正機説」みたいな響きになるなあ。十字架の前に手を合わせて「南無阿弥陀仏」と唱える門徒の姿が頭に浮かんで困る。
 宣伝カーのドアにはでかでかと「聖書」という文字が記されていたけれど、このおっさんほんまにちゃんと聖書を読んだことがあるんやろうか。ああそうか、新興宗教向けに翻案された「聖書」かもしれんな。
 ご本人は道行く人たちにわかりやすいように仏教的な用語を使用しているつもりかもしれんけれど、逆効果のように思うぞ。
 ところで、このおっさんのすごいところは、話がしばらくしたら最初に戻ることやったね。ずっとエンドレスで同じ話がつながってるわけだ。このおっさん一生ここで永久機関みたいに話しつづける気やないやろなと思いつつ、店に入る。
 用件をすませてビルから出たら、おっさんのエンドレス演説は終了し、宣伝カーも消えていた。ううむむむ、どこでどんな風に話を終らせたのか聞いてみたかったぞ。

9月22日(金)

 昨日の深夜に録画した「怨み屋本舗」を見ていると、前科者を恐喝する元刑事を不破万作が好演していた。「ウルトラマンガイア」では夢の国ウクバールを求めていたけれと、ウクバールの夢が破れて自暴自棄になり、犯罪に走るようになったんやなあ。は、ごっちゃにしてはいけませんか。それくらいウクバールはインパクトがあったのですよ。
 妻が、「これは原作は漫画?」ときいてきた。そうやと答えると、「漫画が原作のテレビドラマは、なんでそれがすぐわかるんかなあ」と言う。
 漫画には漫画の技法として誇張表現がよく用いられる。漫画は、その技法を読者も了解して読んでいるからそれでええんやけれど、これをテレビドラマ化する時に、脚本家や演出家がわりと忠実にその誇張した部分も実写に移し替えてしまうんやね。そやけども、テレビドラマの誇張の技法は漫画のそれとはかなり違う。そのまま移し替えたらとたんにリアリティが失せてしまう。「怨み屋本舗」はまだうまく処理している方やとは思うけれど、ひどいものはつい目を背けてしまうくらい恥ずかしくなってくる。
 小説のテレビドラマ化でも似たようなもんですけどね。
 もう少しうまいことでけんもんかなあ。

9月23日(土)

高台寺
 彼岸の中日ということで今日は京都まで妻と墓参りに行く。さすがに政府も秋分の日までハッピーマンデーにはでけんらしい。そんなんしたらえらいことになる。
 先月お盆に行ってまだ1ヶ月もたたん。なんかしょっちゅう行っている気分になる。まあ、次に行くのは春分の日か。
 妻とゆっくり外出する機会がないので、今日は墓参りついでに行楽を楽しむことにした。ま、私もリフレッシュしたいしね。昼は南座の北向いにある創業90年の老舗レストラン「菊水」でランチ。昭和初期のレトロな雰囲気と、フレンチでもイタリアンでもない、いわゆる「洋食」の味を楽しむ。気分は昭和。向側の南座を見たら、山村美紗没後10年追悼公演なる芝居をしていた。出演には萬田久子、国広富之、山村紅葉、大村崑といった名前が並ぶ。ううむ、やっぱり昭和。次回公演は西郷輝彦主演の「どてらい男」。うおおお、昭和!
 墓参りをすませた後、墓地の近くにある高台寺を拝観。太閤さんが肌身離さず持っていたという秘仏のご開帳をしていた。庭の緑、細かいところにみごとな細工を施した部屋など、寺全体を二人で味わう。夜になるトライとアップするということやけれど、寺の敷地内には写真のような電灯があちこちに据えつけられていた。屋根瓦を転用した装飾があまりにも気に入ったので思わず携帯のカメラで撮影。便利な世の中や。桃山時代から一気に平成に戻ったぞ。
 結婚前は二人であちこち寺や名所旧跡を見てまわったものですが、結婚してからはあんまり余裕がなくて行楽とは縁のない生活をしていた。人出も少なくもなく多すぎもせず、ちょうどいい感じ。帰りには南座の隣にある「祇園饅頭」でおはぎを買うて帰る。正しい行楽という感じですな。ただ、最近とみに体力が落ちているので、さすがに疲れたわい。明日はゆっくり休んで今日録画したテレビ番組を見倒すぞ。疲れは取れんな、それでは。

9月24日(日)

 ええい、昨日録画した5時間生放送の漫才番組をずっと見ていたらめちゃめちゃ疲れた。笑うのは体力を使うなあ。南海キャンディーズが出てきたら、客席の女の子の「しずちゃーん」という掛け声が。にっと笑うしずちゃんがまた可愛らしいんだ。いやあ、売れるとそれだけ見られることを意識し、女性はぐっと美しくなる。それを実感したなあ。最初に見た時は天然ボケのでっかい女の子というだけやったのになあ。

 タイガースは順当にジャイアンツに連勝し、優位なはずのドラゴンズがスワローズに連敗してゲーム差は3になったぞ。3ゲームですよ3ゲーム。来週末のドラゴンズに3連勝してみ、ゲーム差はなくなるんやで。よーし、ここでドラがベイスターズに3連敗してタイガースがカープに3連勝したら、ゲーム差なしで直接対決なわけですよ。そこでタイガースが3連勝したりして、逆マジックが点灯したりなんかしたら、わあどうしよう。甲子園球場の最終2連戦で胴上げなんていうようなことになったらどないしょう。私、諸般の事情で2試合ともチケットを買うたのです。ああああ、奇跡の胴上げをこの目で見られたらどうするどうする。わあわわあわわ。
 そんなうまいこといくわけないことはわかっております。ベイスターズがドラゴンズに3連勝するなんてちょっと考えにくいもんなあ。まあとにかくまだしばらく夢を見させてもらえるんやから、この状況を楽しもう。楽しまな、損ですわ。

9月25日(月)

 これが優勝を争っているチームのエースと呼ばれる投手の言うことかなあ。
「外国人の監督は個人の記録なんてどうでもいいんじゃない。絶対に許さない……」(日刊スポーツの記事より)
 ファイターズの金村投手はあと1人で勝利投手の権利を手にするという5回裏に、3点リードながら2死満塁のピンチを招いて交代させられた。今はパ・リーグは1位の座をめぐって3チームが1ゲーム差で入り乱れるという大混戦。これがもしプレーオフという救済策がなかったら、自分の招いたピンチで優勝を逃すところやねんで。個人の記録よりもチームの優勝の方が大事なんと違うんか。そんな文句が言えるなら5回を三者凡退に切ってとったらどないやねん。
 もし金村投手がタイガースのエースやったら、こんなエースはいらん。たとえ交代が不本意でも、ここはチームの優勝の方が自分の勝ち星よりも大事なところと違うか。交代したリリーフ投手が打たれて負けたのは、監督一人のせいやなかろう。
 すべてをプレーオフ制度のせいにするわけやないけれど、こういう公式戦の首位というものを軽視するような発言が出てくる理由の一端に3位でもプレーオフで勝てばいいという気持ちがどこかにあったという風に解釈されても仕方ないわなあ。
 今のタイガースの選手からはそんな言葉は出てこんよ。「ピンチを作ってみんなに迷惑をかけてしまった」というコメントなら目にするけどね。
 むろん、ヒルマン監督と金村投手のふだんの信頼関係が希薄やったとか、いろんな理由が複合しているんやろう。そやけど、熾烈な首位争いをしている時に、チーム一丸となるべき時に、こんな暴言を吐くということろに何か異常なものを感じる。こういうことが起きたチームが優勝できるわけがないのは、1973年、あと1勝というところで優勝を逃した当時のタイガースを思い出させる。この時は、タイガースの金田監督はエースの江夏と口もきかず、権藤、鈴木という2人のベテラン選手に宿舎でどつかれるという醜態を演じている。そこまでひどくはないにしても、優勝争いをしているチームらしくないことだけは確かやね。

9月26日(火)

 おお、なんとファイターズが勝ってライオンズが負けて、首位が交代してしもうた。エースが優勝争いに水をさすようなことをしたというのに、ペナントレース首位までマジック1やと。もしかしたら、他の選手からは人望がなかったんか金村。これでファイターズがプレーオフで優勝したりしたら立つ瀬がないぞ金村。

 俳優丹波哲郎さんの訃報に接する。享年84。死因は肺炎。
 昨年の大河ドラマ「義経」に源頼政の役で出演しているのを見た時に、あまりにもげっそりとやせていて驚いたのが記憶に新しい。丹波さんとは思われんほどの枯れた演技に「こら危ない」と感じたのは私だけやなかろう。私のイメージする丹波さんはごつくて堂々としていながらどこかうさんくささを隠している、その存在感以外になかったからね。というか、何を演じても丹波哲郎。例えば時代劇「三匹の侍」ではまだ若かったにもかかわらず正義のためなんか自分の気まぐれなんかわからん理由で刀をふりまわすというような浪人の役がぴったりはまってたし、映画「日本沈没」(1973年版)ではこの人やなかったら沈没する日本から人々を救うことはでけなんだやろうと思わせる器の大きい首相を、映画「善人の条件」では地方都市の選挙を仕切る百戦錬磨のフィクサーをと、清濁あわせ呑むスケールで演じていた。
 たぶん、不器用な役者さんやったんやろうと思う。演じ分けをするよりも、役を自分に引きこんでしまう、そんな役者。それが実に似合うていた。
 今、若手中堅の俳優でこんな存在感のある怪優がいるやろうか。one and onlyというのはこういう役者のことをいうんやろうな。
 謹んで哀悼の意を表します。

9月27日(水)

天王寺動物園の虎
 いやあ、ついにファイターズがペナントレースを首位で終えましたなあ。この喜びの輪の中に入れない元エースの心境やいかに。このまま勢いでプレーオフの優勝なるかというところやけれど、2位と3位の試合を勝ち上がってきたチームにも勢いがついているから、今年はどうなるかわからん。まあ、しつこいようですが、この壮絶なペナントレースの記憶もプレーオフのおかげで印象が弱くなるというのは、やっぱり納得いかんなあ。

 勤務校の障害児学級の校外学習で天王寺動物園に行ってきた。前任校の遠足で行って以来やから8年ぶりになる。前回行った時は草食動物のサバンナゾーンができたばっかりやった。今年は肉食動物のサバンナゾーンができたばっかり。けっこうええタイミングで行ってるように思う。
 久しぶりに行って感じたこと。平日やのに、若い女性会社員と見られるグループが目につく。サービス業で平日休みなのか、行楽シーズンなのでわざわざ休暇を取って来たのか。
 住所不定職業不明と思われる中高年の男性が多い。前回はそれほど目につかなんだけれど、今回はむやみやたらに目についた。この8年でリストラなどがかなり進んだ上に天王寺公園界隈の住所不定の人々は大阪市の政策でかなり追っ払われてしもうた。ということは、住所不定の人たちは動物園に隠れ棲むようになったのであろうか。そんな奴はおらへんやろお。チッチキチーやでー。
 半日かけて動物園をほとんど見てまわった。来週、修学旅行の引率で北海道は旭山動物園に行く予定やから、天王寺動物園とどう違うかじっくり観察することにしよう。断言してもええけれど、来客者における住所不定の人たちの占める割合は天王寺動物園の方が高いに違いない。
 サバンナゾーンの虎が悠然と歩いていてかっこよかったので、思わず写真に撮る。これをパソコンのデスクトップに飾って、タイガース優勝を祈願しよう。

9月28日(木)

 タイガースが勝利した時点で、ドラゴンズは一挙7点入れられて逆転されていた。いいぞベイスターズがんばれベイスターズ。で、そろそろ試合は終った頃やな、ゲーム差2で直接対戦3連戦やなすいすいすーだららったすらすらすいすいすいーと鼻唄混じりで携帯の情報サイトで確認したら……8回にドラゴンズが3点入れて逆転勝ちしとるやんけえやんけえやんけえ。ドラゴンズファンも「阪神は負けよらんでかんわ」とか思うているやろうけれど、こっちかて「もうそろそろ息切れしてくれや」と思うているのです。明日は甲子園のドラゴンズ最終決戦の初戦を見に行く。いよいよこのトムとジェリー状態に決着がつくのか最後の最後まで続くのか、しかとこの目で見届けたい。

 てなことを呑気に毎日書いていたら、総理大臣にあべしんのすけ、ではない安部晋三前内閣官房長官が就任していたのであった。戦後27人目の総理大臣の誕生でありますね。東久邇宮、幣原、吉田、片山、芦田、鳩山、石橋、岸、池田、佐藤、田中、三木、福田、大平、中曽根、竹下、宇野、海部、宮沢、細川、羽田、村山、橋本、小渕、森、小泉、安部で27人。ただし吉田は芦田の後に返り咲いているから、28回目の新総理誕生といえなくもないけれど。私が生まれた時は池田勇人首相の時代で、記憶にあるのは佐藤栄作首相から。自分が同時代のものとして記憶に残しているだけで18人やもんなあ。半分超えてるもんなあ。以前現代社会の授業で東久邇宮から小泉までそらで続けて言うてみたら、生徒の中から感心したような声が聞こえたけれど、佐藤以降は自分の記憶として残っているわけやから覚えるのがそんなに難しいわけではない。それが証拠に明治から昭和戦前までは資料を見ないと正確に言えません。伊藤、黒田、山県、松方……でよかったかなあ、てなもんです。これは同じ人が何回も組閣の大命を受けているからで、流れにそって記憶するなら、伊藤、黒田、山県、松方、伊藤、松方、伊藤、大隈、山県、伊藤、桂、西園寺、桂、西園寺、桂……と同じ名前が何度もひつこく出てくる。薩長の代表が順番に首相になっているから、その時代のそれぞれの藩閥のトップをあてはめていけばええんやけれど、いきなり大隈に(いわゆる隈板内閣というやつ)大命が下ったり伊藤が藩閥から政党に移って薩摩閥がくるはずのところに出てきたりということが起こったりしているんで、単純に法則化もでけん。再度の着任を飛ばして人数だけ勘定するとなるともっとややこしくなるというわけです(ちなみに上の伊藤、黒田、山県、松方……というのは資料を見て書いた)。
 さらに大正以降になると軍人内閣やら政党内閣やら憲政の常道やら暗殺やらなんやらで法則がなくなるから、しっかりと歴史の流れを抑えて理解し記憶するしかないのです。
 あ、私はなんでこんな日本史の授業みたいなことをえんえんと書いておるのか。
 安部新首相が横綱朝青龍に優勝トロフィーを渡している写真が「相撲」誌の表紙を飾っていたけれど、どう見ても横綱の方が貫禄もあり迫力もあって、安部さんは頼りないなあと思わせるものでしかないというようなことを書くつもりやったのに。そういう意味では小泉前首相は少なくともその存在感では貴乃花を向こうにまわして「感動した!」とやって拍手をもろうたりするくらいでちっとも負けてなんだもんなあ。大丈夫かあべしんのすけ、ではない安部晋三。
 あ、あべしんのすけはジャイアンツのキャッチャーです。プロ野球を知らん人には何のことかちっともわからなんだかもしれんな。

9月29日(金)

 今さっき、甲子園から帰ってきたところです。
 まだ頭の中で「たーたーたーたたたーたーたーたたたーたーたー。わっしょいわっしょいわっしょいわっしょいたたたー、たたたーたたたーたーたーたたーたいーまおか、ちゅーにちたおせおー」というメロディが鳴り響いています。
 桧山は出場したし、今岡は復帰後初ヒットを満塁走者一掃で飾ったし、藤川も登板したし、極めつけはお立ち台で下柳がしゃべっているのを生で聞けた。そいでもってタイガースがドラゴンズに勝ってゲーム差が2.0に縮まったし、今年行った甲子園の試合で1、2を争うすばらしい試合やったし(1位は8回裏川上憲伸から濱中が逆転ホームランを打ったしあいかな)。
 こういうのを至福の時というのやろうなあ。
 ああ、疲れも実に快い。

9月30日(土)

 今日は前期末試験の最終日、そして午後からは中学生向けの学校説明会で土曜出勤。昨日の今日やから、ゆっくり休みたかったけれど、そうもいかん。私の持ち科目の試験もあり、説明会の体験授業も担当している。いうたら、昨日は休めたとしても今日は休むわけにはいかんというわけです。
 風邪をひいたんかなあ、おなかの調子が悪い。はっきり書くと、下痢。下腹に力がはいらん。それでもなんとか体験授業はそれなりに務めを果たした。やっとのことで準備室に戻ったら、あらあら、タイガースはドラゴンズに4点差をつけられて負けているというやないですか。ううむ。これでまたがっくり力が抜けた。
 帰宅途中に薬局で止瀉薬と風邪薬を買い求めた。修学旅行の引率で、明後日の晩は富良野のペンション(ミンシュク?)ですよ。夜の気温は大阪よりも相当低いに違いない。緯度が違う。とりあえず明日は1日ゆっくり静養して体調を整え、なんとか富良野の気温に耐え得る体調にしておかんならんのや。
 というわけで、今日はもう寝ます。止瀉薬を呑んだけれど、効いてるんかなんかしらん、まだ下腹が「ほーら、出せ出せ出せえー」と自己主張してるんだ。まいったなあ。そんな体調のくせに帰ってから録画しておいた野球中継を、負けがわかっているのに(早送りではあるけれど)試合開始から終了まで確認するように見る。こうなると業ですな。明日は勝ってよ、そしたら体調もよくなる(かもしれん)から。


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