ぼやき日記


10月1日(日)

 明日からしばらく修学旅行の引率。今日は横になりながらHDDレコーダーのハードディスクの容量に余裕をつくるべく、ひたすらビデオ三昧。
 深夜に放送している「海のトリトン」の再放送を4話分続けて見ていたら、子どものころ見ていたのとはかなり印象が違う。監督の富野喜幸(現・由悠季)の「ザンボット3」「ダイターン3」「機動戦士ガンダム」に続く路線の原型がはっきり出ている。
 そらあんた、トリトンて、むちゃむちゃかわいそうなんやで。せっかく育ての親のじいちゃんに愛されているのに、いきなり白いイルカがあらわれて、あんたはトリトン族の生き残りやとかわけのわからんことをいう。ポセイドンとかいうやつの操る怪物には次々襲われる。家に帰りたいと戻ったら、じいちゃんは違う子どもたちにいたわられていて帰られん。自分を支えてくれた大ウミガメもセイウチの長老もみんな自分を犠牲にしてトリトンを守る。せっかくめぐりあった唯一の同族の女の子ピピはわがままでプライドばっかり高く、意地悪をしてくる。それでもトリトンはトリトン族のため、海の平和のために戦うことを強いられる。子どもらしくすねたら叱られ、自分でなんとかやろうとしたら子ども扱いされ。
 私がトリトンやったら逃げてるわ。
 ラストシーンのえげつないのは記憶にあったけど、全編実はえげつない話やったんや。私は子どものころに何を見ておったのか。
 関西地区の方、来週からでも間に合いまっせ。いやもうすごいよ。今から30年も前の作品やけれど、作画も迫力があって今どきのきれいでよく動くけれどCGに頼り過ぎて薄っぺらくなっている作画とはひと味違う。子どものころ見たものを大人の目で見直すのは大事なんやなあ。これは読書でも同じことがいえるんやけれど。

10月6日(金)

旭山のオランウータン
 北海道から帰ってきました。10月2日〜5日の3泊4日。北海道にはこれで4度目。とはいえ、1回は修学旅行の下見、3回は修学旅行の引率というわけで、プライベートでは一度も行ったことがない。ただ、修学旅行とはいえ北海道は広く、引率で行った3回とも別な場所。しかも函館などの道南、稚内などの道北には一度も行っとらん。道央と道東だけですからね。
 今回は担任を持ってないけれど、全盲の生徒と先生のいるクラスに助っ人として行くことになった。この間、自分のホームページの日記は更新でけなんだが、旅行の情報を保護者に伝えるためのブログに記事を投稿する係も仰せつかったので、こまめに写真を撮ってメール送稿していた。日記どころか2〜3時間おきになにかしら書いて送っていたのです。個人用の写真を撮ることがでけなんだので、ブログに掲載されたのと同じ写真をここにもはりつけておこう。
旭山のペンギン
 初日は新千歳空港から二風谷へ。アイヌの老婦人の講話と聞いていたから、アイヌの受難の歴史でも聞くのかと思うたら、昔話をして、その話をユーカラで聞かせるというもの。ユーカラは始めて聞くからええけどね。
 富良野のペンションで一泊し、2日目は手作り体験とアウトドア体験。私はバター作りに挑戦。生クリームに水を加えて、インスタントコーヒーの瓶に入れてひたすらシャッフルする。3人で7分ほど振ったら固まってきて、水を切るとバターができた。一人で振り続けてたら腕がパンパンに張っていたことやろう。アウトドア体験は、空知川にできたダム湖でレイクカヌーに乗る。これは私の担当している障害児学級の生徒といっしょに乗る。湖の上をゆっくり漕いで遊ぶということで、これは私にも楽しめた。
旭山のチンパンジー
 富良野のペンションに連泊し、3日目はクラス別の企画。私が付き添っていたクラスは旭山動物園に行く。写真は全てそこで撮ったもの。上からオランウータン、ペンギン、チンパンジー。先週行った天王寺動物園と比べると、動物の種類や広さでは天王寺の方が上やけれど、とにかく見せ方がうまい。写真の動物に加え、ホッキョクグマやアザラシなど見せたい動物を特化して、その動物に広いスペースを与えて自由に動けるようにし、海遊館よろしく硬化ガラスをフルに使いいろんな角度から観客が見られるようにしてある。餌をやる時間までも「もぐもぐタイム」と名づけてイベントにしている。いわば大人が楽しめる動物園になっている。人気があるのもわかりますな。
ご当地アトム
 旭川ラーメン村ではおみやげコーナーで鉄腕アトムが「YOSAKOIソーラン」を踊っているストラップやハンドタオルを発見。ううむ、ご当地アトムがあるとはしらなんだ。京都や大阪ではついぞ見たことがない。というても、このアトム、富良野でも小樽でも売ってなんだ。もしかしたら札幌限定なのをなんでか旭川でも仕入れていたのか? というわけで、すぐに購入。右に写真を貼りつけときました。なんかぽっちゃりしたアトムやなあ。
 3泊目は定山渓のホテル。最終日は小樽で自由行動の日。私は全盲の生徒に付き添い、なにか困ったことがあった時にだけ登場するオタスケマンという役回り。ここではいろいろとキャラメルを買う。むろん、ジンギスカンキャラメルは必須でしょう。ほかにもサッポロビールキャラメルやのスープカレーキャラメルやの醤油ラーメンキャラメルやの十勝あずきキャラメルやのゲゲボなキャラメルがあったんで面白がって買いまくる。また、どの売店でもすぐに売り切れてしまう「カルビーじゃがぼっくる」というご当地スナックを見つけ、職場へのおみやげ用に買う。買いそこねた同僚から「どこに売ってたん?」ときかれるくらい。これは小樽でもかなり端の方の土産物屋で見つけたもので、今回はわず1000円のイクラ丼を食べられる店を発見したりと、穴場みたいなところをうまく見つけられたのかも。
 かくして3泊4日の旅は終り、担任は持っていなかったけれど障害者介助というけっこう神経を使う仕事を担当していたので、大阪に帰ってからどっと疲れが出た。昨日、すぐに日記を更新する予定やったけれど、とても無理。今日も午後からまた眠り、これで少し疲れはとれたかな。

 今朝、旅行中の新聞を読んでいたら、漫画評論の米沢嘉博さんの訃報が載っていて驚いた。漫画評論にひとつの道を拓いた先駆者のお一人やったし、若いころに読んだ「SFマンガ史」などから多くのことを学びもした。新聞ではコミケの主催者としての側面が強調されていて、評論についての評価にはあまり触れられてなんだのが残念。謹んで哀悼の意を表します。

10月7日(土)

 甲子園に行ってきました。
 実は、明日も行くし、12日も行く。なんで10月になってこんなに甲子園に行くことになったかというと、私は甲子園のタイガースの公式戦の最終試合にはけっこうこだわっている。「ああこれで今年も野球は終ったなあ」と肌で感じたいからなんですね。
 実は、今日の試合が最終戦になるはずやった。雨で流れたジャイアンツ戦がここにはいるとわかり、ネットですぐにチケットを入手した。ところが、入手したその日のジャイアンツ戦が雨で中止になる。タイガースの公式サイトで日程を確認し、チケット発売日に迷わずネットにアクセスしてチケットを入手。これが明日の試合。さらにドラゴンズ戦が1試合雨で流れて12日に行われることになった。この試合のチケット発売日はなんと修学旅行の真っ最中。バス移動の間に時間を見つけて携帯でプレイガイドのサイトにアクセスし、チケット入手。
 なにしろまだ優勝は決定しておらず、もしかしたらひょっとしたらという盛り上がりがタイガースファンの間にはあるから、こんな時期のチケットでももたもたしていたら取れない恐れかある。実際、3試合とも私がサイトにアクセスした時にはライトスタンドはすでに売り切れてたもんね。
 というわけで、雨のせいで3試合も最終戦がずれこんでしまい、その3試合とも見に行くことにした。いやもうこのあとドラゴンズが全部負けたしたらタイガースの逆転優勝というケースもないわけではないわけで、5年前まではこんな時期にまだ優勝争いにかんでいるというようなことは考えられなんだし、やっぱりこの状況を楽しみたいもんねえ。
 今日は勝って六甲颪を気持ちよく歌ってきた。しかもドラゴンズが負けたのでなんかもうむちゃくちゃ楽しい。明日もこの気分を持ち越しながら甲子園に行ける。
 ファンでない人から見たら、さぞかしアホに見えるやろうなあ。まあ、好きなことに対してここまでアホになれるのがファンというものやと、SFファンのみなさんにはわかっていただけるかと。いっしょにしたらあかんか。

10月8日(日)

 昨日の日記に書いたような事情で、今日も甲子園球場に行った。
 いやー、とうとうギブアップですな。いつギブアップするのか、このまま勝ち続けてドラゴンズが地力でマジックを減らして優勝するまでいくんかと思うていたけれど、まさかジャイアンツのまさか西村なんぞという伏兵に足をすくわれるとは。あれよあれよという間に凡打の山で、気がつけば0−1で負ける寸前まできていた。それでもなんとか同点に追いついてもう少しでサヨナラ勝ちというところまでいったんやけれど、力およばず。Aクラスの希望がなくなったんやから、ジャイアンツもペナントレースを最後まで盛り上げるよう協力してもええのに、空気の読めん奴やな。
 今年はここまで8回甲子園に行って4勝4敗。今年の成績で勝率五割はちょっと低いか。ま、ドラゴンズ戦3試合見て2勝1敗やからええか。ジャイアンツ戦も3回見たけれど1勝2敗。これが悔しいな。
 私は試合だけやなくまわりの席の観客の反応なんかが気になるたちで、今日は右隣が若い女性の2人連れ。左隣が年配のご婦人3人連れ。若い女性のうち一人は、ユニフォームタイプのジャージの背中に背番号42とSHIMOYANAGIのネームをいれていた。なかなか渋い趣味をしている。延長10回表に久保田がボコボコに打たれた時、「いったいここまで私ら何をしにきてたん!」と疲れた口調で言うていたのが面白かった。反対のご婦人連は、常にもぐもぐと食べ続けながら、穏やかに観戦。タイガースの最終回の攻撃を待たずにそそくさと帰る。そら最後までいたら甲子園駅の手前から梅田駅までずっと人でぎっしりやもんなあ。
 昨日の試合では、左隣がお爺さん。もっともこの爺さんはむやみに元気で、缶や瓶は観客席への持ち込みが禁止されているのに、カバンの底にでも隠していたか焼酎のボトルを出してきて、水筒に入れた氷とペットボトルのミネラルウォーターも用意し、紙コップで焼酎の水割りをつくって試合中ずっと飲み続けていた。甲子園球場では入り口のところで持ち物検査までしているわけやから、これはもう確信犯やね。私は焼酎の独特の匂いがあまり好きやないんで、ずっと気になった。時々つぎそこなって酒をこぼしたりしてるから、そこらあたりに匂いがただよっている。気分はもう茶の間。酔いがまわるに従って舌もなめらかになり、奥さんらしき女性に講釈を垂れるのがわずらわしい。右隣には若いカップルがいて、どうやら女性の方は甲子園は初めての様子。男性はまるで甲子園に来慣れているように見せたがっているけれど、あきらかに知ったかぶりをしている感じ。なんせジェット風船を飛ばすのに、全部ふくらまさんと先っちょの方だけしょぼんと縮んだゴムが残っていたりする。慣れているものならそんなふくらませ方はしません。要領よくふくらまし、空気を満タンにして高く高く飛ばすんや。そのくせ、ラッキーセブンのファンファーレの途中で「まだ飛ばしたらあかんよ」なんて注意したりしている。
 他にもいろんな観客がいて、面白いというたら面白いんやけれど、よけいなことばかり言うたりしたりする客がいてると、気になって応援に集中でけんようになるのはいかんね。特に知ったかぶりが鼻につく客にはいちいち指導したくなってしまうのは職業病かなあ。

10月9日(月)

 今日は体育の日。ハッピーマンデーのおかげで疲れもとれたし、ビデオも頭が腫れるくらい見ることができたし。そやけど、やっぱり体育の日が10月10日でないのは違和感があるなあ。
 今クールのアニメで特に面白そうなのは「天保異聞 妖奇士」と「RED GARDEN」か。他にも大外れはないみたいなので、野球シーズンが終ってもテレビ漬けなのにはかわりなさそう。やれやれ。いや別に私はアニメ評論家やないんやからそんなにいっぱい見る必要はないんやけどね。

 というようなぐだぐだを特に事情のある日を除いて書き続けていたら、なんと今日でホームページ開設後、まる9年を迎えてしもうた。いやあ、毎日習慣づけていることとはいえ、よう続いてるなあ。9年間で読んだ本は2058冊。再読と漫画と仕事で読んだ教科書や資料集をいれるともう少し多くなるか。1年あたり229冊弱。書評家としては少ないように思うなあ。読書のペースからいうと、ホームページ開設前の方が上やった。ただし、ヤングアダルト文庫と架空戦記ばっかりやったけれど。
 日記はブログ化が進んでいるけれど、コメントに対する返信などちゃんとできそうにもないので、まだしばらくは私はHTMLで書き続けることにする。どうせその他のコンテンツはHTMLで書いてアップするから、ブログにすると逆に手間がかかるということもあるしね。
 というわけで、この日記もまだだらだらと続きます。ひとつよろしく。

10月10日(火)

 10年目に突入した「ぼやき日記」です。例によってだらだらと。

 しかしまあなんですねえ。なんでタイガース以外の試合でこないに興奮せにゃならんのか。まったくもって不可解ですな。延長12回表、ドラゴンズが満塁から福留のタイムリーとT・ウッズのホームランで一挙に9点あげ、その裏はジャイアンツ最後の打者木村拓がショートゴロに終ってドラゴンズナインが歓喜し、落合監督が胴上げされる映像をテレビで見て、私はなんかめちゃめちゃほっとした。きめるならここで決めてくれよ、と。そういう気分でテレビをつけたからね。ここでドラゴンズが負けたら次の甲子園の試合にマジック1で乗り込んでくるでしょ。で、先発はどうせ山本昌でしょ。私、一塁側内野席の切符を確保してるわけですよ。タイガース打線がガチガチになって山本のボール球に手を出して凡打の山を築き上げ、ハッと気がついたら完全試合かなんか達成されて落合監督の胴上げをこの目の前で見せつけられるのは、絶対嫌やもんね。
 それと、この最後の最後までどうなるやわからんという展開の持つ緊張感にそろそろ耐え切れんようになってきていたというのも理由の一つかな。もし今日の試合であのまま引き分け、残り試合すべてタイガースが勝ち続けドラゴンズが負け続けたら、勝利数1位のタイガースと勝率1位のドラゴンズによる正真正銘のプレーオフということになっていた可能性もあったわけです。やってる方もそこまでいったらへろへろになるやろうし、応援してる我々もずっと気の抜けない毎日を送ることになる。そうならずにすんだ、という安心感というかなんというか。ここらあたりの心理にはちょっと微妙なものがあって、うまく言葉にでけんのね。勝って勝って勝ち続けてほしい反面、もうそろそろ白黒はっきりつけてほしいという二律背反的な思いが交錯していたのですな。
 落合監督が目を涙で赤くしながら、「(シーズンは)長かったです。こんなに阪神が追い込んでくるとは思わなかった」とインタビューに答え、「70年の歴史の中でも一番すごい勢いで勝ってたんじゃないか」とタイガースの強さを認めた時、心の中でちょっと拍手を送っていたのでありました。
 落合監督に、やないですよ。敵将にここまで言わせたタイガースナインに、ですよ。そこらへん間違えんように。
 それはともかく、ドラゴンズファンのみなさん、おめでとうございました。ドラゴンズファンのみなさんも「阪神は負けんなあ」と思いながら見ておられたのではないかな。
 これで12日の甲子園最終戦は三日酔いのドラゴンズナインと精も根も尽き果てたタイガースナインが壮絶な大乱戦を繰り広げてくれるものと期待している。


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