ぼやき日記


11月12日(日)

 昨日の土曜日はほんまに忙しかった。
 朝起きて、京都SFフェスティバル合宿企画用のMD編集をし、午後から外出。定期的に服用している薬をもらいに京都の主治医の病院まで行く。京都から阪急で大阪にとんぼ返り。梅田の理髪店で整髪してもらう。地下鉄に乗って心斎橋に移動する。18時半から「日本芸能再発見の会」の例会が久々にあったのです。そこで林家染丸師匠の話を聞く。落語やなく、天満天神繁盛亭ができたのを記念して、上方落語と寄席についての講話です。特に、戦後、師匠が実際に見聞した角座や花月の話が面白かった。いつもは終了後、講師の先生を囲む居酒屋での打ち上げに同行するんやけれど、昨日は新野新先生に一言ごあいさつをしてすぐに退出する。地下鉄と京阪を乗り継いで、再び京都へ。21時半を過ぎたくらいの時間には京大病院前のさわや本館に到着した。私の合宿企画「名盤アワー」は23時半から開始ということで、ほっと一息。大広間で久しぶりに会う人たちと和やかにお話をする。ここで一息ついている場合やなかったことが、このあと判明するんでありますが、それについてはまた明日の日記に書くことにする。
 自宅から梅田経由で京都の桂に、梅田経由で心斎橋に、淀屋橋経由で川端丸太町にと、移動だけで疲れたわい。その疲れた状態で合宿に突入するんやから、ええ加減に歳のことを考えろやといいたいね。それでも好きなことやったら多少の無茶をしてしまうところが人の悲しさというのでしょうか。オタクの性というのでしょうか。そんな大層なもんやないというのでしょうか。

11月13日(月) 京都SFフェスティバル2006私的レポートその1

 今日は、私の勤務校では芸術鑑賞があった。今年は古典芸能で、狂言「棒縛り」と「蝸牛」をなんと茂山千之丞さんなどの出演で楽しみ、落語は三代目桂春團治師匠の「子ほめ」。この顔ぶれがいかにすごいかということを、果たして生徒たちはわかってくれたのか。私は仕事でこんなに楽しめたんやから、もう幸せであります。

 さて、昨日の日記の続きです。私の企画「名盤アワー」は、再生装置がないと企画として成り立たへん。そこで、企画開始30分前にスタッフに確認したところ、実は用意してなんだ! すぐに手配してもらうたけれど、開始時間には間に合わず、前説を長々やる。
 やっと持ってきてくれたプレイヤーは、MDを挿入すると常に拒否して強制排出してしまう。こまり果てたところに冬樹蛉さんが「おかだんな(翻訳、紹介の岡田靖史さん)がポケッタブルスピーカーを持っていたから、借りてみましょう」と助けてくれはった。私の手持ちのポータブルMDプレイヤーをスピーカーにつなぎ、なんとか企画開始。みなさん楽しんでいただけたようで、それが嬉しい。
 それにしても、困った時に助けてくれる人たちがいてて、ほんまにありがたい。企画が終った私は冬樹さんや小林泰三さん、おがわさとしさん、実駒さんたちとおしゃべりをして過ごし、結局午前3時ごろまで起きてた。ただ、平常の疲れもあってとにかく布団寝がしたいと先客1名というすいた部屋に潜り込んだ。少しうつらうつらした頃、団体さんがどやどや入ってきて目が一瞬さめたりはしたけれど、なんとか少しでも睡眠が確保できた。
 と、思うていたのになあ。睡眠不足はとことん本会でたたってくれることになる。
 てなわけで、続きは明日です。

11月14日(火) 京都SFフェスティバル2006私的レポートその2

飛浩隆インタビュー
 来シーズンからプロ野球両リーグで行われるプレーオフは「クライマックスシリーズ」ていうんやて。シーズンの1位を争うのはクライマックスにはならんということかいな。そんな変な名前をつけるくらいなら、プレーオフのままでええやんか。

 さて、合宿で少し眠って起きたら朝。合宿のクロージングが終り、私は小林泰三さんや冬樹蛉さんらと百万遍のマクドで朝食をとり、本会会場の京大会館へ向かうた。
 1番目のプログラムは作家の飛浩隆さんへのインタビュー。インタビュアーは香月祥宏さん。内容は、新作「ラギッドガール」を中心とした作品解説やった。うーん、去年やったか合宿で聞いていた作品の作り方やとか復活までの道のりとか、そういうのをもう一度本会でやってもよかったんと違うかな。確かあの時のインタビュアーも香月さんやったから、同じ質問はしにくかったのかもしれんけれど。別な人がインタビュアーでもよかったかもしれんね。香月さんがどうというわけやなく、インタビュアーを固定してしまうと、前回のインタビューの続きみたいなことになってしまうからね。私はあの時その場にいたからわかっているけど、そうでない人の方が多いんやからね。
 それに、新刊として出たばかりの小説の解説をしてもらうのは、ねえ。
 最初のプログラムのあとは、昼食休憩。小林さんと冬樹さんといっしょに会館の地下のレストランで昼食をとる。
 新しい知り合いを増やそうとかいう気が全くないのがわかるなあ。
 というわけで、昼食後の様子はまた明日。

11月15日(水) 京都SFフェスティバル2006私的レポートその3

ニュースペースオペラを語る
 あら奥さん。衆議院の教育基本法特別委員会で野党が欠席して審議拒否している間に与党が単独で採決を強行したんですって。まあ奥さん、教育基本法って教育についての憲法みたいなものなんざんしょ。そんなに簡単に採決とってええんかしら。いやだ奥さん。こんなに急いで教育基本法を変えようとしているということは、よっぽど緊急なのね。そうね奥さん。きっとこの改訂版には「いじめはこれを禁止する」みたいな緊急を要する内容が含まれていたのね。だからそんなに成立を急ぐのね。それでええんか!

SF翻訳について
 それはさておき、レポートの続きです。3時間は寝たんで本会では大丈夫と思うたんが甘かった。「ニュー・スペースオペラ」座談会は(写真右)は、10分で沈没。続く「SF翻訳」対談(写真左)も、10分で沈没。写真を撮ったのにどんな内容やったかわからんのよ。
 もう仮眠では疲れがとられん歳なんやね。ああなんて悲しい。レポートどころの騒ぎやないです。
 でも、睡魔と戦いながら聞いていてびっくりしたのは、「ニュー・スペースオペラ」の司会をしはった東茅子さんの有無を言わさぬ力強い仕切りぶり。本筋から外れかけたら強引に軌道修正する、ややこしい表現をしたら短くてわかりやすい言葉一言でまとめて次に進む。
 人は外見で判断したらあかんもんなんやなあ。
 というわけで、明日はレポート最終回です。しかしここまで読み返したら、まともなレポートにまったくなっておらんなあ。

11月16日(木) 京都SFフェスティバル2006私的レポートその4

山本弘インタビュー
 さて、だらだらと書いてきたレポートらしきものも、今日で一応終らせてしまおう。
 最後のプログラムは「山本弘インタビュー」。「と学会」会長としてもSF作家としても、あるいはヤングアダルト文庫の作家としても活躍してはる山本さんに堺三保さんがインタビュー。これは寝ないで最後まで聞けた。
 印象に残ったのは、面白い小説を書くというところで、だらだらと説明をし過ぎるとよくないということを言うてはったこと。山本さんは「伊賀の影丸」を例にとってはったけれど、整合性を気にし過ぎるあまり、つい説明過多になってまう小説はよく見かける。整合性も必要なんやけれど、多少の矛盾なんか気にならない力のみなぎったスピード感のある小説や漫画もある。そして面白いのは、たいていは後者の方やね。
 私も書評を書く時には、面白がらせる力の強い小説を高く評価してきた。それだけに、山本さんの言葉には共感するところが多かった。
 17時過ぎに閉会。へろへろに疲れた中年3人組(私と小林泰三さんと冬樹蛉さん)は、それでもいっしょに電車に乗りながらずっとしゃべっていたりしたのでした。
 それにしても、京フェスの疲れが尾を引く期間が年々長くなってきているなあ。
 というわけで、今日でレポートはおしまいです。次からはいつものぼやきに戻ります。

11月18日(土)

 漫画家石川賢さんの訃報に接する。死因は心不全。享年58。
 石川賢という漫画家に対する評価というのは、少し難しいように思う。
 永井豪さんのアシスタントとして、あるいは共同執筆者として、そしてダイナミックプロという永井さんを中心としたマンガ制作プロダクションの中心として……というふうに、永井さんと切り離されへんからやね。石川さんの単独名義の作品もあるけれど、それは石川さんの作品というよりはダイナミックプロの作品として、やっぱり永井さんのタッチが色濃く残っていたように思う。
 つまり、石川さんならではという色が見えにくい。そやからというて完全に永井さんの影武者ということでもない。こういうあり方の漫画家さんは他にあまりいてへんのやないかと思う。そういう意味では、評価は難しいけれど、石川さんやなかったらあかんというポジションにいたはったことには違いない。そういう意味ではやはり独自の存在というべきなんやろうと思う。
 謹んで哀悼の意を表します。

11月19日(日)

 今日は「たちよみの会」例会。京フェス実行委員の大澤さんと丹羽さんがきてくれはった。企画の構成の難しさなんかを話したりした。

 大阪では深夜に雷雨。日中は京都、大阪とも雨はしょぼしょぼやったけれど、夜がふけてから大雨になった。いやもう下着の袖は長くなり、部屋にはファンヒーターに床暖房。そうやなあ、もうじき12月やもんなあ。例年よりも冷えるのは遅くなったけれど、着実に季節は変わってきているんや。
 こういう時に、ああ地球は公転してるんやなあと感慨深くなりますよね。
 なりますよね。
 なるよね。
 なるね。
 なる! ね!

11月20日(月)

 今日はいろいろ気を遣ったりするようなことがプライベートであったので、日記を書く余力がない。
 読書感想文はアップしたんで、それで勘弁して下さい。
 いやほんまに気疲れしたら日記どころやなくなるんやなあ。
 ああしんどい。


てなもんや囲炉裏端 ゆっくりまったり掲示板ですお気軽にご利用下さい。

メールはこちらまで。どうぞよろしく。


過去の日記へ。

ホームページに戻る