ぼやき日記


11月1日(水)

 野球シーズンが終ったので(日米野球やアジアシリーズはあるけどまだはじまってへんし)、帰宅してすぐ見るのは朝に録画したドラマ「芋たこなんきん」やね。主役が藤山直美さんということで、第1話から欠かさず見ている。
 ちょっとテレビの枠には収まり切らんという感じはするけれど、そこがまたええと思う。ちょっとした演技が大きくこちらに迫るものになるという感じかな。「てるてる家族」でさえちゃんと見てなんだのに(石原さとみちゃんが主役やのに!)、こんなに熱心に朝ドラを見てしまうなんてねえ。
 大阪の歴史なんかを学校で教えてる関係上、このドラマで描かれる昭和のはじめの大阪の風景や風俗、習慣なんかにも興味がある。忠実に再現しようとしているみたいやから、総集編なんかはちゃんと保存して教材に使えるかもしれん。そんな下心もある。もっともそれはドラマを見出してから考えついたことやけども。
 ただ、藤山直美さんと國村隼さんという組み合わせは、朝の顔としてはちょっとヘビーかもなあ。私は夜に録画を見ているのでそれほど感じてはなかったけど、たまたま夜に見られへんで、出勤前に朝食をとりながら見ている時には「やっぱり濃いわい」と思うたりするもんね。主題歌がいかにも朝にふさわしい爽やかな感じやから、よけいギャップがある。朝、出勤途上で「ひとーりよりー」なんて鼻唄を歌うてるのに気がつくこともあったりするけどね。
 あと、鈴木杏樹さんは年をとったら香川京子さんになるというのがわかった。いや、なるんですよ、これが。見てへん人にはわからない。

11月2日(木)

 ライオンズの松坂大輔投手がポスティング制度を利用してアメリカのメジャーリーグに移籍することになった。その記者会見のもようの写真が新聞に載っていたけれど、ものすごく嬉しそうな表情やなあ。
 もっと上のレベルの野球を経験したいと、どの選手も言うけれど、日本の野球のレベルってそんなに低いんか? 正直なところ、私はメジャーの選手のプレーにくわしいわけやないけれど、たまに見るテレビ中継では荒い部分も多く感じるし、すべてにおいて向こうが上のレベルやとは思われん。
 ジャイアンツが人気を失ったのは、FAでよそのチームの4番をかき集めたというだけが理由やないと思う。松井秀喜選手がいなくなったことが大きかったと、私は思うている。
 日本の野球のレベルが低いというよりは、高いレベルの日本選手が渡米することで日本のプロ野球のレベルを下げているんやないやろうか。ええ投手がいてるから、打者はその投手を攻略するための工夫をし、ええ打者を打ち取るために投手も腕を磨く。ところが、そのええ選手が突然消えたらどうなるか。切磋琢磨というものをファンも見られへんようになるし、選手個人の技量も上がりにくくなる。
 松坂よ、あんたも日本のプロ野球を見捨てるんやね。あんたは嬉しいかもしれんけれど。
 井川ですか。まあ彼はもう好きにしたらよろしいわ。もうどないでもせえ。

11月3日(金)

 来週末はかなり忙しくなる予定なんで、この三連休は風邪をなおし体力を温存するために使わねば。それと、たまってきている録画した番組を一気に見てしまうという機会でもあるし、京都SFフェスティバルの合宿企画「名盤アワー」のMD編集もやっておきたい。
 というわけで、今日はビデオ消化と睡眠で一日を費やした。
 いやあ、昼に寝て目がさめたら真っ暗になっていて、明け方かと勘違いして焦ったわい。「わあ、今何時や。急いで起きんと仕事に遅れる!」というぐあいに。時間の感覚がイレギュラーな午睡でずれてしもうたんね。
 というわけで、現在時差ボケ中。

11月4日(土)

 今日も朝から昼過ぎまでふんだらビデオを見まくり、疲れ果てて午睡する風邪ひきが治らんということもあるけれど)。何をやっておるのか。他にやらねばならんことはあるというのにね。
 で、熟睡し始めたとところに突如大音響。
「ピューインピューインピューイン。火事です。25階で火災が発生しました。ピューインピューインピューイン。火事です」
 ええいうるさいうるさいうるさい。
 誤報やったらしばくぞと思いながらも、とにかく体が弛緩していて動かん。ほんまに火事で煙がきたらわしゃここでおだぶつやぞ。
「ピューインピューインピューイン。火事です。25階で火災が発生しました。ピューインピューインピューイン。火事です」
 妻が「まだ止まらへんなあ」といいながら、とりあえず上着を羽織り貴重品を持ち出し始めている。こらやっぱりとりあえず避難せねばならんか。せんならんなあ。これがほんまに火事やったら、私ゃまだ命が惜しい。
「ピューインピューインピューイン。火事です。25階で火災が発生しました。ピューインピューインピューイン。火事です」
 なんとか鉛のように重い体をやっこらせどっこいさのそらさのせと気合いを入れつつ動かす。私も必要最低限の貴重品を手にし、窓の鍵を全てしめてから部屋を出る。
「ピューインピューインピューイン。火事です。25階で火災が発生しました。ピューインピューインピューイン。火事です」
 妻と二人して非常階段を降りる。私たちの目の前には、真下の階のご夫婦が私らと同じようになんやぼやきながら下へ向かっている。
 十数階降りたところで、警報が止まった。
「ただいまの警報は誤認でした」
 うううう、やっぱりなあ。こうやって降りたのは2回目やぞ。もう1回警報はあったけど、めんどうくさくて家に残っていたらやっぱり誤報やった。
 というわけで、熟睡しているところを警報にたたき起こされた私は家に戻ってから腹がたつので本を読みながら揚げ菓子をばりぼりばりとむさぼり喰うのであった。
 それにしても、ああいう筋弛緩状態の時に(レム睡眠の時、ともいう)こういう警報でたたき起こされるのはたまらんなあ。ほんまに火事やったら避難が間に合わんようになるかもしれん。高層マンションの場合、避難そのものが面倒なんで、火事がほんまに発生したらものぐさな人間がぐうたらしていて死んでしまうかもしれん。そういう怖さを感じさせた警報でした。それにしてもとんでもない目覚まし時計で起こされたもんや。

11月5日(日)

 昨日の火災警報の誤作動は、なんと管理会社の人がいらんところを触ってしもうたからやと入り口の掲示板に書いてあった。人騒がせな。まあめったにないことではあるけれど、そんなにしょっちゅうあっても困る。

 今日は昨年度まで顧問をしていた演劇部の地区大会の公演があり、諸般の事情で顧問を外れた今年度、彼女たちの芝居を初めて見ることになった。
 忙しくたちはたらく各学校の顧問の先生の姿を見ていると、去年まであの中に自分もいたのに、今年はいてへんというのが不思議に思えた。現任校に転勤してから、私はこの4年ずっと演劇部の顧問であることがあたりまえやったんやなあ。そこから離れたおかげで、この時期にかなりゆっくり過ごさせてもらえているわけやけれども。反面、昨年までいたところに別の先生が座っているのを見ると、しんどかったことも忘れてちょっと寂しく思ったりしていたりもする。ここらあたり、微妙というか複雑というか。自分なりに演劇部に対して思い入れができてたんやなあと気がつかされたのでありますね。人の感情なるものはほんまに入り組んだものやねんなあと、自分自身に気がつかされたりなんかしたという、ちょっといいお話です。自分でいうな。

11月6日(月)

 ただいまこの日記を書いているパソコンで、ベートーヴェンの交響曲第7番を聴いている。指揮はカルロス・クライバー、楽団はウィーン・フィルハーモニー管弦楽団。
 なんでこのCDが聴きたくなったかというと、リアルタイムでテレビドラマ「のだめカンタービレ」を見ていたからやねん。ずっと以前から「のだめ」の漫画に妹がはまってしまい、漫画に出てくる曲をぜひ聴きたいというので、リストアップしてもらって大量のMDにダビングしたことがある。そのうち原作を読みたいと思うていたらドラマが始まった。またこのドラマの主演の上野樹里がええんやわ。どこか精神構造に問題のありそうな天才ピアニストをまことに愛すべきキャラクターとして目の前に見せてくれる。
 妻の誕生日に何を贈ろうかと考え、これはもう原作を一括で贈るしかないでしょうという結論に達し、「ハチミツとクローバー」もあわせて一気買いしてしまいました。なんと豪儀な。
 というわけで、今日の回では千秋先輩の指揮するSオケが「第7番」を演奏するエピソード。練習の場面でも本番の場面でも細切れにしか聴かせてもらえないので(いや、全曲通しで聴かせたらドラマの時間枠を広げんならん)、ああもうちゃんと通しで聴きたい聴きたい状態になり、一番躍動感があって楽しい演奏のCDを取り出してみたというわけです。
 ドラマの「のだめカンタービレ」は、劇伴として使用されるクラシックの曲の使い方もうまいし、漫画的な誇張された表現も不思議と自然に見せてくれるし。これは上野樹里だけやなく、スタッフみんながうまいわ。ただ、千秋先輩を演じる玉木宏の指揮姿だけはいただけません。指揮棒が音楽と微妙にずれてるように思うのですね。時々ロングで背後から映しているけれど、これがはっきり吹き替えとわかるくらいちゃんと指揮をしているのです。まあ、そこは気になるけどあえて目をつぶっておきましょう。そらもう上野樹里ののだめですわ。原作以上にのだめです。ところで、ピアノを弾いている姿が上原彩子そっくりなのは、偶然やないよね。

11月7日(火)

 今朝はベランダの鉢植えががたがた揺れる音で目ざめた。すごい風や。木枯らし第1号やったんやね。起きてすぐベランダに出て一服つけたけど、とにかく風がきつい。びゅうびゅう鳴っている。あとで知ったけれど、北海道では竜巻きなどで死者も出たという。日本海側も全般に大荒れやったらしい。被害にあわれた方たちにはお見舞いを申し上げます。
 スクーターで淀川を越える時、風にあおられて怖かった。安全運転で走行してるんやけれど、普通に走ってたらだんだん端に押されていく。重心を傾けたりしながらなんとかまっすぐ進めた。
 それにしても学校の廊下というのはなんでああも寒い? 夏は涼しくてええけど、こう急に冷えると、廊下で立ち話をしてるだけで震えそうやね。別に薄着をしているわけやないんやけどね。昨日はカッターシャツだけで、しかも腕まくりをしていた。今日は袖はもちろんのばし、その上からトレーナーを着込んでいたのに、それでも寒い。まてよ、去年の今ごろは下着も長袖やったかも。
 しかしなんですねえ、1日でこんなにぱしっと気候が変わるか、普通。一雨ごとに寒くなってきて、気がついたら秋も深まっていたというパターンやないもんな。というか、「秋の長雨」らしきものが今年はなかったように思う。9月のはじめに雨降りが多かったという記憶はあるけれど。しかも雨が降るのはたいてい水曜日やった。それ以外、まとまった雨が降ったという記憶がない。あ、北海道に行っていた10月頭には大阪はけっこうよう降っていたんやった。その時期に大阪にいてなんだから、実感がわかんのよ。大阪に帰ってきて、最寄駅まで妻に傘を持ってきてもろうたというのを思い出した。あのあとはあんまり本格的に降ってなかったのと違うか。
 あ、そやからずっと暖かいままで、昨日雨が降ったあたりから一気に気候が変わったんか。なるほどそういうことか。なんか書きながら思いついて納得してるな。ものを書くと脳に刺激が与えられるのかな。そんな脳に刺激を与えるような文章を書いてるか、私は。脳が弛緩するような日記しか書いてへんのにねえ。

11月8日(水)

 ジャイアンツというチームの編成部門は、不思議な動きをするねえ。仁志内野手という得難いベテランを若い選手と交換して出したかと思うと、オリックスバファローズから谷外野手を獲得するのに、期待の若手投手を放出する。小久保内野手にFAで逃げられ、三塁手が必要なのに、三塁も守れるとはいえ本職は一塁の小笠原内野手をFAで入団させたがっている。一塁にはイ・スンヨプ内野手を大金を払って残留させているから、小笠原選手は不馴れな三塁を守らなならんということになる。
 今ジャイアンツに必要なのは、先発できる投手やと、敵であるタイガースファンの私でも思う。実際、タイガースは野手は若手をのばす方針で新たに移籍させるのは代打要員の高橋光信選手(ドラゴンズから戦力外を言い渡され、トライアウトで移籍先を探している選手です)くらいか。FAで獲得しようとしたのはカープの黒田投手くらい。ファンとして見ていても納得できる補強の方針がある。
 それにしてもジャイアンツの威光というのはなくなったなあ。小久保選手なんか契約期間が終りFAの権利を手にすると、待ってましたとばかりに古巣のホークスに戻ろうとしているし、谷選手も記者会見で「神戸には愛着がある」とオリックスバファローズに残っていたかったという気持ちを隠さない。私が子どものころは、ジャイアンツのユニフォームに袖を通せただけで幸せというような選手が多かったのにね。ファイターズから移籍した張本選手なんか、いつも自己紹介するのに「巨人軍の張本です」と誇らしげにチーム名をつけていた。広沢、川口、落合、清原、江藤……みんな他のチームの誘いを蹴ってまでしてジャイアンツに入りたがった。
 新人選手でも、ジャイアンツが希望枠でドラフト指名しようとしても、拒否したりする。
 昔はタイガースが自由獲得枠で指名しようとした選手が直前でジャイアンツを逆指名したりなんていうこともあったけど、今は逆転したみたいや。今年のドラフトの希望枠でジャイアンツが指名する立命館大の金刃投手は家族ぐるみのタイガースファンらしい。そやけど、タイガースから希望枠で指名されないから、指名を表明してくれたジャイアンツに入ることにしたという父親のコメントを週刊誌で読んだ。
 ジャイアンツの権威が底まで落ちないと、ほんまの球界改革はでけへんというのが私の持論なんで、この場当たり的な編成がもっと続くと面白いけどね。

11月9日(木)

 もうじき京フェスですよ。今年の「名盤アワー」にそなえ、ほぼ選曲はできた。あとは企画の時間に合わせながら曲目を絞り込み、MDに録音するだけ。まあ土曜日には間に合いそう。今年はCMソング特集をするので、1曲の時間が短くて曲数が多いから、絞り込みが難しいなあ。
 とにかく楽しい時間にしたいと思うので、京フェスの合宿にお越しのみなさんは聴きにきて下さい。あの幻の「ロバパン」の歌などでおもてなしします。あ、「ロバパン」知りませんか? まあ40代以上の関西出身者やないとわからんか。わからなんだら自分で調べ!
 はい、今日は私の企画のCMでした。

11月10日(金)

 今日は、教育センターでの研修。高等学校では、従来の障害児の他にLD、ADHD、アスペルガーなどの生徒への指導を本格的に進めようとしているんやけれど、そういった問題に対してどう対処していくか、というような研修を受けているのです。
 今日は、他の学校に先駆けて障害児教育を進めてきたということで、私の勤務校の同僚が講師をつとめた。私は、私たちが毎日やっている仕事について聞くためにわざわざ出張しにいったことになる。まあ、他の学校の先生の話もあったから、行っただけのことはあったんやけれど。
 で、職場から出る前に「当ててしゃべってもらうかもしれへんで」「そしたら、なるべく棒読みにならんように答えますわ」というような会話をかわす。そう、なんでも全国各地で行っている「教育改革」の討論会で、文部科学省があらかじめ討論者にいうことを教えてたらしいですな。で、教えた上で「棒読みにするな」とまで指示をしている。
 茶番とはいえ、結論ありきの改革案を、さも討論会での討議を経て打ち出した案という形式にしておくという発想自体、「改革」からは程遠いなあ。今行われようとしている改革は、つまりは「上の言うことをそのまま下に伝えるのが正しい教育」というものになるやろう。それも、あたかも「子どもたちの学ぶ意欲が自然に沸き上がってきた」というような見せかけの。

 明日は京都SFフェスティバル。次回更新は日曜深夜の予定です。


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