ブック・レヴュー


ファンタジイが読みたい!
帝都物語
荒俣宏著
角川文庫

 明治末期に帝都東京を霊的に改造しようとする計画が進められていた! 当代一流の学者や文人らを巻きこんだこの計画を進めるなかで、計画に加わりながら帝都崩壊をもくろむ魔人、加藤憲保陸軍中尉。彼は陰陽道や風水の知識を総動員して帝都崩壊の陰謀を進めていく。本作こそ伝奇小説の世界に初めて本格的に陰陽道や風水の知識をとりいれ、一般化させた画期的な小説なのだ。伝奇小説の白眉として後世に残る傑作。

(「SFが読みたい!」2002年版掲載)

附記
 「SFが読みたい!」2002年版で企画された「ファンタジイが読みたい!」の「おすすめファンタジイ100」でとりあげられた作品紹介文。


目次に戻る

ホームページに戻る