いわずとしれた安倍晴明ブームの火付け役。飄々とした晴明と熱血漢でロマンチストの源博雅のコンビが平安朝の闇に潜む怨霊たちを退治していく。愛憎に満ち満ちた貴族社会の裏側は、現代の読者にもあい通じるものだろう。晴明の使役する式神、蜜虫の存在も魅力の一つ。陰陽師ものを代表する傑作であることはいうまでもない。マンガや映画、ドラマで知った方も原作をぜひ読んでほしい。
(「SFが読みたい!」2002年版掲載)
附記
「SFが読みたい!」2002年版で企画された「ファンタジイが読みたい!」の「おすすめファンタジイ100」でとりあげられた作品紹介文。