大相撲小言場所


NHKよ、反省せよ

 今日は九州場所二日目。仕事からかえってNHKの放送を留守録したVTRを見る。延々と国会中継をやっている。ずっと早送りで見て、やっとこさ相撲中継が始まった。幕内前半戦も後二番を残すのみ。ここまでのカットは、仕方ない。国会と相撲とどちらが大事かといわれれば、「もちろん相撲だ」と答えたいところだが、やはり国会を優先するのは当然だろう。
 問題はここからである。
 実は、BS放送では国会中継などせずに三段目からずっと相撲中継をしているのだ。地上波放送でカットされた部分は、そのVTRを使用して紹介してくれる。相撲ダイジェストみたいなものです。その中の何番かは相撲が長引いたのだろう、途中からリプレイをはじめているのだ。かつてデーモン小暮さんも指摘していたことだが、これに対して私も物言いをつけたい。
 相撲の取組で何が大切かといえば、やはり立会いであろう。ここで呼吸があわずに一方的に敗れる力士も多い。組み手も立会いで決まる。体勢も立会いで変わる。立会いの緊迫感は、他のスポーツにはない独特の一瞬である。「よーいどん」で立つわけではない。相手と呼吸を合わせ、自分たちのタイミングで立つのである。行司は、両力士がちゃんと立ったことを確認してから「ハッケヨイ、ノコッタ」と声をかけはじめるのだ。
 それをなんだ、放送時間の関係かなんか知らんが丸々カットするなんて。NHKのディレクターは、ほんとに相撲のことをわかっていて放送しているのか疑わしくなってしまう。相撲が長引いたのなら、立会いと直後の応酬をちゃんと見せてから間の動きのないところをカットすることで放送時間のやりくりができる。現に、スローVTRではそうしている。
 「途中からご覧ください」とイケシャアシャアというアナウンサーも、これに疑義をはさまない解説者も同じだ。
 どうせしばらく国会中継は続くのだろう。そして、その度に立会いのない妙ちくりんな相撲を見せられることになるのだろう。
 見たかったらBSに加入せよという戦略か? いくらなんでもそんな真似はすまい。
 ともかく、NHKでしか相撲は見られない。独占放送なのである。それならそれで、相撲の醍醐味を視聴者にちゃんと見せるようにしてほしいものだ。

(1997年11月10日記)


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