大相撲小言場所


平成十年夏場所展望

 平成十年大相撲夏場所の焦点はやっぱり若乃花の横綱挑戦ということになるのだろうな。個人的には若乃花には横綱になってほしくないのである。横綱は常に最強の力士であることを求められる。若乃花の場合、体力的な不安が常につきまとう。ちょっと負けがこむと休場、そして引退をささやかれる。これか大関だと、たとえ力が落ちて陥落したとしても霧島や小錦の例もあるように最後まで力士生活を全うしファンを楽しませてくれることもできるのだ。
 しかし、横綱にはそうなれるものでもない。チャンスがあればそれをつかんでほしいという気もある。ここらへん、複雑な心境だ。
 では、若乃花が連続優勝で横綱になることができるかどうか。
 五分五分、というところではないだろうか。プレッシャーもあるだろう。スタミナの不安が解消したわけでもない。先場所星を残した曙は気をよくしているだろう。勢いに乗った時の曙の怖さは侮れない。武蔵丸も今場所はプレッシャーとなるものがない。序盤戦に星を落とさなければ一気に千秋楽まで突っ走る可能性は高い。
 出場することを決めた貴乃花だが、若乃花の援護射撃ができるほど回復してるかどうか。となると若乃花はがぜん不利となる。技術的には抜群の力士だけに、先場所のような相撲をコンスタントにとれるかどうか、というところか。
 さて、その出場する貴乃花だが、こちらは休むべきである。わずか2ヶ月では完全復調は難しいだろう。彼が再出場する時は元の憎らしいほど強かった横綱に戻ってからにしてほしいのである。
 関脇以下では、土佐ノ海が少しずつ前に落ちる不細工な相撲を減らしてきている。故障が準調に回復しているならば、元のスケールの大きな相撲も望めるだろう。休場あけの出島は土俵カンをとりもどすまでは安心して見てられない。こうなると、栃東の休場は痛いなあ。
 地力のついてきた蒼樹山、先場所ブレイクした千代大海ら、突き押しの力士は今場所はどうだろうか。相撲を覚えられ、苦しくなっいくような気がする。
 とにかく争点は若乃花の綱取り。それだけだ。もし序盤で崩れてしまった場合、楽しみが半減してしまうだろう。新入幕の若の里あたり、思い切りのいい相撲を見せて是非土俵に活気を吹き込んでほしいものである。

 場所前に協会が出した年寄名跡改革案については、納得できないことが多い。これについては日を改めて考えてみたいと思っている。

(1998年5月9日記)


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