大相撲小言場所


平成十四年名古屋場所展望〜朝青龍の大関挑戦〜

 横綱貴乃花は今場所も休場。とうとう7場所連続休場という記録を作ることになった。再起を期すのは秋場所。さて、本当に貴乃花は再起できるのか。かなり心配になってきた。
 というわけで、今場所の話題の中心は朝青龍の場所後の大関昇進。私が考える昇進条件をいくつかあげてみよう。まず、優勝争いに最後まで残ること。そのためには前半いきり立って相撲が雑になるのを防がねばならない。次に、立ち合いいきなり足取りなどという奇策を封じること。それで勝ったとしても、翌日から取り口が乱れてしまう可能性も高い。最後に、常に積極的な相撲という個性を忘れないこと。張り手けっこう、それが朝青龍の個性なのだから。個性豊かな力士が活躍すれば、土俵に活気が満ちるのだ。
 優勝争いだが、やはり武蔵丸がその中心となるだろう。しかし、対戦する力士も武蔵丸の弱点をつくようにしてほしい。右を封じるのは難しいが、左手を使わせないようにすれば、右の力も半減する。どうもここ2場所を見ていても、力士たちの研究不足ということが強く感じられてならない。
 対抗するのは大関栃東か。右のおっつけを意識して攻めていくことかできれば有力な候補だ。千代大海は15日間集中力がもたないような傾向がある。前半戦の主役にはなるだろうが。怪我で稽古不足の魁皇も本場所では意外な力を発揮する。しかし、稽古ができていない状態で15日間を乗り切るのは難しいだろう。そうなると、武双山の休場が残念である。
 休場あけの琴光喜は顎の骨折からの再起。恐怖感が残っていないければよいが。相撲勘が戻ればそれなりに活躍できると思うだけに、精神的な面での強さが問われる。
 三役復帰の雅山、そして先場所久々にらしい相撲を見せた出島の元大関コンビの活躍にも注目したい。実力はあるが、故障で一時落ちただけなのだ。大関再挑戦に向けて大暴れしてほしい力士たちである。
 貴乃花の休場で、またしても興がそがれた感じにはなるが、若い力士たちがそれをカバーするようなイキのいい相撲をとってほしい。そして、来場所復帰予定の貴乃花に挑戦してほしい。

(2002年7月6日記)


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