大相撲小言場所


平成十五年春場所展望〜新横綱朝青龍〜

 新横綱朝青龍が誕生した。新横綱の場所のプレッシャーは相当なものだろう。そのうえ、もう一人の横綱である武蔵丸は休場し、いきなり一人横綱の重責を担うことになる。場所前に肩を痛め、万全の体調とは言い難い。3場所連続優勝の可能性はかなり低いのではないだろうか。それでも、精神面での成長著しい朝青龍のことだから、自分の相撲を取り続けていれば優勝のチャンスがないわけではない。
 カド番大関で出場するのは魁皇と千代大海。相撲勘を取り戻せば優勝争いに加わるだけの力量はある。2人については、序盤戦の相撲に注目したい。武双山はここ数場所の様子を見ても、よほど腰の具合がよくないと優勝争いできるだけの相撲がとれるかどうか。
 となると、若の里、琴光喜といった若手力士が大関昇進に向けて活躍することが期待できる。もう一人、進境著しい隆乃若が休場を決めているのが残念である。
 優勝争いのダークホースとして注目したいのが、元大関の出島である。先場所は途中で息切れした感があるものの、全盛時の鋭い出足を取り戻しつつある。優勝経験があるのも強みだろう。
 貴乃花引退で柱石を失った大相撲が今後どのように変わっていくのか。その行く末を占うような場所となりそうなだけに、全ての力士が危機感をもって場所に臨んでほしい。今年の大阪はかなり寒いけれど、その寒さを吹き飛ばすような熱戦を見せてほしいものである。

(2003年3月8日記)


目次に戻る

ホームページに戻る