朝青龍はこれまで名古屋場所だけ優勝がない。今場所優勝すれば、4箇所全てで賜杯を抱くことになる。その確率は高い。千代大海、魁皇、ともにピークを過ぎた感があるし、武双山は今場所の結果次第では引退の危機に直面している。関脇に陥落した栃東はまずちゃんと相撲がとれるかどうかという段階である。若の里、琴光喜はむらがあって15日間続けて安定した相撲がとれるかどうか。北勝力も先場所のようにはいかないだろう。序盤戦の結果次第では大敗もあり得る。つまり、優勝争いをしそうな候補者が見あたらないのだ。独走するのではないかと予想する。
となると、期待はこれから上がってくる若手に集まる。十両では萩原、琴欧州、豊ノ島、安馬、露鵬、琴奨菊らが、幕内では新入幕の時天空、上位進出の黒海、白鵬、朝赤龍らが将来の横綱大関を目指してイキのいい相撲をとっている。ここに普天王の名前も入れたいのだけれど、ここまでの相撲を見ていると安全にいこうとして消極的な相撲をとるような感じがあり、三役にたどり着けるかどうか。大化けしないと難しいだろう。それにしてもここに挙げた力士のほとんどが外国出身力士である。私は別に外国出身の力士であろうと国内出身の力士であろうといい相撲を見せてくれればそれでいいと思っているのだが、そんな私でももう少し国内出身の力士にがんばってもらいたいところである。
つまり、今場所は、いや今場所も朝青龍の場所になり、楽しみはまだ幕内にすら上がっていない若手力士、ということになってしまう。これでいいわけがない。今必要なのは朝青龍のライバルたり得る力士の登場だろう。となると、やっぱり上記の力士の成長をまたなければならないわけで、現状は寂しいばかり。こういう悲観的な予想を覆す快進撃を大関や三役の力士には期待したいのである。
(2004年7月3日記)