新関脇の白鵬は、三役昇進2場所目ではあるが、条件次第では場所後に大関昇進の使者を迎える可能性は高い。そのための条件をいくつか考えてみた。
まず、優勝すること。三役で連続通算33勝以上という条件が不文律のようにあるけれど、2場所目の白鵬はその条件を満たしていない。が、優勝すれば、文句なしに大関に昇進させていいのではないだろうか。これは優勝決定戦に進出した場合も同条件としたい。朝青龍が絶対的な強さを誇る現在、優勝するというだけで現在の大関陣以上の力を有していると考えていいからだ。
準優勝の場合はどうか。この場合は、横綱朝青龍に勝利していれば大関昇進を認めるべきだろう。現在の大関陣でもなかなか朝青龍から白星を勝ち取れないのだから、横綱に勝っての準優勝ならば、優勝を逃したとしても十分に値打ちがある。
以上の条件どちらかで文句なしに大関昇進。そこに届かない場合は、たとえ10勝以上あげていたとしても、今場所に関しては昇進は見送り、夏場所の結果を待つことにすべきだろう。
あせることはない。白鵬はまだ19歳。自然体の相撲といい、ただよう風格といい、1場所くらい遅れて昇進したところで、このままスムーズに行けば彼が大横綱になってくれる可能性がなくなるわけではないのだ。
朝青龍は確かに強いが、今場所前の稽古場ではモンゴル相撲の技を稽古相手にしかけてみたりするという余裕が、逆に墓穴を掘る可能性だってないとはいえない。朝青龍の場合、性格的なムラが相撲にはっきりと出てしまう。負けん気が強いのはいいが、それが表に出過ぎてしまう。そこをつかれると意外にもろいのだ。
ただ、優勝争いとなると、やはり朝青龍が一番手にくるであろう。それ以外の力士が優勝するためには、以前にも書いたけれど、朝青龍にぴったりとついていく展開、もしくはリードする展開にもっていかないと難しいだろうと思う。逆に、朝青龍が序盤で1つか2つ番狂わせをくらったとしたら、その時にリードしている力士はがぜん有利となるだろう。それが白鵬になるのか栃東になるのか雅山になるのか。大関昇進を棒にふって一から出直しとなった若の里あたり、無欲で臨めば面白い存在になるのではないかと期待しているのだが。
(2005年3月12日記)