大相撲小言場所


平成十八年名古屋場所展望〜白鵬連続優勝なるか〜

 先場所、新大関で初優勝した白鵬が、早くも大関2場所目にして横綱の座を狙う。先場所の初優勝は、横綱朝青龍の休場、大関琴欧州の不振、大関栃東の休場など、本来ライバルとして優勝を争うべき力士が本来の力を発揮できなかったという幸運もあった。元大関の雅山と新入幕の把瑠都が優勝争いの相手とあっては、白鵬が優位に立ったのも当然だろう。
 今場所はどうか。
 休場明けの朝青龍が、どこまでていねいな落ちついた相撲をとるか。そこにかかってくると思う。ここ数場所の朝青龍は稽古不祖をスピードでカバーするとばかりに強引な相撲で墓穴を掘ることがままあった。その結果が先場所の怪我ということになったと思われる。そのところをちゃんと見つめなおして基本に忠実な相撲をとれば、優勝候補の一番手はやはり朝青龍だと思われる。経験豊富な横綱に対し、白鵬が勢いとうまさのバランスのとれた相撲でその壁をぶち破ることができるか。
 琴欧州の怪我が完全に回復していたら、この2人に割って入ることが期待できる。先に大関に昇進しながら、白鵬に抜かれるのは悔しいだろう。ここは意地を見せたいところだ。
 意地といえば、元大関雅山が再大関に挑戦である。11勝が昇進ラインと理事長はいっているが、10勝でもかまわないのではないか。本大関というキャリアを考えれば、新大関になる場合とは条件が違うと思う。もちろん、ここ数場所の相手をしっかり見ながら重い突き押しで持っていく相撲をとれれば、結果は必ず後からついてくる。
 新三役の稀勢の里、上位に一気に出世してきた把瑠都、古参大関の3人が若手の前にどのように立ちはだかるか。今場所は見どころの多い場所になりそうで楽しみだ。
 名古屋場所は昔から平幕優勝の多い場所である。ハプニングも期待できる。また、実は横綱昇進のかかった力士が好成績で場所後に昇進をきめることも多い。かなり面白い場所になりそうな予感がする。

(2006年7月8日記)


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