今場所は白鵬と朝青龍の一騎討ちとの予想が多い。実際、2場所のブランクがありながらなんとかしのいで千秋楽の相星決戦に持ち込んだ朝青龍の技と執念には感嘆した。そして、稽古もつみハワイでリフレッシュもし、東京スポーツの記者に暴言を吐いてストレスを発散させた朝青龍は、今場所は全霊で優勝狙いにくるだろう。白鵬も自信を深め、双葉山を目標にするという談話も残している。
でも、それでいいのか。
大関たちは、2人の優勝争いを指を加えて見てていいのか。
横綱に継ぐ位置にいるものとして、一矢むくいようという気概はないのか。
よく、「関脇が活躍する場所はおもしろい」というけれど、それは横綱も大関も強いからいえることであり、現状では大関が活躍しないからつまらないという状況になっていると思う。
カド番最多記録の千代大海は進退を賭ける場所になるだろう。とにかく15日間引かずに突っ張れ。
先場所なんとかカド番を脱した琴欧洲はもっと堂々とした態度をとってくれ。伏し目がちで哀愁をおびた大関など土俵場では見たくない。
琴光喜は、はやくも引退直前の大ベテラン大関みたいな相撲をとっている。横綱を狙いたいと亡き師匠に誓ったのは嘘ではないと信じている。
魁皇は、まあいい。もう存在事態が宝。でも、実は両横綱に一泡ふかせる可能性の高いのがこの人なのだ。右上手をつかめば、まだまだ勝てると思わせるところに宝の宝たる値打ちがある。
とにかく、今場所の土俵の内容は大関陣の奮起にかかっていると思う。若手たちはまだ大関に届きそうで届かない。だからこそ、大関の値打ちというものが問われてくるのである。
奮起せよ! 大関たち!
(2008年3月8日記)