大相撲小言場所


平成二十一年初場所展望〜新大関日馬富士誕生〜

 横綱朝青龍の急速な衰えは、場所前の稽古について書かれた新聞記事を見ても明らか。白鵬にはほとんど歯が立たず、肌つやも悪いらしい。朝青龍は稽古中に取材にきた元小結の舞の海さんが「引退しないでね」と激励したら、「顔じゃないよ」と怒鳴ったらしい。これは、「元小結程度のお前には言われたくないよ」という意味ととるべきだろう。これでは話にならない。自分よりもずっと先輩で相撲解説という仕事についている人に対していう言葉ではない。「引退」の言葉に過敏に反応したらしいが、ちょっと気にし過ぎ。かなり調子が悪く自信が持てないでいるようだ。現役の姿を見るのも今場所限りという可能性もある。
 これで白鵬が今後一人勝ちになったのでは面白くない。先場所の相撲を見ていると、油断したような取り口が目立った。こういう時にはライバルがほしい。そこで新大関安馬改メ日馬富士の登場である。同じモンゴル出身で年も近い二人が切磋琢磨すればそれに引っ張られた他の力士も負けじと活躍するというようなことがあるだろう。
 新大関の場所に優勝するのは難しい。日馬富士は10勝すれば合格点とみたい。
 優勝候補の最右翼は白鵬だと思うが、ダークホースとして稀勢の里あたりが優勝にからむのではないかと感じている。期待しているからそう思うのかもしれないが。
 嫌なニュースの多かった昨年だが、今年は土俵の充実により悪い話をすっ飛ばしてほしいものである。

(2009年1月10日記)


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