今場所の焦点は千代大海の引退かも、などと書こうと思っていたら、あらまあ、なんと初日のわずか3日前に朝青龍と白鵬が揃ってゴルフに興じていたというではないか。日本人力士もなめられたものだ。それでも優勝を争うのは自分たちだという気持ちでいるのだろう。これを慢心といわずして何を慢心というか。
本場所直前に相撲の稽古もせずゴルフで遊ぶような力士に私は優勝してほしくないと思う。巡業で、部屋で、ひたすらストイックに稽古に励む力士が賜杯を手にしてほしいのだ。しかしなぜ白鵬まで朝青龍につきあうのか。朝青龍が遊んでいたら、これを好機としてさらに本場所に向けて稽古土俵の上で調整してほしかった。残念なり。
千代大海は場所前にインフルエンザにかかり、しっかりと稽古できていないという。そんな状態で土俵に上がり、辛うじて8勝してその座を維持しても誰も賞賛しないだろう。気持ちよく全休して来場所は関脇で再起を期し、10勝して小関に返り咲いてみせる方がいいと思うのだが。
というわけで、ここはやはり豪栄道に期待しよう。場所ごとに相撲がうまくなってきている。優勝を狙うくらいの気持ちでゴルフ横綱たちに立ち向かってもらいたい。稀勢の里には期待するのはやめた。こんなにムラッ気のある力士が大関になったとしても、それは横綱を狙う大関とはならないのではないかと危惧するからである。
悔しいけれど、優勝争いはやはり両横綱中心になるだろう。誰か意地を見せてほしいのだが……。
(2009年5月10日記)