大相撲小言場所


名古屋場所をふりかえって〜異様な雰囲気の中で白鵬47連勝〜

 白鵬が全勝優勝。賜杯をはじめとする各種表彰は辞退、テレビ中継はダイジェストのみ。なにかあるたびに相撲界全体が叩かれるという異様な雰囲気の中で、15日間ずっと万全の相撲を取り続けたことに対し、改めて敬意を表したい。異例ともいえる現役横綱としての協会批判「国技をつぶす気か」は、少なくとも私の思いを代弁してくれたという気持ちになった。私以外にも同じ思いを抱いた人はいたのではないか。
 大関陣はそろって不調。把瑠都は序盤戦から古傷の膝を気にするような相撲で脱落。日馬富士も序盤の取りこぼしが響いて10勝止まり。琴欧洲は逆に序盤は好調だったが息切れ。私はいつものようにこれに対して批判することができない。琴光喜の解雇、豊ノ島や豪栄道らの謹慎など、平常心を保てという方が無理な場所だった。開催さえも危ぶまれ、番付発表も遅れた。白鵬ですら「休場を考えた」と告白したくらいである。
 敢闘賞の豊真将と技能賞の鶴竜が序盤から中盤まで勝ち星を積み重ね、なんとか14日目まで優勝決定を引き延ばしたのは特筆に値する。敢闘賞の阿覧、賞はなかったが栃煌山も思い切り自分の相撲を取っていて好感が持てた。
 魁皇も盛り上げようとがんばっていたが、無念の途中休場。角界の宝といえる存在だけに、しっかりと怪我を治して来場所に臨んでほしい。
 白鵬は47に連勝記録を伸ばし、大鵬の記録を抜いたが、こういった記録が騒然とした雰囲気の場所で達成されたことをファンは忘れてはならない。白鵬はもう日本人のモンゴル人のという枠を超えた存在になった。それがこの場所の一番大きな成果だったのではないだろうか。

(2010年7月25日記)


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